第358回桃李11月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:冬、大根、七五三

題詠または当季雑詠

兼題T 冬
兼題U 大根
兼題V 七五三

11月16日(日)投句開始
11月23日(日)投句締切 翌日選句開始
11月30日(日)選句締切 
12月01日(月)披講   

投句: 素蘭、素人、白馬、風子、寿美子、春愁、しゐ、明子、実生、翔河川、秋童子、ヨアヒム、丹仙
選句: 実生、寿美子、春愁、素人、秋童子、しゐ、翔河川、白馬、明子、素蘭、風子、ヨアヒム、丹仙

披講

・11点句

神饌に役者顔なる大根かな  素蘭
<秋童子(地)>
晴れの舞台で大見栄切って。

<しゐ(人)>
神妙なはずの場面が、大根の姿で急におおらかで微笑ましい場面に。

<白馬(地)>
色白・細面

<明子(天)>
色々と想像出来て楽しいです

<丹仙(天)>
役者顔という表現に惹かれました


・8点句

土を寄すせり上がり来る大根に  明子
<素人(天)>
太く大きく味よく育て

<しゐ(天)>
さまざまなものが冬枯れに向かう季節に、この大根の、この勢い!!

<ヨアヒム(地)>
 そういう気持になります!

冬寂光父の遺せし文ひらく  丹仙
<実生(天)>
達筆で読めない文もある。棺桶に入れてもらって天国で読み方教えてもらおうか。
もう遅いと怒られるかな、

<しゐ(地)>
生前には知り得なかった父の孤独に、そっと触れている冬の日なのでしょうか。

<素蘭(天)>
  龍の玉深く蔵すといふことを
高浜虚子のこの句に共鳴するような


・7点句

冬帽子昔の吾とすれ違ふ  春愁
<寿美子(天)>
冬帽子ならでは追憶 共鳴します

<翔河川(地)>
デジャブだろうか

<明子(地)>
ちょっとミステリアス。昔の自分に何と声をかけようか・・・


・6点句

独り子に六人の親七五三祝  素蘭
<春愁(地)>
両祖父母、両親皆健在! 6人のスポンサー、どうなる少子化問題!!

<翔河川(人)>
少子化で

<白馬(天)>
父・母・それぞれの祖父母 計六人

弱々と日のさす軒の吊り大根  しゐ
<秋童子(天)>
「弱々と」という表現に惹かれました。昔の農家の軒先が目に浮かびます。

<翔河川(天)>
夕暮れに赤く


・5点句

大根なます母の口伝の味加減  寿美子
<実生(地)>
お母ちゃん。

<春愁(天)>
懐かしきおふくろの味

大根を洗ふ水場の声はずみ  ヨアヒム
<寿美子(地)>
一昔前の映像 暮らしに活気がありました

<風子(天)>
平和な時代に生きた我らは幸せです。一時代前の風景だが、水場に集まった主婦の賑やかなこと。

立冬や南部鉄瓶ゆるぎなし  風子
<ヨアヒム(天)>
「立冬」と「鉄瓶」の対比と「揺るぎなさ」が素晴らしい。

<丹仙(地)>
立冬に配合された南部鉄瓶の質感がよく現れています


・3点句

石段に慣れぬ紅緒や千歳飴  春愁
<素蘭(地)>
おしゃまさんも難儀やなぁと…

<丹仙(人)>
情景が見えるようですね

千歳飴ひきずってゆく三歳児  素人
<寿美子(人)>
おめでたい❣幸せでありますように

<風子(地)>
親がこだわって子供たちに着物を着せたり草履をはかしたり、本人たちは半べそで早くお家へ帰りたいとぐずる。三歳児には辛い一日でした。


・2点句

冬の味たらの白子を金沢で  実生
<素人(地)>
旨いものこそ旅の楽しみ


・1点句

あと二年生きねばならぬ七五三  実生
<ヨアヒム(人)>
 弱気にならないで。

犬猫も祝はれてをり七五三  しゐ
<明子(人)>
今の時代の光景ですね

落し蓋濃き飴色に鰤大根  春愁
<秋童子(人)>
間違いなくおいしそうな一句でした。

今日だけはツンとお澄まし七五三  秋童子
<素人(人)>
おしろい縫って満足そうに

くつきりと東宮御所や冬木立  ヨアヒム
<春愁(人)>
厳かいやます!!

大根引く家庭菜園白い雲  翔河川
<素蘭(人)>
冬の家庭菜園の主役たる大根を手に見上げる空の白い雲、飛行機雲?

冬旅の車窓はみ出す北アルプス  しゐ
<白馬(人)>
大きく高い山

冬の日やどうにもならぬ器量の差  素人
<風子(人)>
生まれながらに何でもできる人できない人、それぞれ自分らしく生きたら良いのではないでしょうか。

七五三晴着の姿セピア色  ヨアヒム
<実生(人)>
みんなセピア色になってしまった。記憶が。