第351回桃李4月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:春眠、花冷、復活祭

題詠または当季雑詠

兼題T 春眠
兼題U 花冷
兼題V 復活祭

4月15日(火)投句開始
4月22日(火)投句締切 翌日選句開始
4月29日(火)選句締切 
4月30日(水)披講   

投句: 寿美子、春愁、白馬、素蘭、風子、しゐ、ヨアヒム、翔河川、実生、秋童子、明子、丹仙
選句: 寿美子、白馬、しゐ、風子、春愁、素蘭、翔河川、秋童子、ヨアヒム、実生、丹仙

披講

・8点句

春眠や未だ詞藻の揺籃期  素蘭
<しゐ(天)>
こんな表現ができるとは。

<風子(天)>
「果報は寝て待て」の諺を思い出した。余裕のある春眠です。

<丹仙(地)>
夜明け前、夢の中で、良いアイデアが閃くことはよくありますね。揺籃という言葉が、揺りかごと、これから開発されるべき詞藻の両方にかかるところが面白い。


・7点句

地の平和祈り帰天す復活の朝  丹仙
<素蘭(天)>
サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂のポルタ・サンタ(聖なる扉)
2025年は聖年とか…

<秋童子(天)>
帰天の前日まで復活祭のミサに参加し、平和を願う祈りを。それだけでも驚くべきことなのに、遺言では棺は簡素なものにし、さらに地面に置くよう求めていたとは。

<実生(人)>
1938年ブエノスイレスでイタリア移民の家庭に生まれた。映画にもなった。民衆に寄り添う
現場主義。清貧な人だ。

枕辺に戯ゆる猫や春眠し  寿美子
<春愁(地)>
うちの愛犬も!

<翔河川(地)>
猫が起こしに来ても

<実生(天)>
猫欲しい。


・6点句

春眠に時をあずけてもうひと寝  しゐ
<春愁(人)>
こんなに気持ちのいいものは・・・

<翔河川(天)>
まあいいか

<ヨアヒム(地)>
 春の心地良い眠り。あやかりたい!

花冷や並ぶ人気のラーメン屋  風子
<春愁(天)>
あるある、寒いのに!!

<ヨアヒム(天)>
 季語がポジティブに生きている。美味しそう❗️


・5点句

花冷えや奥千本はなほ蕾  ヨアヒム
<しゐ(人)>
桜の景色にゆったりとした奥行きを感じました。

<秋童子(地)>
花冷えの時期であれば、吉野の奥千本はまだまだ蕾ですね。

<実生(地)>
吉野桜優雅だけど。でも、私の畑に蒔いた種も餌不足の鳥たちに食べられて、花冷え
にくし。

黙深き黒衣の女性染卵  素蘭
<白馬(天)>
染卵を探し回った思い出を回想しているのでしょうか?

<しゐ(地)>
沈黙と、黒と鮮やかな卵の色との組み合わせが印象的でした。


・4点句

この土に吾もまた帰る花の冷え  丹仙
<寿美子(人)>
命についてつきつめる思索 すごいとおもいます
でも一寸 咲いた桜がかわいそう

<素蘭(地)>
梶井基次郎の「桜の樹の下には」を思い返します。

<ヨアヒム(人)>
 浮世を楽しんでいたいのに…

花冷と窯の記録の端に書く  明子
<白馬(地)>
佳い作品に仕上がることを祈って。

<風子(地)>
窯を炊く時の記録だろう。今日は花冷と記す。なぜか美しい作品が生まれそう。

花冷の一期一会を愛しめり  素蘭
<寿美子(天)>
今年の桜は短命でした。待ちかねたように花を見て歩く人たち
の表情がおもいだされます。花冷ならこその一期一会ですね!

<丹仙(人)>
愛しめりを「かなしめり」と詠んでいるところが花冷と響き合います。


・3点句

春眠や猫あちこちに島の宮  風子
<丹仙(天)>
草壁の皇子を偲ぶ万葉集の古歌、「島の宮上の池なる放ち鳥荒びな行きそ君いまさずとも」の「放ち鳥」を「猫」に置き換えたところに俳諧の面白みを感じます。


・2点句

再会を夢みし春の眠りかな  丹仙
<白馬(人)>
良い春の夢をもう一度。

<秋童子(人)>
どんな再会なのでしょう。

母犬の乳首ももいろ復活祭  春愁
<寿美子(地)>
我が家は皆 犬が好きでした。作者もきっと愛犬家でしょうね


・1点句

イースター卵高値の続きをり  寿美子
<風子(人)>
イースターの本意とかけ離れた日常を切り取った一句。面白いではないか。

さようなら春眠もう夏が来た  実生
<素蘭(人)>
季節は春から夏、季語も朝寝から昼寝
シエスタなら、、、?

春眠の夢の続きを手繰り寄す  明子
<翔河川(人)>
もう少し