投句: | 寿美子、素蘭、春愁、白馬、風子、ヨアヒム、しゐ、丹仙、実生、翔河川、秋童子、明子 |
選句: | 白馬、風子、実生、しゐ、寿美子、秋童子、春愁、翔河川、ヨアヒム、素蘭、明子、丹仙 |
消えた後に募る恋しさ春の雪 ヨアヒム
降りたくてたまらぬように春の雪 しゐ
日の洩るる聖堂の午後リラの花 春愁
ガザの子にこの一食を四旬節 寿美子
春雪の濡らしたる絵馬木の香立つ 明子
道標に乗せてありたる落椿 明子
椿落つ音してしばし歩を止めて 翔河川
耶蘇寺の手水に消ゆる春の雪 寿美子
荒波や紅に紅継ぐ崖椿 春愁
落椿若き葬送遠ざかる しゐ
しづこころ無き世の中に落椿 ヨアヒム
姉ちゃんと呼ぶ叔母ありて椿餅 風子
教皇の平癒をひたに四旬節 しゐ
主を三度「知らぬ」とペテロ受難節 ヨアヒム
浄閑の苔むす寺や落椿 丹仙
ともしびを囲む夕餉や四旬節 明子
紅椿足摺岬風岬 寿美子
空襲を語る三月子に孫に 秋童子