投句: | 旅遊、遊糸、千両、葉子、顎オッサン、洗濯機、登美子、灯心、夜宵、やんま、賢次郎、海斗、あずき、素蘭、木菟、重陽、晴雲、悠久子、香世、とびお、明子、星麿☆、しゅう、頼髪、省吾、七梟、若芽、冬月、めだか、富章、絵馬 |
選句: | 星麿☆、やんま、葉子、海斗、重陽、顎オッサン、千両、七梟、あずき、旅遊、樂子、晴雲、灯心、香世、木菟、とびお、めだか、洗濯機、絵馬、暁生、明子、しゅう、悠久子、登美子、梓、冬月、頼髪、素蘭、富章 |
草餅を買いて真昼の汽車に乗る 省吾
桜時冥王星へ行ったきり しゅう
窓ふきの眼と眼があひしビルの春 絵馬
朧夜へ踏出す異星の者のごと 洗濯機
胡座かく鑑真和上長閑なり 七梟
雛どちは恋の噂に夜を更かし 葉子
その奥に叫んでみたよ冬銀河 やんま
春の坂てんてん地球儀天球儀 洗濯機
淡雪やビルの間(あわい)の風の澪 重陽
風邪の子の機嫌良きかな内緒言 香世
ビル街の中の目印雛の店 悠久子
光年の彼方のとある雨水かな 洗濯機
侘助や躙り口より別天地 晴雲
塵までも我につながり春動く 顎オッサン
月星はただ輝いてそこにあり 若芽
白梅の呼気あふれしむ闇夜かな めだか
鶴の舞ふまぼろし残し春衣 木菟
犬ふぐり笑い上戸が肩たたく 香世
ビルの街春一番は擦過傷 あずき
風呂水の沸く時で知る春の訪れ 若芽
屏風絵の鶴も帰るか羽ばたいて 葉子
山と空の間おぼろや遠景色 登美子
神代より川流れ凍つ鶴の舞 冬月
名のみ知る父祖の地に鶴越冬す 明子
春灯り痩せた女のビルの窓 木菟
春の雲ビルより曲がる風の神 冬月
蝋梅のにおうがごとく春を生け 顎オッサン
日に乾くボタンホールや冬の蜂 めだか
白に白の落款はねる兎かな めだか
今さらに一人で食べる鏡餅 富章
鶴舞ふや二十五年といふ節目 遊糸
ビルの群言えぬ想いが漂いぬ 若芽
生涯を夢追ひかけて鳥雲に 遊糸
仮の世の鶴かんばせを胸の内 灯心
如月や水漬く屍も抱き取れず 素蘭
中空にいのち曝して鶴渡る 登美子
薄氷や何を抱けるビルの街 頼髪
啓蟄やビル風に飛ぶ広告紙 遊糸
鳥の目になってみようか摩天楼 晴雲
あの庭は鶴の置物ありにけり 悠久子
時の旅終えて老人鶴を撮る とびお
冴ゆる星カーク船長号令す 頼髪
肉厚の手を逃れ得ず懐手 海斗
ビル群に寒月嵌る夜明け前 灯心