第356回桃李9月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:花野、秋雨、月蝕

題詠または当季雑詠

兼題T 花野
兼題U 秋雨
兼題V 月蝕

9月15日(月)投句開始
9月22日(月)投句締切 翌日選句開始
9月29日(月)選句締切 
9月30日(火)披講   

投句: 素蘭、寿美子、白馬、しゐ、秋童子、風子、春愁、実生、翔河川、ヨアヒム、素人、明子、丹仙
選句: 白馬、寿美子、素人、風子、しゐ、ヨアヒム、素蘭、実生、翔河川、秋童子、春愁、明子、丹仙

披講

・12点句

冴え渡る天の手妻や月の蝕  秋童子
<素人(天)>
手品と見ましたか。面白い。

<しゐ(天)>
真夜中の長く静かなマジックショーでした。

<実生(天)>
光景が見える様。

<春愁(天)>
月蝕を "天の手妻"とは、気に入りました。


・8点句

言の葉の寄り添ひきれず秋の雨  風子
<ヨアヒム(地)>
 老いるとは、そういう事かも…

<実生(人)>
どうしても光景が読めなくて、天の句から人に。

<秋童子(地)>
あまりに辛く悲しい場面に、かける言葉もなく・・・。

<明子(天)>
どんなに言葉を尽くしてもその悲しみ、苦しみを慰めることは出来ない。そぼ降る秋の雨に、自分の無力をより強く感じてしまう。作者の優しさが伝わります。

未完の絵花野にイーゼル立てしまま  春愁
<寿美子(天)>
未完の絵と花野の取り合わせに心惹かれます

<風子(天)>
去年亡くなった夫を想い起こしました。幸せな人生だったと思う。

<丹仙(地)>
未完の絵というところに惹かれました。ゴッホの逸話など、なにか物語をうちに秘めた句です。


・6点句

大花野小さな花の風を知る  翔河川
<白馬(天)>
大きな花は勿論。小さい花だって。

<ヨアヒム(天)>
言葉の対比が素晴らしい。

皆既月食終われり庭の虫すだく  寿美子
<素蘭(天)>
Blood moon、 生で観られたのですか?私は動画です、残念ながら…

<翔河川(天)>
気がつくと虫が


・5点句

逆算の余生に拍車秋しぐれ  春愁
<寿美子(人)>
秋しぐれ付きすぎでしょうか

<風子(地)>
全く、現実の自分です。

<翔河川(地)>
時がますます早く

雲走る早さ花野に寝ころべば  明子
<しゐ(地)>
雲の走る音さえ聞こえそうな、静かな午後。

<秋童子(天)>
若いころは高い山々にも登りましたが、楽しみのひとつがこれでした。

引き算の始まる齢秋の雨  秋童子
<白馬(人)>
ある年齢から、現在値を引いて_。

<寿美子(地)>
少し気弱になっているのでしょうか、心にささります

<素蘭(地)>
足し算健康術もね。。


・3点句

靴先を濡らして戻る花野かな  寿美子
<しゐ(人)>
靴先を濡らしたのは、朝露でしょうか。

<実生(地)>
靴が濡れることが気になる花野に、洗わなければ、靴先冷たいなとか思いながら。

もののふの八十のクルスや秋黴雨  素蘭
<丹仙(天)>
秋の長雨の中のキリシタン墓地の情景、高山右近などの武士の面影を偲ばせる佳句と思いました。


・2点句

秋雨や古文書の書庫灯ともして  明子
<春愁(地)>
"晴耕雨読"の風情、秋灯しですね。

空想の花野を歩く虚しさよ  実生
<白馬(地)>
行きたいけれど、行けないもどかしさ。

熊鈴の鳴る通学路秋の雨  しゐ
<明子(地)>
これが日常の光景となってしまった。

月触はアンパンマンを呼んでいる  実生
<風子(人)>
月蝕にアンパンマンを想起したことに軍配を。

<春愁(人)>
"アンパンマン"の作者も、もう月に着いたかな?

花野ゆく聖母の立ちしルルドまで  丹仙
<素人(地)>
ルルドを持ち出したのが新鮮。

干乾びた街のいきづく秋の雨  寿美子
<素人(人)>
ずいぶんと雨が降らなかったですからねえ。

<秋童子(人)>
連日の猛暑、酷暑。街も、人も、心も干からびていました。

虫すだく赤黒き闇月の蝕  しゐ
<ヨアヒム(人)>
 虫達も天の異変に驚くよネ

<明子(人)>
赤黒き闇がリアルです。不気味な色合いですね。


・1点句

この先に姥神の像夕花野  しゐ
<素蘭(人)>
花野の姥神像行脚、ゾワゾワ、、、

秋雨止み草木一気に天を指す  白馬
<翔河川(人)>
水を得ていきいきと

袖で拭く車窓の曇り秋の雨  明子
<丹仙(人)>
情景が目に見えるようですね。