第355回桃李8月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:銀漢、秋暑、戦後八十年(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 銀漢
兼題U 秋暑
兼題V 戦後八十年(不言題)

8月15日(金)投句開始
8月22日(金)投句締切 翌日選句開始
8月29日(金)選句締切 
8月31日(日)披講 

投句: 春愁、寿美子、白馬、素蘭、風子、素人、しゐ、翔河川、丹仙、秋童子、実生、明子、ヨアヒム
選句: 素人、風子、実生、しゐ、春愁、ヨアヒム、寿美子、白馬、翔河川、秋童子、明子、素蘭、丹仙

披講

・12点句

電柱の影さヘ拾ふ街秋暑  寿美子
<素人(地)>
猛暑酷暑が続きましたからね。

<しゐ(天)>
この夏の実感。一人分しかない無機質な影に身を寄せながら、街路樹を返して、と叫びたい思いです。

<春愁(天)>
実感!!

<翔河川(人)>
影を探してしまう

<秋童子(人)>
暦は秋だというのに、外出はもはや危険なレベルになってしまいました。

<素蘭(地)>
Me too.


・9点句

ナーダムも果てて銀漢夜を駆ける  しゐ
<素人(天)>
モンゴルの空は澄んでいました・

<素蘭(天)>
雄大かつ峻烈な自然と共存しながら育くまれてきた伝統文化
馬頭琴の演奏を聴きながら満天の星を眺めるvirtual night tourをいただきました。

<丹仙(天)>
モンゴルの祭りナーダムの競技と銀漢の配合が秀逸です。


・8点句

奈落へと歯車ことり敗戦忌  秋童子
<風子(天)>
得体の知れぬ歯車が不気味に戦争へと傾く怖さ。止めようのない力。そんなことのないように皆んなが意識を持つことが大事ではないか。殊に敗戦日には、そんな思いが強くなる。

<白馬(天)>
あっけなく

<明子(地)>
ことり、という音が何とも言えない怖さを感じさせます。


・6点句

浦上の新しき鐘終戦日  丹仙
<しゐ(地)>
「新しき鐘」の音色は、この夏の嬉しいニュースの一つでした。

<春愁(人)>


<寿美子(天)>
人類すべての願い 戦なき世の祈り再び響きあう鐘の音

汐木もて砂にイニシャル銀河濃し  春愁
<風子(地)>
上五「汐木もて」に脱帽です。

<寿美子(地)>
殺伐とした日々のニュース にすさんだ心が潤います

<明子(人)>
映画の一場面のような・・・ロマンチックですね。

<丹仙(人)>
悠久の歴史を持つ宇宙を前にして、儚い痕跡を遺す人の営みを象徴するかのようです。


・5点句

銀漢の夫よアマゾン届く頃  風子
<実生(地)>
1年に1回七夕の時ではないんだ。アマゾン便利だなぁ。でも、何を贈ったのかな。

<翔河川(天)>
ドア前かな

空も海も濁りて来たる秋暑かな  明子
<ヨアヒム(地)>
愚かな人間の所業のツケが自然界に溢れ出している。く

<白馬(人)>
何もかも濁った感じ

<丹仙(地)>
今年の秋暑は、線状降水帯の異常発生を伴い、例年とは違う特異なものを感じますね。


・4点句

戦前に再びせぬと生身魂  明子
<ヨアヒム(人)>
 その声は、歴史の濁流に再びかき消されようとしている。

<秋童子(天)>
「日本はこのところ戦前の雰囲気に似てきた」。いま、90代以上の方々が「自分たちの味わった悲惨な事実を繰り返させてはいけない」と、各地で戦争体験を語り始めています。


・3点句

秋暑に意図せぬ歌を口ずさみ  翔河川
<実生(天)>
意図しない歌て何だろう。

天の川ちいさな悩み流れ行き  翔河川
<ヨアヒム(天)>
壮大な宇宙、人間として生きているだけでも奇跡

誤読してメール返信秋暑し  ヨアヒム
<素人(人)>
老いゆくわが身なればと共感。

<風子(人)>
いやはや、経験済みです。冷や汗をかきました。まだ生きている人を死んだと思い込み御悔みを出してしまい、慌てて訂正しました。

<素蘭(人)>
集中力も失せるこの暑さ、気を付けよう、、、

初七日の門を出づれば銀河濃し  寿美子
<明子(天)>
悲しみの中、夜空を仰げば銀河が輝いている。まるで、辛い思いをしている小さな人間を見守り、励ましてくれているようだ。


・2点句

数えらるることなき死者の思われて  しゐ
<秋童子(地)>
戦後80年経つのに、いまだに身元がわからない、遺体が見つからない数多くの戦争犠牲者。その人たちにも思いを寄せる一句だと思いました。

山頂に流れ豊かな銀河かな  明子
<白馬(地)>
山での実感

甚平のままガラパゴスの携帯  風子
<翔河川(地)>
そのままそのまま

トランプや今日も放言秋暑し  秋童子
<春愁(地)>
何とかならないか

八十年は「戦間期」かも終戦日  ヨアヒム
<実生(人)>
怖い話だ。

<しゐ(人)>
そんな不安が消えないこの頃です。


・1点句

秋蝉や断捨離ならぬ積読本  素蘭
<寿美子(人)>
断捨離しようとした本の山に取り囲まれている私のようです