第339回桃李4月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:春暁、囀り、花曇

題詠または当季雑詠

兼題T 春暁
兼題U 囀り
兼題V 花曇

4月15日(月)投句開始
4月22日(月)投句締切 翌日選句開始
4月29日(月)選句締切 
4月30日(火)披講 

投句: 春愁、しゐ、寿美子、白馬、秋童子、素蘭、風子、実生、翔河川、丹仙、明子、ヨアヒム
選句: 実生、しゐ、明子、風子、白馬、素蘭、秋童子、寿美子、翔河川、ヨアヒム、春愁、丹仙

披講

・12点句

暁闇の声明に和す春鴉  春愁
<実生(天)>
二階に寝ていると朝のカラスの語りがうるさいこと。

<風子(人)>
朝の勤行だろう。以前奈良に行った時体験した風景を思い出した。

<白馬(人)>
中7・下5の発想が面白い。

<素蘭(天)>
おほをそどりのころくころくと

<翔河川(地)>
お寺の近くで

<丹仙(地)>
春の鴉を持ってきたところが俳諧味があって秀逸です。


・10点句

春暁の夫に繋がる糸電話  風子
<明子(地)>
糸電話、に色々想像が膨らみます。もしかして時空を超えて繋がる電話かもしれませんね。

<翔河川(天)>
無きひとでしょうか

<春愁(地)>
心はいつも繋がっています

<丹仙(天)>
老老介護でしょうか。目覚めの早くなった夫婦が、昔風の糸電話でやりとりする場面が目に浮かびました。枕元に連れ合いがいるのは心強い。


・7点句

診察券また一つ増え花曇  秋童子
<実生(地)>
もらう時の気持ち、あああまた増えた。

<風子(地)>
全く、歳はとりたくないですね。

<春愁(天)>
憂いことですね


・6点句

囀りの湧く一点や空青し  白馬
<しゐ(天)>
かげりのない景色が胸に広がります。

<秋童子(天)>
空高くから聴こえる雲雀の囀り。懐かしいですね。東京都内の我が家のあたりでは、ずいぶん前から鳴き声を聴かなくなりました。


・5点句

囀りの真ん中に居て孤独なる  しゐ
<明子(天)>
賑やかな鳥声に囲まれて感じる孤独。でも寂しくは無いように思います。

<素蘭(人)>
孤独に浸っているのか、京烏・江戸雀・楽屋鳶に閉口しているのか、、、

<翔河川(人)>
嫌ではない


・4点句

春暁や静寂に坐す円覚寺  秋童子
<寿美子(人)>
旅心誘われます

<ヨアヒム(天)>
「坐す」の表現が素晴らしい。

花曇メトロノームの不整脈  春愁
<秋童子(人)>
三つの言葉の組み合わせの妙に一票。

<寿美子(天)>
大丈夫、メトロノームなら取り替えられます烏は


・3点句

Xデー知らぬ予報士養花天  素蘭
<白馬(天)>
何となく笑えますね。

語り騙りAIアプリ囀れり  素蘭
<白馬(地)>
中7・下5の発想が面白い。

<春愁(人)>
新しい作句に挑戦!!

囀に囲まれゐたる美術館  明子
<秋童子(地)>
それだけで、美術館も一つの作品のように。

<ヨアヒム(人)>
心が安らかに。

囀りを右に左に木曽路ゆく  寿美子
<風子(天)>
気持ちが良い。木曽路といっても色々あるだろうが、夏木立の中を歩いてみたい。


・2点句

うわ言に打つ相づちや花曇  風子
<しゐ(地)>
「うわ言」にやや不穏な情景が想像され、ふと心配になります。

囀りや今朝は混声合唱団  秋童子
<寿美子(地)>
烏はバスのパートでしょうか。

囀りや弥勒菩薩の指の先  風子
<ヨアヒム(地)>
取り合わせが綺麗。

春暁や寝覚めの少し早まりて  ヨアヒム
<しゐ(人)>
起き出して窓を開け放ちたい気持ちと、まだ寝ていたい気持ちがせめぎ合う時刻。

<丹仙(人)>
これは実感しますね。

花曇轆轤仕事のはかどらず  明子
<素蘭(地)>
遠近から届く花便り、座業は…


・1点句

囀りは透明な鳥すがたなく  翔河川
<実生(人)>
うぐいす、いまは谷渡りまで。成長している。

春はあけぼのベッドに四肢を引き延ばす  寿美子
<明子(人)>
あの大きく伸びをした気持ちよさ。春の朝ならば尚更です。