投句: | 灯心、冬月、旅遊、素蘭、重陽、十夜、頼髪、明子、悠久子、葉子、やんま、香世、しゅう、絵馬、晴雲、登美子、洗濯機、星麿☆、めだか、若芽、夜宵 |
選句: | 富章、香世、葉子、旅遊、十夜、頼髪、妹見、やんま、素蘭、悠久子、夜宵、しゅう、愛、明子、冬月、灯心、晴雲、重陽、暁生、絵馬、洗濯機、星麿☆、とびお、めだか、登美子、省吾、若芽 |
湯豆腐や逆らわずに生き退職す 香世
恋文は手袋はずして投函す 夜宵
会堂に堅き木椅子や聖夜劇 明子
鴨鍋やをんな同士の気安さも 悠久子
魚屋が手酌で過ごす聖夜かな 洗濯機
テームズやひたと目のあふ冬鴎 葉子
モジリアニの店や飾らぬ聖誕祭 洗濯機
人ごみに溶け行く吾のクリスマス 星麿☆
はじめての あみもの教室 クリスマス 夜宵
皆黙る時もまた良し鮟鱇鍋 冬月
誰ひとり欠けることなく鍋囲む 若芽
木枯しに掴みそこねし言葉かな 明子
止まり木や肩触れ合うも一人鍋 晴雲
看護婦の花子受胎すクリスマス 香世
無沙汰の士ふぐの上座にしたり顔 重陽
子ら去りて聖夜の闇の深きこと 葉子
うんちくの尽きて鍋の出来上がり 頼髪
おでん鍋にごりて空となりにけり めだか
クリスマス神持つ者と連れ添うて やんま
聖誕祭産声近き新世紀 夜宵
点滅のバッカバッカひとりクリスマス しゅう
馬刺あり碧き眼みはる桜鍋 絵馬
ひとり食う楽しき鍋やチンの音 やんま
熱燗や何を喰ふてもさまになり 旅遊
祝ひても祈ることなき聖夜かな 旅遊
呼べば鈴鳴らし来る猫冬夜更く 灯心
灰色の大気を裂いて冬の鳥 十夜
更年期男はくさい冬至粥 しゅう
吉良殿もついでに祀る義士会かな 絵馬
落葉焚く神の御前をくゆらせて 登美子
聖誕祭その羊飼ひたりし吾子 悠久子
冬木にも灯り花咲くクリスマス 若芽
マンションの間合いまちまち聖樹の灯 重陽
朝焼けに鴉の鳴くやクリスマス 十夜
テレビには背を向けてをり毎歳忌 素蘭
囲む皆一家言ありなべの味 明子
新鋭の作家が仕切るキムチ鍋 しゅう
ぐつぐつと愚痴も煮え立つおでん鍋 素蘭
聖夜生まれベストギフトの吾子二十歳 晴雲
寄鍋の大にぎわいを今朝の袖 重陽