投句: | 葉子、旅遊、重陽、木菟、暁生、省吾、雲外、富章、池之端、悠久子、登美子、香世 |
選句: | 雲外、重陽、暁生、木菟、葉子、省吾、悠久子、池之端、香世、登美子、富章 |
父もまた世に容れられず粽解く 葉子
青嵐過ぎて畳のやや湿り 葉子
桐の花空むらさきに染めにけり 旅遊
過ぎし日を捨てきれずゐし衣更 香世
首ひとつお湯にうかべて河鹿きく 雲外
ゆったりと天井に大扇風機 悠久子
生きてをり五月の朝の斜光かな 重陽
朝凪げば昨夜褥にありしこと 池之端
イニシャルを縫ふハンカチの眩しくて 登美子
妻の出すハンカチ二枚の頃となり 省吾
鳳梨の黄は太陽の恵みかな 暁生
青嵐ドミノ倒しで吹き抜ける 暁生
仮睡する我にハンカチ被せあり 葉子
体温のまだなき朝のハンカチーフ 池之端
若葉風試歩たしかなる老母かな 登美子
御手洗に咥うハンカチ水鏡 重陽
ゆくりなき出逢ひとなりぬ花みかん 登美子
蚤の跡数えて夫の背を流す 香世
葉桜となりてしじまの戻りけり 旅遊