第359回桃李12月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:熊、枯野、降誕祭

題詠または当季雑詠

兼題T 熊
兼題U 枯野
兼題V 降誕祭

12月21日(日)投句開始
12月26日(金)投句締切 翌日選句開始
12月31日(水)選句締切 
1月1日 (木)披講   

句会の開始の遅れましたことをお詫びします。

投句: 素蘭、風子、素人、寿美子、しゐ、春愁、丹仙、実生、秋童子、翔河川、明子、ヨアヒム
選句: 寿美子、しゐ、春愁、素人、実生、風子、素蘭、翔河川、秋童子、明子、ヨアヒム、丹仙

披講

・10点句

北に生れしわれには熊も愛しかり  しゐ
<実生(地)>
見るも聴くも嫌。

<素蘭(天)>
北方ユーラシアから北アメリカの広域にわたり熊を尊崇する習わしがあるとか
熊を狩りながら熊を神として畏敬するという矛盾した憧憬の念
北に生まれた方ではありませんが、ふと星野道夫さんを思い出しました。

<翔河川(地)>
北も南も

<秋童子(天)>
北国では熊も、厳しい自然環境を生き抜く仲間なのでしょう。


・7点句

一瞬の輝き放つ枯野かな  風子
<寿美子(人)>
前向きに見つめる詩心 良いですね

<明子(天)>
枯野にいっとき日が差して、輝きが戻る時がある。その時を見逃さなかった
作者に感動しました。

<丹仙(天)>
一瞬の輝きという言葉の鋭さに惹かれました。


・6点句

降誕祭今年も戦禍の絶えぬまま  しゐ
<素人(天)>
いつになったら克服できるのか。

<秋童子(人)>
この現実。なんと愚かで、なんと悲惨な。

<明子(地)>
何とも言えない無力感。

寝そびれた子熊母熊彷徨す  素蘭
<寿美子(天)>
可哀そうだけでは終わらない現実、心がいたみます

<素人(地)>
腹を空かせて冬眠どころじゃないのです。

<丹仙(人)>
冬眠もできぬほど餌が不足したのか、危険ではあるけれどもどこか滑稽さと哀れさを感じさせる句です。


・5点句

にょきにょきとマンション生える大枯野  寿美子
<風子(天)>
明かりの灯らない、入居者のいないコンクリートビルを想像しました。

<素蘭(地)>
 爛々と昼の星見え菌生え(高浜虚子)
その78年後の心象風景のよう
この「にょきにょき」は土筆みたい、、、、、、



                         高浜虚子
戦後二年目(1947)の今日、十月十四日に小諸で詠まれた句。一読、萩原朔太郎の「竹」という詩を思い出した。「光る地面に竹が生え、……」。この詩で朔太郎は「まつしぐらに」勢いよく生えた竹の地下の根に、そして根の先に生えている繊毛に思いが行き、それらが「かすかにふるえ」ているイメージから、自分にとって「すべては青きほのほの幻影のみ」と内向している。勢いあるものに衰亡の影を、否応なく見てしまう朔太郎という人の感覚を代表する作品だ。対照的に、虚子は「菌(きのこ)」を生やしている。松茸でも椎茸でもない、名も無き雑茸だ。毒茸かもしれない。いずれにしても、この「菌」そのものがじめじめと陰気で、竹のように「まつしぐら」なイメージはない。朔太郎はいざ知らず、多くの人が内向する素材だろうが、ここで内向せずに面を上げて昂然と天をにらんだところが、いかにも虚子らしい。陰気な地を睥睨するかのように、天には昼間でも「星」が「爛々(らんらん)と」輝いているではないか。


・4点句

魂還る神居古潭の熊祭り  丹仙
<しゐ(人)>
山形県にも熊祭りはあって、春の風物詩になっていますが、
熊と人との深いつながりを実感する大事な祭りです。アイヌ文化との繋がりを想像します。

<春愁(天)>
"魂還る"が、いいですね1

亡き夫とケーキ切り分けクリスマス  寿美子
<春愁(地)>
切ないが、佳句

<実生(人)>
二人分食べてと。おいしいよ。ご主人が言ってるよ。きっと。

<ヨアヒム(人)>
 切ない!


・3点句

命がけ子の餌探す熊の母  秋童子
<ヨアヒム(天)>
 熊が話せたら、こんな事にはならぬのに…

神いずこガザウクライナ聖夜かな  秋童子
<明子(人)>


<ヨアヒム(地)>
 絶望的な想いを抱える一年でした。

枯野ゆく男の背なの孤独感  素人
<実生(天)>
止めてくれるなおっかさん、流行ったな。を思い出し。

熊あはれすべては人のエゴのせい  素人
<風子(人)>
温暖化がもたらす自然の狂い。こんな熊に誰がした〜。

<秋童子(地)>
豊かな森や食べ物を奪われ、生態系まですっかり変えられてしまって・・・。

この辺り熊おだやかと運転手  明子
<しゐ(天)>
今年は熊が穏やかであることが、何よりの安心でした。

病かと枯野となりて主思う  実生
<翔河川(天)>
荒れた農地に


・2点句

枯野行く翁の背夢一夜  素蘭
<丹仙(地)>
芭蕉翁へのオマージュですが、漱石の夢十夜ならぬ夢一夜と云うところに一期一会の俳諧の精神を感じました。

しばらくは無言のふたり聖樹の灯  春愁
<風子(地)>
一緒に祈りましょう。

山裾に広がる枯野ただ一人  ヨアヒム
<しゐ(地)>
枯野と一人が溶けあって見えます。

我が為に購ふ詩集クリスマス  明子
<寿美子(地)>
前を向いて生きていくための心意気 素敵です


・1点句

熊が出るランドセルには鈴つけて  翔河川
<素人(人)>
鈴くらいで大丈夫なのかな。

小雪舞ふヒグマ牧場人気なく  ヨアヒム
<春愁(人)>
動物園のクマは可愛いが・・・

信者ではないがつき合う降誕祭  素人
<翔河川(人)>
にわか信者で

そびらより熊ゲレンデの朝練を  春愁
<素蘭(人)>
スノーボーダーの背後から迫り来る熊
雪山版Jawsのような動画でもう吃驚仰天