第342回桃李7月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:虹、片陰、空蝉

題詠または当季雑詠

兼題T 虹
兼題U 片陰
兼題V 空蝉

7月15日(月)投句開始
7月22日(月)投句締切 翌日選句開始
7月29日(月)選句締切 
7月30日(火)披講  

投句: 春愁、素蘭、風子、寿美子、しゐ、素人、白馬、翔河川、ヨアヒム、明子、秋童子、実生、丹仙
選句: 春愁、寿美子、素人、しゐ、秋童子、白馬、素蘭、実生、翔河川、明子、風子、ヨアヒム、丹仙

披講

・13点句

片影を出る一歩の怯みをり  寿美子
<春愁(地)>
共感!!

<素人(地)>
今日の会合キャンセルするか

<しゐ(地)>
エイっと日向に飛び出して早く帰りたい気持ちと、いつまでも日陰を味わっていたい気持ちと。

<秋童子(天)>
怯んで踏み出せない一歩。いかに暑い日盛りなのかが伝わってきます。

<風子(人)>
やっと汗がひいた頃、さて出発するかと一歩の勇気がいりますね。

<丹仙(天)>
最近の異常な酷暑が背景にありますね。


・11点句

空蝉や命かけたる眼の光  寿美子
<春愁(天)>
空蝉にのこる眼光の鋭さ、生まれ出た生命力を上手く表している

<白馬(天)>
ご主人の身を思って。

<風子(天)>
蝉が生まれるのを見た。背を割って精霊のような薄緑の蝉がじわじわと生まれる。掲句は空蝉に眼光を感じている。生まれた蝉の眼は黒々として大きい。手足を泳がせて欅の幹に着地?するところは感動的だ。生まれたての蝉は力強く上へ上へと登っていった。

<丹仙(地)>
蝉の抜殻ではなく、まさに脱皮しつつある情景を詠んだところに惹かれました。


・10点句

土砂降りの町をぬけ来て二重虹  春愁
<素人(天)>
車を止めてしばし見入るや

<秋童子(地)>
まだ雨が滴り落ちているような。生まれたての二重虹。

<明子(天)>
ドラマチックな展開です。虹を仰ぐ嬉しさが伝わります。

<風子(地)>
トスカーナの田舎をドライブしていた時のこと。完璧な虹を見た。二重虹ではなかったけれど印象深い思い出となった。


・6点句

片陰に先客の居て通り過ぐ  素人
<しゐ(人)>
木漏れ日の中の小さなベンチを想像しました。

<秋童子(人)>
さりげなく遠慮して。白黒写真を見るような夏のひとコマです。

<素蘭(人)>
風通しの良い木陰のベンチ、一休みしたかったけど、、、

<翔河川(天)>
入るのがためらわれ

虹の橋わたれば逢えるかも知れず  風子
<寿美子(天)>
追慕の思い切なく共鳴

<白馬(地)>
今は遠い人

<翔河川(人)>
なつかしいひとに


・5点句

片陰を伝う子猫の尻尾かな  白馬
<実生(人)>
夕方になると隣の家から涼しいところ選んで。隣人は無事帰れるか心配して庭に降りるまで
見てくれていた。老猫だったけど。

<翔河川(地)>
チョロチョロと

<明子(地)>
猫だって暑いのは嫌ですものね。尻尾の動きがかわいいです。

虹の足見たく走りし幼き日  秋童子
<実生(地)>
確かに足が見えなくて。消えそうなので走ったり。

<ヨアヒム(天)>
私もまた、虹の足に辿り着きたいと思っていました。


・4点句

傘さしてなほ片蔭を歩みけり  素蘭
<白馬(人)>
暑さ+暑さ

<ヨアヒム(地)>
 気持ち、分かる❗️

<丹仙(人)>
猛暑を詠んだ巧みな句。


・3点句

空蝉をとをも集めて罐の中  素蘭
<しゐ(天)>
もう空っぽなのに、なぜか見つけるたびに心躍るものの一つ。

世に未練秋の空蝉爪深く  春愁
<実生(天)>
すすきの葉にゆらゆらしがみ付いて。

ヘルモンの白き岩肌虹立ちぬ  丹仙
<素蘭(天)>
大地を潤す水源の地アンチレバノン山脈の最高峰。
私見ですが、グラナダ郊外から眺めたシェラネバダ山脈に似てるような…


・2点句

渥美より鳥羽へ大きな虹の橋  寿美子
<素蘭(地)>
石垣島で見事に半分だけのアーチを描く大きな虹を見たことがありますが、それはさておき、海にかかる虹には鮮やかで大きなものが多いような、、、

片影や傍に遺る駒つなぎ  春愁
<寿美子(地)>
古びた宿場町を吟行
片影を伝って歩いた日がありました


・1点句

一枚の葉裏に三つ蝉の殻  明子
<素人(人)>
競争の世をくぐり抜けねば

空蝉とう小部屋に夜気の残りをり  しゐ
<明子(人)>
命の名残でもありますね。

片影を探す真昼の大都会  風子
<寿美子(人)>
殺人的な酷暑の昨日 今日
これより先が思いやられます

伐らるるを知らぬ並木の片陰り  しゐ
<ヨアヒム(人)>
「知らぬ」は、人間も同じ。

虹かかる島と島をば結ぶ橋  素人
<春愁(人)>
見たいですね