第348回桃李一月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:読初、冬薔薇、小正月

題詠または当季雑詠

兼題T 読初
兼題U 冬薔薇
兼題V 小正月

1月15日(水)投句開始
1月22日(水)投句締切 翌日選句開始
1月29日(水)選句締切 
1月30日(木)披講   

投句: 春愁、風子、寿美子、素人、翔河川、しゐ、ヨアヒム、実生、丹仙、素蘭、秋童子、明子
選句: 素人、寿美子、実生、春愁、しゐ、風子、素蘭、ヨアヒム、秋童子、翔河川、明子、丹仙

披講

・10点句

年頭の決意やいずこ小正月  秋童子
<春愁(天)>
一年の計を立てたばかりなのに・・・俳諧味がある。

<しゐ(地)>
半月も持たなかった決意、、、私にも心当たりが。

<風子(地)>
新年も抱負や決意を真剣に考えたのに、中ば過ぎれば、え!なんだったけ?などと腑抜けなことを言う。

<ヨアヒム(人)>
 その通りです。

<明子(地)>
もう十五日も過ぎてしまった。


・8点句

諍ひて別れし子より冬の薔薇  寿美子
<風子(天)>
蟠りのある別れをした母親も気持ちはいかがなものであったか。何色の薔薇が届いたのでしょうか?黄色かな?白では無いでしょう。赤でも無いと思う。

<素蘭(地)>
ほっこりしました?

<ヨアヒム(天)>
 これほど嬉しい贈り物はありません。

読初や鉄瓶の湯のたぎる音  素人
<しゐ(天)>
静けさと穏やかさが、たった一つの音に守られているような時間。

<素蘭(天)>
たぎるもの 湯のみにあらず

<ヨアヒム(地)>
 集中力凄い!。面白い読み物なんですネ。


・7点句

冬薔薇くりかえし聴くアベマリア  風子
<寿美子(天)>
寒気にまけず凛と咲く薔薇
私はグノーのアベマリアが好きです

<明子(人)>
静謐な空気が満ちている。

<丹仙(天)>
アベ・マリアはグノー、シューベルト、カッチーニと様々な調べに乗せて歌われますが、何度も聞きたくなるのは、どの作曲家のものでしょうか。
私の場合は、(イタリアのルネッサンス期の作曲家カッチーニの名前を借りて作曲された)ロシアのリュート奏者ヴィバロフのものです。ロシア人のイタリアへの憧れと、秘められた想いが伝わり、「冬薔薇」の季語とよく調和しますので。


・6点句

店の名は半ば消えゐて冬薔薇  明子
<春愁(地)>
客の姿のない、昔からある花舗。冬バラが淋しそうに・・・。

<しゐ(人)>
何か物語がありそうな。

<翔河川(天)>
廃店舗でしょうか


・4点句

善哉に仕舞の餅を小正月  明子
<素人(地)>
けじめをつけて少し満足

<秋童子(地)>
いかにも小正月ですね。

団子木は大ぶりを好む父なりし  しゐ
<素蘭(人)>
山形県の伝統行事なんですね。「大ぶりを好む」のも納得の楽しい飾りがいっぱい。

<翔河川(人)>
大きな餅花で

<丹仙(地)>
小正月という季題の本意に即した句ですが、それだけでなく、父への回想を重ねたところが、よいと思いました。

腹這いてインクかんばし読始  風子
<春愁(人)>
積読の新刊書を、寝正月に・・・の景! あるある。

<明子(天)>
インクの匂いが心地よく、新しい年を迎えた気分が伝わります。
腹這いで、というのも面白いと思います。

ボヘミアングラスいっぱい冬薔薇  春愁
<素人(天)>
男やもめの部屋を明るく

<丹仙(人)>
ボヘミアングラスには何となく舶来の趣があり、それが冬薔薇と協和して、なんとも豪華な印象を与えるところが良いですね。


・3点句

小正月母の作りし小豆粥  ヨアヒム
<素人(人)>
餅に飽きての心地よきかな

<実生(地)>
季重いいよ、お母ちゃん思い出した。

冬の薔薇そのありようの凛として  素人
<秋童子(天)>
色彩の乏しい風景の中で、寒風にもさらされながら。

読初の詩集に挟む母の文  明子
<実生(天)>
仏壇から嫁いだ娘を案じる手紙が。母の母からだけど、息子は読めなかった。達筆で。

ゴシップに数多の尾ひれ女正月  春愁
<寿美子(人)>
聞きたくないが 聞こえてくるゴシップ
女正月つきすぎの感あります

<翔河川(地)>
女性はゴシップ好き?


・2点句

読初といふにあらねど漢語林  素蘭
<寿美子(地)>
同感です 新年の感慨の薄れてしまった日々を 
寂しく思っています


・1点句

ガザに咲け百万本の冬の薔薇  秋童子
<実生(人)>
加藤登紀子さん歌って。

小正月ガザの平和を祈る夜半  丹仙
<秋童子(人)>
ガザの人々に対する不条理な仕打ちに、日々祈るばかりです。

読初はいつも各紙のトップ記事  ヨアヒム
<風子(人)>
そうでしょう。大体は、新聞が初読みとなる。当たり前だがそれを句にしたところが面白い。