投句: | ぎふう、やんま、顎オッサン、海斗、旅遊、重陽、旻士、夜宵、素蘭、とびお、悠久子、鞠、省吾、葉子、香世、明子、暁生、徳、七梟、しゅう、木菟、絵馬、頼髪、康、登美子、樂子、洗濯機、冬月、めだか、若芽、晴雲、愛子、于論茶、ぎを、ゆきふね、富章 |
選句: | やんま、鞠、冬月、晴雲、香世、夜宵、徳、ぎふう、葉子、旅遊、旻士、剛、康、英治、七梟、于論茶、垂穂、とびお、顎オッサン、星麿☆、海斗、登美子、頼髪、明子、木菟、暁生、ゆきふね、めだか、素蘭、省吾、洗濯機、愛子、樂子、悠久子、しゅう、絵馬 |
打水の後をなぞりし通り雨 省吾
かけ直す眼鏡重たし大西日 明子
落雷や原始の闇の広がりぬ ゆきふね
乗り越して見知らぬ駅の暑さかな 樂子
夕なぎやふとゆるやかに息をすふ 重陽
雷去って野良猫線路をよぎりけり ぎを
容赦無き不動明王蝉時雨 ゆきふね
夢に出る名の無い駅や法師蝉 やんま
産土の駅に降り立つ雲の峰 ぎふう
霹靂神窓辺の金魚蒼ざめて 樂子
大阿蘇を雷蹂躙す昼の酒 康
ナンパしたされたと五十路梅雨の傘 香世
遠雷や武州相州絹の道 しゅう
露はなる池の底なる蝿唸る 海斗
背に腹に摘んではがす汗のシャツ 頼髪
三日月や無人の駅に蛾の美しき 絵馬
稲妻や踊り場曲がるものの影 洗濯機
通帳の残高確かめ帰省かな 香世
どくだみの白き花揺る無人駅 愛子
ハンカチを借りて気付きし口説き初め 木菟
炎帝とつきあふ覚悟せまられし 明子
蚊遣火やふうと息して粥啜る ぎふう
鉾ゆらり祇園祭りの囃子方 省吾
遠雷や親父の背中まるくなり 顎オッサン
遠雷や理科の教科書見てをりぬ 頼髪
夏雲や自販機どかどか底抜けす しゅう
長調の音が恋ひしき昼寝覚 冬月
かみなりや廃校の窓高笑ひ 洗濯機
山かひの駅に残せし夏衣 木菟
前生のなつかしき顔夏の駅 冬月
花氷立待ち痩せる真昼かな 晴雲
立ち枯れのつつじに赤く西日差す 若芽
ポカン吹き千五百度の汗走る 愛子
廃駅のホームに乱れ月見草 旅遊
男あり夏蚕の太る昼下がり とびお
草の穂の日盛るままに駅の跡 重陽
喉飴が熔けはじめたりアスファルト めだか
熱風に右往左往の扇風機 夜宵
雷鳴ればついと命を抱きしめる やんま
夏帽子降り立つ駅に水平線 とびお
火取蛾や食べねばならぬ独りの餉 鞠
雷鳴にまづはパソコン気遣へり 素蘭
渡良瀬や水なみなみと雷の鳴る 絵馬
菱沼や小さき白の夕間暮れ 于論茶
炎昼や寺に干したる黄の衣 葉子
駅を出て赤子のごとき夏の月 康
子の背なに愛もいっぱい天花粉 顎オッサン
あの合歓の花に幼き物語 登美子
駅名の由来聞きたや初ツバメ 徳
遠雷は怒りをふくみて静かなり 若芽
遠雷や雨待つまでに仲直り 冬月
空間を斬り裂きく雷光画かれて 悠久子
蝉落下昇る陽炎白昼夢 夜宵
天道蟲ふかき青空舐め果てる めだか
雷鳴に悲鳴喚声通学路 夜宵
雷鳴の闇に肩寄す家族あり 晴雲