投句: | やんま、天藤志織、冬月、千両、碁仇、香世、素蘭、旅遊、悠久子、葉子、省吾、星麿☆、木菟、薫、洗濯機、登美子、重陽、一蟷、暁生、絵馬、ひとし |
選句: | 千両、葉子、香世、やんま、麻美、愛、ひとし、星麿☆、天藤志織、旅遊、薫、素蘭、木菟、暁生、冬月、登美子、碁仇、洗濯機、絵馬、悠久子、省吾、重陽 |
牧の霧消えゆく牛の巨き尻 葉子
霧の中人との距離の落ち着かず 香世
綾藺笠揺れて廻りて風の盆 旅遊
花カンナ空の青さを切り裂けり 旅遊
春天にアリスのごとき少女翔ぶ 悠久子
夢窓忌や谷の緑の錆びはじむ 重陽
ゆくりなく野分に帰路を閉ざされぬ 木菟
紫の実は零れずに野分後 悠久子
秋の海春なる異国に続きをり 香世
弥陀仏のおもざし深き野分晴 重陽
柿落ちて 太初の深さ 野に響き 一蟷
野分立つ大公孫樹ゆらぎ無く 重陽
有明の月やロザリオ繰りし母 絵馬
大屋根を覆ふばかりの野分雲 登美子
川霧の連山木立覆ひけり 素蘭
ニコライの鐘が抜けくる霧の街 やんま
今此処に奪ひし風の雁来紅 絵馬
表彰の子や面影の母ありて ひとし
白銀の葭や異郷の月揺れて 絵馬
霧雨を抜けて制服湿りおり 星麿☆
百名山の一と断じて霧を指す 洗濯機
行く末もいまの気持も霧の中 木菟
重なりてゆくシルエット霧の中 悠久子
老農夫野分の道を急ぎけり 碁仇
名月や避難勧告解除さる 素蘭
爽籟や昨日にまさる今日の空 旅遊
近づかぬ 二つの影や 霧の暮れ 一蟷
呼び声や山門の霧がうがうと 洗濯機
山荘に霧深き夜やハープの音 天藤志織
朝霧や消へゆく誰も反抗者 冬月
秋の蚊の骸となりし自己主張 碁仇
目に見えぬ線を消し去る夜長かな 天藤志織
悔しがるヤング爽やか銀よりも ひとし
朝霧やたれる稲穂の頭かな 暁生
街を飲む白蛇放たれ野分かな 冬月
老猿の秋思にわれを重ねけり 葉子
端境に星灯らせて野分前 天藤志織
蹴球勝利ボジョレ・ヌーボー旨き夜 ひとし