第352回桃李5月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:五月、更衣、麦刈

題詠または当季雑詠

兼題T 五月
兼題U 更衣
兼題V 麦刈
5月15日(木)投句開始
5月22日(木)投句締切 翌日選句開始
5月29日(木)選句締切 
5月30日(金)披講 

投句: 寿美子、風子、しゐ、素人、白馬、素蘭、秋童子、翔河川、春愁、明子、実生、ヨアヒム、丹仙
選句: 寿美子、風子、しゐ、素人、実生、春愁、秋童子、翔河川、素蘭、明子、ヨアヒム、丹仙

披講

・10点句

磧行く足裏の心地良き五月  明子
<風子(天)>
臨場感ばつぐん。水の清らかさ。心地よいつめたさが伝わってくる。

<秋童子(天)>
足裏に焦点を当てて五月が詠めるとは。驚きました。

<素蘭(地)>
五月の陽射しを浴びながら味わう素足の感触
第六感を磨くにもってこいのsituation

<丹仙(地)>
文字通り心地よき身体感覚が伝わります。


・9点句

金色の獅子の鬣五月来ぬ  素蘭
<寿美子(天)>
5月の山麓を吟行しました 重なる山の稜線が金色に輝き美しかった
獅子の鬣とは 素晴らしい発想です

<明子(天)>
五月のイメージぴったりです。

<丹仙(天)>
「金色の獅子の鬣」という発想が、聖なる五月と響き合って面白い。


・6点句

麦刈や笛にする子の今は無く  白馬
<実生(人)>
確かに笛を、でも鳴らなかったなぁ。

<翔河川(人)>
むぎ笛

<明子(人)>
昔はよく麦笛を吹きました。今は昔・・・

<ヨアヒム(天)>
 そういう遊び、ありました。上手く吹けなくけて苦労したけど…。


・5点句

焼跡の黒き聖母や五月来る  丹仙
<素蘭(天)>
願はくは慟哭の母あれざらむ世を

<明子(地)>
五月の明るさに対比する闇。


・4点句

 夫の命日曇りがちなる五月空  風子
<実生(天)>
もういいから晴れて欲しいと思っている。

<春愁(人)>
五月晴れは

麦刈や連山青くたたなづく  春愁
<風子(地)>
たたなずく〜とは和歌の枕詞かと思うが、とても魅力的なことば。無視できない。

<ヨアヒム(地)>
きれいな一句!。

麦を刈る乙女の哀歌ウクライナ  秋童子
<素人(人)>
平和もどるはいつの日なるや❗

<春愁(天)>
早く終結を祈る


・3点句

衣更竹林に風貝ボタン  翔河川
<しゐ(天)>
もう滅多に見なくなった貝ボタンの感触が指先によみがえりました。

聖五月ニケの羽ばたくセーヌ河  春愁
<素人(天)>
水面に映る巴里の青空

床上げをかねて一新更衣  素人
<しゐ(人)>
身の回りに清々しい空気が漂うようです。

<秋童子(人)>
さっぱりと気分一新。

<素蘭(人)>
オールリセットならぬ身の気持ちリフレッシュ、いいですね。

麦刈の地平線までトラックター   風子
<翔河川(天)>
大地の向こうまで


・2点句

雲の群れ五月田を泳ぎ河口へと  しゐ
<秋童子(地)>
田植えが終わったばかりの水田を泳ぐ雲たち。五月ならではの風景ですね。

更衣へ昨日を思ひ明日想ふ  春愁
<寿美子(地)>
思 想 同じ発音でありながら 語彙の違いに日本語の奥深さを感ずる

更衣少女産毛を光らせて  明子
<春愁(地)>
かわいらしい

穂をなでてまた穂をなでて麦を刈る  ヨアヒム
<しゐ(地)>
この不安定な気象の中に実ってくれた愛おしい麦穂。

緑葉の日々湧き出づる五月かな  秋童子
<翔河川(地)>
どんどん緑が増えて

民主主義右往左往の衣更  風子
<実生(地)>
漂流しているよ。なんだか怖い。

麦刈るや湖東は観世音の里  素蘭
<素人(地)>
豊作謝して祈りを捧ぐ

麦を刈る一番星も黄金色  明子
<寿美子(人)>
麦秋の喜び 素直に共鳴します

<丹仙(人)>
景の大きなところ、天と地との呼応するところがが良いですね。


・1点句

暑がりの順に我が家の更衣  秋童子
<ヨアヒム(人)>
日々の暮らしの一コマが表現されている。

衣更軽いカバンと軽い空  翔河川
<風子(人)>
まったく、そのとうり、心も軽くなりました。