投句: | 七梟、素蘭、やんま、葉子、登美子、愛、顎オッサン、旅遊、木菟、絵馬、碁仇、とびお、明子、頼髪、海斗、ゆきふね、夜宵、洗濯機、しゅう、康、香世、悠久子、徳、めだか、冬月、涼、樂子、晴雲、若芽、省吾、旻士 |
選句: | 徳、旻士、やんま、冬月、旅遊、夜宵、とびお、葉子、木菟、顎オッサン、七梟、海斗、香世、晴雲、碁仇、明子、暁生、素蘭、ゆきふね、洗濯機、しゅう、樂子、悠久子、めだか、登美子、愛、若芽、省吾、頼髪、涼、絵馬 |
山躑躅見て小屋掛けの轆轤首 絵馬
かくなれば燃ゆるほかなしつつじ山 登美子
白躑躅私は薄情なのかしら 愛
天元に下ろす一石夏近し 碁仇
耳に残る声音消さむと髪洗ふ 葉子
無縁墓地家屋解体青嵐 めだか
学童の傘新緑の底通る しゅう
洗い髪触れられもせず遠花火 晴雲
春は逝く胸の蟹らはあぶく吹く 葉子
テニス部が声出していくツツジかな とびお
花火観て彼の顔見るりんご飴 夜宵
パラソルや守られてゐし少年期 晴雲
蕗の葉を笠に山の子下り来る 明子
妻死ねば後追うと言い蛍狩 香世
谷深く落人の里つつじ燃ゆ 明子
校庭に傘で淤能碁呂島つくる ゆきふね
泣き腫らすごとく躑躅は咲き尽くす 康
にぎやかなおんなの三時白つつじ 冬月
歯の白き娘船頭は笠の下 やんま
人待つや日傘くるくるまはしつつ 明子
猫の仔のやうに拭かれて聞く遠雷 とびお
五月雨小窓に掛かる傘二本 海斗
生れし日の躑躅も連れて嫁ぎゆく 晴雲
泣き癖を若葉疲れと言ひなして 登美子
斎王も牛も汗ばむ緋傘かな 絵馬
逆巻ける火群のごとき躑躅かな ゆきふね
赤つつじ歩きそめたる児が摘めり 樂子
五月雨に備えたように忘れ傘 省吾
山躑躅ひょいと抜け出る青さかな 顎オッサン
新任の教師白靴駆け抜けり 香世
新樹といふ大いなる傘母子眠る 樂子
水中花想ひめぐらすことばかり 樂子
幼なくて躑躅の蜜を舐め会いぬ やんま
嬰児の日傘のかげや母娘 洗濯機
黒い傘沈む金魚は流される とびお
迎へ傘待ちし日もあり遠蛙 木菟
カタツムリお前も願え青い空 顎オッサン
ゆうたりと躑躅の蜜を吸う少女 徳
時の日や思はぬ人と再会す ゆきふね
しとしとと雨もまた良し花菖蒲 七梟
川舟や遠花火聞く腕のなか 素蘭
二度シンデ傘が必要だと知りぬ 涼
万緑の返す谺の二度三度 碁仇
胡瓜揉む妻の背中へありがとう 顎オッサン
つなぐ手をいきもの通ふ聖五月 冬月
流行医の髭剃り残し昼寝覚 香世
湯の街にしとどの雨や傘雨の忌 旅遊