第343回桃李8月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:残暑、終戦日、パリ五輪(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 残暑
兼題U 終戦日
兼題V パリ五輪(不言題)

8月15日(木)投句開始
8月22日(木)投句締切 翌日選句開始
8月29日(木)選句締切 
8月30日(金)披講   

投句: 風子、寿美子、素蘭、白馬、しゐ、素人、春愁、秋童子、ヨアヒム、翔河川、実生、丹仙
選句: 春愁、素人、風子、しゐ、白馬、寿美子、実生、素蘭、秋童子、翔河川、ヨアヒム、丹仙

披講

・7点句

「地獄より生還」と父終戦日  ヨアヒム
<素人(地)>
時の経過に記憶も褪せる

<寿美子(天)>
シベリア抑留から帰国した叔父の無念のゆめのまたゆめ語りを
思い出します

<秋童子(地)>
家族には言えないような、凄まじい戦場を生き抜いて来られたのでしょう。

不戦はや空念仏か終戦日  寿美子
<白馬(天)>
戦費調達の増税やらーーー。

<秋童子(天)>
あの不戦の誓いも忘れ、いまや戦争準備に突き進む国になってしまいました。

<翔河川(人)>
いつまでたっても


・6点句

今日もまた安否問われて残暑かな  秋童子
<しゐ(人)>
その問いに「安」と応えられる幸せ。

<素蘭(人)>
残暑に台風 いつまで続くお祈りメール、、、

<翔河川(地)>
こう暑いと

<丹仙(地)>
残暑の季節に安否を問われるという異常事態が、昨今の異常気象をよく表しています。

みんないて父だけいない敗戦日  しゐ
<春愁(地)>
還らぬ人を待つ

<風子(天)>
子供心に映った悲劇。

<秋童子(人)>
敗戦後の日本では、父親だけがいない家庭があちこちに。


・5点句

残暑から酷暑に変る見舞状  春愁
<素人(天)>
次は激暑か烈暑になるか

<白馬(人)>
日付を比べてしまう。

<寿美子(人)>
実感です。敢えて季重ねいただきます
爽秋が待ち遠しいですーね

式典の耳こそばゆき終戦日  風子
<実生(天)>
申し訳なく思いますが。

<ヨアヒム(地)>
式典の意味が問われている!

麦飯の匂う厨の残暑かな  丹仙
<素蘭(地)>
夏バテ対策に麦とろ飯ですか?いいですね。。

<翔河川(天)>
釜で炊いて

闇市のSin、Sing、Sing! 敗戦忌  春愁
<寿美子(地)>
闇市のあとかたもなし終戦日

<丹仙(天)>
ベニー・グッドマンのスウィングが聞こえてきて、文句なしの敗戦忌。


・4点句

ファックスのリボン捩れる残暑かな  寿美子
<素人(人)>
インクジェットに変えるべきかも

<しゐ(天)>
ある朝起きると、電信柱や物干し竿まで、何もかもが捩れているのでは、、、と怖い想像を抑えられない夏でした。


・3点句

何時来るや世界全部の終戦日  白馬
<ヨアヒム(天)>
人類の愚かさを感じる。

五輪果てにわかに夜の長きこと  しゐ
<風子(人)>
オリンピックで騒いだ夜が急に静かになって、手持ち無沙汰。

<白馬(地)>
昼夜逆転でしたね。本当に。

シャワー浴ぶまたシャワー浴ぶ残暑かな  ヨアヒム
<春愁(人)>
熱帯夜何時まで・・・

<風子(地)>
史上初の酷暑。

被爆せし聖母と祈る終戦の日  丹仙
<素蘭(天)>
13年前のパリのAssumption of Mary
ノートルダム大聖堂のミサ・聖母像の行列はとても賑やかでしたが…

安らかに眠れぬ御霊終戦日  秋童子
<春愁(天)>
地球のどこかで、火の臭い


・2点句

我慢我慢いつまで続くこの残暑  白馬
<実生(地)>
種が蒔けない、台風も心配。暑さで体も心配になる畑仕事。

終戦日忘れがちなる開戦日  実生
<しゐ(地)>
始めてしまったあの日を忘れずにいなければ。


・1点句

残暑の日フェンスの向こう舟のゆく  翔河川
<ヨアヒム(人)>
「舟のゆく」という表現がよい。

しぶき跳ぶさかしまの脚水涼し  春愁
<丹仙(人)>
パリ五輪の飛び込みの情景、情景が眼に浮かびます。

セエヌの夏気球に聖火灯しけり  丹仙
<実生(人)>
美しかった。アランドロンを思い出した。