投句: | 閑人、巴人、芳生、馬客、ぎふう、香世、スダチ、葉子、鞠、碁仇、やんま、重陽、眞知、七梟、海斗、柊、徳子、りこ、顎オッサン、晴雲、英治、旻士、まよ、素蘭、明子、めだか、愛子、梵論、登美子、省吾、樂子、庚申堂、水、しゅう、頼髪、絵馬 |
選句: | 巴人、芳生、スダチ、水、まよ、閑人、やんま、鞠、梵論、顎オッサン、葉子、馬客、素蘭、旻士、庚申堂、重陽、徳子、七梟、香世、頼髪、りこ、暁生、木菟、碁仇、英治、柊、剛、登美子、晴雲、海斗、ぎふう、明子、愛子、めだか、省吾、樂子、しゅう、絵馬 |
独楽回る八方の峰傾けて 芳生
初点前二十歳の膝の揃ひけり りこ
冬木の芽けふ解かれんと天に在り 愛子
馬面を誉めちぎらるる年酒かな ぎふう
一嘗めの年酒一族下戸ばかり 明子
まはらねば倒れてしまふひとり独楽 素蘭
野に独楽を放ちて紐のしなりけり 海斗
気の強き娘となりて喧嘩独楽 まよ
親離れ子離れ思ふ霜の朝 柊
湯豆腐や酒系継ぐ子と認めたり ぎふう
飛ばされてそれでも回る逸れ独楽 スダチ
一献をまづは嫁御よ年の酒 登美子
粋がりし独楽傾きて唸りけり やんま
独楽を打つどの子も紅き頬をもて 樂子
初日の出宇宙も地球も我も独楽 庚申堂
捜さむと踏み出す一歩冬の虹 明子
恋終わりおとこ静かな白梟 しゅう
口上のありて年酒の核家族 英治
独楽廻すこと諦めて飾りけり 巴人
逝きし子や廻らぬ独楽の傷の数 ぎふう
君優し室より出でて花となる 顎オッサン
老人が独楽を回して見せてゐる 閑人
金粉の浮かぶ年酒でありにけり まよ
晴着の子交番の椅子座りをり 香世
独楽廻す孤独といふを友として 柊
傾きは地軸のさまに独楽黙す 重陽
元朝やブタ河馬アヒル勢揃ひ 絵馬
三碗も年酒かゆるや病上がり 絵馬
杯をおくりおくりて年酒かな 頼髪
七人の敵に振舞ふ年酒かな りこ
添書きはなべて哀しき年賀かな 水
大吉の貌もて揃ふ年始酒 愛子
兄ちゃんのこまといっしょにまわったよ 頼髪
晴れて酒呑める輩に寒鴉 英治
廻るなよ傀儡もたれる独楽の軸 めだか
兄弟の集ひ毛羽だつ年酒かな しゅう
手つかずの膳さがりくる寒の昼 葉子
しみじみと黒きコートの似合ふ子よ 登美子
花びらを掃き残したり冬の庭 省吾
七草や老いを介けて老い行くか 馬客
年明けて静かに笑う女へと 眞知
なにはともあれ満杯の年酒かな めだか
年酒酌むトンボ返りの倅かな 晴雲
結ばれぬ口並びゐし小正月 素蘭
世の倣ひ吾子に説きつつ麦を踏む 芳生
竜の玉明日は自分でつくるもの 樂子
学徒出陣声無き声を忘れめや 閑人
独楽音や炬燵の猫の動く髭 碁仇
独楽紐のまずは巻き方教えけり 眞知
左右から女所帯の年酒かな 眞知
じゃじゃ馬も兄には勝てぬ独楽廻し 晴雲
大寒や窯変天目盗みたし 葉子