投句: | 閑人、巴人、ぎふう、芳生、康、七梟、素蘭、雲外、重陽、海斗、英治、まよ、樂子、庚申堂、やんま、省吾、葉子、明子、徳子、木菟、しゅう、伊三、顎オッサン、梵論、めだか、旻士、愛子、鞠、登美子、晴雲、若芽、水、絵馬 |
選句: | ぎふう、巴人、旻士、顎オッサン、七梟、閑人、雲外、徳子、芳生、英治、香世、登美子、まよ、やんま、庚申堂、水、梵論、鞠、柊、暁生、海斗、木菟、若芽、愛子、樂子、葉子、素蘭、めだか、明子、しゅう |
晴々と一文なしや年の市 ぎふう
父に似し羅漢と語る去年今年 徳子
日本の明日を買ひけり年の市 海斗
越前山河雪吊の影絵めく しゅう
許さるる大いなる嘘クリスマス 樂子
後ろからオイという声年の市 しゅう
年の市すぐ燃えそうなもの並ぶ まよ
枯れながら漆喰の蔦おのが影 めだか
かあさんを真似て影絵のきつね啼く 晴雲
遠会釈名はしらねども年の市 重陽
約束のやうに来にけり年の市 素蘭
塩つまむ形に暮の富士を見る 葉子
もうよいと棒でまさぐるたき火かな 省吾
白菜やほのかに甘いふたり鍋 七梟
小春日和や障子に映る鳥の影 雲外
蓑虫のゆらりゆらりと影までも 徳子
羅漢かな日向ぼっこの老爺たち 閑人
年の市ティッシュばかりの福を引く 若芽
風呂敷の唐草模様年の市 樂子
寄席にのみ残る売声年忘れ 鞠
甲斐駒の影迫りくる冬田打つ 芳生
父も子も浪人となる師走かな 絵馬
目瞑れば囲炉裏の傍の太郎かな 巴人
黄泉からの母のこゑとも返り花 芳生
父の手にすがりし記憶歳の市 明子
対岸に樹影届けり冬日和 樂子
上等の昆布探して年の市 葉子
炬燵猫リリアン編む娘と仲直り 晴雲
かじかみて乳まさぐりし子ら遠し 愛子
敗戦の寒夜生まれし希望の子 伊三
指を折る子と柚子風呂の長湯なり 七梟
老舗への路地塞がれて年の市 徳子
こぼれ銭捲土重来年の市 旻士
冬の月つかずはなれず影ふたつ 葉子
冬日向影を落として影をみる やんま
濁声にソプラノ混じる熊手市 雲外
松過ぎの早や碁敵と黙しをり 英治
初雪や庭師の鋏む音浄し 水
風花や面子の束を抱へゐて 海斗
寒ノ空円盤ツヒニ応答セズ 素蘭
影絵めく八ヶ岳は八つ峰冬銀河 閑人
赤米のポニーテールや注連の市 水
褞袍着てかぼそき己が影を見る ぎふう
水洟や背に負ふものもすでになし 愛子
寒椿一輪馳走囲炉裏の間 雲外
湯豆腐の無味と滋味知る齢なり 水
小坊主が氷柱剣に見立て舞う 梵論
インバネス父の匂ひをまとひけり ぎふう
童歌ふと始まりて年忘れ まよ