投句: | 重陽、楽千、葉子、心太、勝美、洛介、はる、悠久子、雲外、安寿、東鶴、ひとし、あきこ |
選句: | 重陽、楽千、松、雲外、はる、東鶴、ひとし、心太、木菟、暁星、若翁、安寿、勝美、悠久子、洛介、楽人 |
ありたけの鉛筆とがらす夜長かな 勝美
秋思の夜煙草の箱を潰しけり 葉子
百までも生きるよ僕はチチロ虫 はる
銛を背に勇魚泳ぐや無月の夜 はる
色鉛筆色無き風に色染めて 心太
嬰児の眠りて遠き彼岸花 東鶴
青蜜柑ふるさとの海碧く在り 悠久子
栗御飯くりくりくりとモンブラン あきこ
ポイ捨ての煙草拾ひて新学期 東鶴
秋袷かすかに母の香して 葉子
彼岸花ぷかりと煙草の輪をふたつ 楽千
朝顔の数えし日々の過ぎにける 重陽
鉛筆の鋭き数本あり師の心 東鶴
イガグリとウニはとってもそっくりね あきこ
猫三匹かたまり眠る台風裡 悠久子
地に息をひそめて咲くや時鳥草 洛介
君一人私も一人秋時雨 はる
こと終えて 紫煙を吐けば 鉦叩 雲外
敬老の日なるや席を示されて ひとし
大試験 鉛筆落下 大音響 雲外
鉛筆の尖れる先の鰯雲 楽千
新月を探りあてたる煙草かな 安寿
巻煙草書斎に嗅ぎし亡父の影 ひとし
長き夜や鉛筆ばかり尖らせて 葉子
叢雲にさやかにそよぐ野菊かな 重陽
虫時雨ふと鳴き止みて外を見る 勝美
秋深更 色鉛筆らの 私語 雲外
ゆるやかに風に波打つ秋の雨 洛介