第349回桃李2月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:梅、麦踏、百千鳥

題詠または当季雑詠

兼題T 梅
兼題U 麦踏
兼題V 百千鳥

2月14日(金)投句開始
2月21日(金)投句締切 翌日選句開始
2月28日(金)選句締切 
3月01日(土)披講  

投句: 春愁、素蘭、白馬、寿美子、実生、素人、ヨアヒム、しゐ、風子、丹仙、翔河川、秋童子
選句: 寿美子、素人、しゐ、実生、秋童子、翔河川、風子、素蘭、丹仙、春愁

披講

・10点句

百千鳥古窯出土の四耳の壺  寿美子
<実生(人)>
作者不明、それとも海を渡って来たのかな。百千鳥のように沢山、そんなはずないなぁ。
百千鳥。

<風子(天)>
素晴らしい出土品だったに違いない。人々の驚きと喜びが感じられる。

<素蘭(天)>
里山近くに築かれた古窯
百千鳥の群鳴はうたかた人の耳にも。。。。

<丹仙(天)>
古窯出土の四耳の壺が、時を超えて、百千鳥の囀りを聴いているかのような幽遠な趣に惹かれました。


・5点句

長々と麦踏む影や大落暉  春愁
<秋童子(天)>
ミレーの晩鐘のような味わい深い風景を思い浮かべました。

<丹仙(地)>
雄大な景色、一幅の絵になりますね。

ふたりして近づき離れ麦を踏む  素人
<寿美子(人)>
そんな時代がありました

<翔河川(天)>
ご夫婦が黙々と

<風子(人)>
夫婦のありようが一句に表現されている。


・4点句

ぬばたまの海苔弁の味梅二月  素蘭
<実生(地)>
若い頃憧れた黒髪もなし。海苔弁も懐かしい。ストーブの上に温めていた海苔弁かな、
きっとそうだ。

<春愁(地)>
日の丸弁当の二月??

百千鳥しばし黙せよ吾も祈る  丹仙
<しゐ(天)>
この祈りは何かとても切実であることが推測され、共に祈りたくなります。

<翔河川(人)>
ガザでしょううか


・3点句

足占はや昭和五年の麦を踏む  素蘭
<実生(天)>
世界恐慌は怖い。一生の内、無事平穏は無いのだろう。

梅ふふむふるさとは今日もゆき、ゆき、ゆき  しゐ
<秋童子(地)>
こちらはもう春の兆しが感じられるというのに、遠い故郷は、家族は・・・。

<丹仙(人)>
破調ですが、それだけに故郷の豪雪への思いが感じられます。

麦踏のイヤホーンより新世界  風子
<春愁(天)>
春浅き麦踏に "家路"への想い、伝わります。

麦踏はおどおど踏んで叱られた  実生
<しゐ(地)>
貴重な実体験の句。この麦を、足で踏んでいいものかどうか、、、と戸惑わずにいられない感覚が伝わります。作者は幼い麦と自分を重ねていたのではないでしょうか。

<秋童子(人)>
「おどおど踏んで」に実感がこもっています。最初から強くなんて踏めませんものね。

麦踏や名前を綽名で呼ばれけり  白馬
<素人(天)>
ふるさとなれば古きともがき

百千鳥少女にもある変声期  春愁
<寿美子(天)>
令和生まれの少女 なんでも有りですね


・2点句

梅咲いて足元さらう詐欺集団  風子
<風子(地)>
平穏な世と闇社会の対比。

浦上に新しき鐘麦を踏む  丹仙
<寿美子(地)>
新しき鐘と麦踏のとりあわせに惹かれる

通院の足ひき止むる梅一輪  寿美子
<翔河川(地)>
ふと見上げると

梅林に佇むふたり言葉なし  素人
<素蘭(地)>
「なかなかなまめかしうおくゆかし」き情景

百千鳥混声合唱好き勝手  秋童子
<素人(地)>
聴いてもらおうなどと思わず


・1点句

風もなく小枝が揺れる百千鳥  実生
<春愁(人)>
枝のここかしこから、 "囀り"が・・・。

梅林を抜け行く友の姿なほ  ヨアヒム
<素人(人)>
去る友の背に寂しさを見る

麦を踏むゼロ回答を子らに告げ  ヨアヒム
<素蘭(人)>
キッパリ!、、、、、、、、、、、、

山里は山を砦に麦を踏む  寿美子
<しゐ(人)>
親しみ深い山に守られている実感があります。