投句: | 旅遊、葉子、若翁、登美子、暁星、香世、富章、重陽、楽人、暁生、木菟、省吾、悠久子、ひとし |
選句: | 旅遊、若翁、木菟、葉子、香世、楽人、暁生、登美子、重陽、省吾、悠久子 |
花冷えやワインの澱を透かしみる 葉子
白子干一匹一匹に臓のあり 香世
杏咲く丘にカリヨン響きけり 旅遊
黒鯉が群れて春水昏きこと 葉子
足わるき母を連れ出す桜がり 省吾
そぞろゆく母と娘の花衣 省吾
花嵐九つの鐘鳴り出でぬ 暁星
花の雨たより間遠となりしかな 登美子
そこかしこ自在に咲けり野良の花 暁生
祈ること切に知りたし麦青む 悠久子
灌仏や甘露滴る肌の艶 楽人
花の雲ひよどりの眼を瞑らせて ひとし
予備校の入学式あり晴れた日に 楽人
囀りや焦がるゝ想ひそのままに 木菟
寒寺も桜のころにはにぎわいて 省吾
廃校を照らす桜の灯しかな 葉子
淡々となりゆく恋や花の雲 悠久子
春座敷女房そろりと足伸ばす 香世
春の日や柳の葉をも輝かす 富章
せせらぎを鵜の目鷹の目物芽かな 重陽