第353回桃李6月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:梅雨晴、紫陽花、備蓄米(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 梅雨晴
兼題U 紫陽花
兼題V 備蓄米(不言題)

6月15日(日)投句開始→6月19日(木)に延期
6月22日(日)投句締切→6月26日(木)に延期 翌日選句開始
6月29日(日)選句締切→7月3日 (木) に延期 
6月30日(月)披講→7月4日(金)に延期   

投句: 風子、素人、寿美子、春愁、しゐ、白馬、素蘭、実生、ヨアヒム、翔河川、丹仙、明子、秋童子
選句: 寿美子、風子、しゐ、素人、秋童子、翔河川、実生、素蘭、春愁、明子、ヨアヒム、丹仙

披講

・11点句

休耕田の風の饒舌青すすき  春愁
<秋童子(天)>
哀れこの国の農政よ、荒涼たる風景よ。

<翔河川(地)>
今となっては

<実生(天)>
農学を学んだ身として青ススキはつらい。農薬で居なくなった馬追いが復活
してくれたら嬉しいけど、

<明子(天)>
風は人間の愚かさを笑っているような。


・10点句

古古古古と国庫の竈羽抜鶏  素蘭
<寿美子(天)>
よくぞ言ってくださいました。国の基は米と学校で習った記憶があります
万事 お金で動く世界は恐ろしい 羽抜鶏とは よくぞ言ってくれました

<春愁(天)>
風刺が効いている

<明子(地)>
ここここという音を上手く使いました。

<丹仙(地)>
江戸時代の狂歌のような言葉遊びの面白さと風刺の精神を頂戴しました。


・7点句

医師「イネ」の出自は四葩海のいろ  春愁
<しゐ(天)>
たった17文字で、こんなに多くのことを詠めるものかとただただ驚きました。花の色形や海の色から、時間的な空間と地理的な空間、人間関係やその背景までが思い浮かび、不思議な気持ちになりました。

<素蘭(人)>
アジサイの花に「Hydrangea otaksa」の学名を与えた「シーボルト」
その愛娘「楠本イネ」は日本初の女性産科医とか…
「海のいろ」が美しく哀しい。

<丹仙(天)>
シーボルトと紫陽花の縁を思いつつ遠きオランダにまでつづく海の色をあわせたなかなか味わいの深い句です。


・6点句

減反の果ての騒動五月闇  秋童子
<風子(天)>
何を考えて減反などと。詰めの甘い成り行きとなりにけり。

<素人(人)>
政策失敗認めなくては

<素蘭(地)>
秋田放送制作『夢は刈られて〜大潟村・モデル農村の40年〜』(2011年2月13日、「NNNドキュメント」で放送)を思い出します。


・5点句

聖堂は静まり返り額の花  ヨアヒム
<風子(地)>
額の花は山紫陽花。静謐な聖堂の雰囲気が伝わってくる。

<素人(天)>
祈りをささぐキリスト教徒

四七日やあぢさいの色移ろへる1  寿美子
<しゐ(地)>
あじさいの色とともに、思いも少しずつ深まっていくのでしょうか。

<ヨアヒム(天)>
 生きる者の世はアッという間に変わり、死者は忘れ去られる。


・4点句

紫陽花や柴又今も寅のまち  明子
<寿美子(地)>
紫陽花が 寅さんによく合います

<春愁(地)>
寅さんは今も・・・

梅雨晴や一樹の蔭の去りがたき  しゐ
<翔河川(天)>
他に影は見当たらず

<丹仙(人)>
今年の梅雨晴れの猛暑にふさわしい句ですね。

夢一字きざむ墓石や梅雨晴れ間  寿美子
<風子(人)>
未来を信じて刻む文字。歴史は晴れたり曇ったり。

<素蘭(天)>
尾張嵐山と呼ばれる景勝地 応夢山定光寺
名古屋城の鬼門にあたり軍用金埋蔵伝説が。。。


・3点句

紫陽花の青一色に明月院  秋童子
<実生(地)>
明月院の黒ぶちの猫元気かな。青一色が美しい。

<春愁(人)>
"青一色に"が、いい!!

春窮を今に令和の米不足  寿美子
<秋童子(地)>
まさかこの時代に米が尽きるとは。

<明子(人)>
こんな形で春窮を体験するとは思いませんでした


・2点句

古々米を旬の野菜と夏料理  ヨアヒム
<素人(地)>
工夫次第で美味にもなるや

梅雨晴や窓開け放ち部屋掃除  素人
<ヨアヒム(地)>
 梅雨晴れの日の清々しさが伝わってくる。


・1点句

紫陽花の提灯さげて雨の国へ  しゐ
<秋童子(人)>
雨の国を訪うには、この提灯が一番ですね。

古古古米何やら悲し夏の膳  白馬
<翔河川(人)>
やれやれ

古古米の味はそこそこ豆ご飯  素人
<ヨアヒム(人)>
季語「豆ご飯」との組み合わせ、とても良い。

梅雨晴の尾瀬の絶景独り占め  秋童子
<寿美子(人)>
今月は備蓄米に降参!尾瀬の絶景に、心がすっきりしました

梅雨晴や梢に楽し小鳥鳴く  白馬
<実生(人)>
親子かなあ、小鳥も楽しそう。

水無月や縄文土器に古米盛る  丹仙
<しゐ(人)>
たとえ古古古米でも、縄文土器の古さには到底敵うまい。