投句: | 天藤志織、旅遊、重陽、灯心、葉子、香世、素蘭、夜宵、省吾、頼髪、登美子、星麿☆、暁生、悠久子、晴雲、木菟、洗濯機、とびお、一蟷、絵馬 |
選句: | 葉子、灯心、夜宵、とびお、晴雲、暁生、頼髪、重陽、千両、星麿☆、旅遊、木菟、香世、素蘭、愛、洗濯機、一蟷、省吾、悠久子、登美子 |
日向ぼこ猫のとなりで爪を切る 省吾
死に遅れなどと云うまじ冬の虫 旅遊
時雨忌や六腑に沁みる梅の粥 絵馬
鴨の曳く水脈に触れゆく渡し舟 天藤志織
次の手を打てぬ小春の碁盤かな 悠久子
小春日や入院仲間みな高鼾 絵馬
老杉の木立しぐれて塩の道 葉子
柿落葉抜き足差し足猫戻る 香世
数えても合わぬ石碑や神の留守 天藤志織
着ぶくれた祖父着ぶくれた孫連れて とびお
朝しぐれ湯屋の高窓乾きをり 洗濯機
軒借りて会釈交はしぬ初時雨 灯心
浮寝鴨縁談ひとつ流れけり 悠久子
宿り木のオブジェや青き冬日和 重陽
寒灯の途切れそこから男坂 灯心
櫨落葉一匹の蟻動かざる 重陽
歯形ある干し柿ひとつ盆にあり 葉子
奥琵琶の山に行きつく時雨かな 頼髪
なみだ目に鴨のならんで尻をふる 頼髪
時雨るゝや一語発せぬ顔まぢか 洗濯機
病院を出でて正午の真鴨かな とびお
フロリダに弁護士走り冬に入る 素蘭
桐の実の激しく揺れし別れ哉 旅遊
初時雨君の手を借る下山道 素蘭
ゴアさんの八年前の顔が好き 晴雲
寒々といさかひ続く世紀末 登美子
しぐるるや讃美歌遠く遠く聴く 悠久子
時雨去り山は黙して大夕日 晴雲
「善」も「美」もなく過ぎにけりランボー忌 絵馬
松明にいのち燃やせり鞍馬山 旅遊