投句: | 風花、やんま、重陽、七梟、香世、閑人、鞠、郭公太、ぎふう、芳生、素蘭、馬客、顎オッサン、雲外、巴人、英治、明子、りこ、悠久子、旻士、絵馬、愛子、庚申堂、海斗、梵論、葉子、水、柊、木菟、登美子、めだか、スダチ、しゅう、晴雲 |
選句: | 芳生、顎オッサン、やんま、鞠、風花、七梟、葉子、閑人、柊、ぎふう、スダチ、雲外、水、琉龍、旻士、馬客、香世、海斗、巴人、純奈、英治、素蘭、郭公太、木菟、梵論、暁生、登美子、愛子、庚申堂、絵馬 |
片栗の俯いて聞く雪解かな 晴雲
馬魂碑のうしろ渦巻く雪解川 りこ
惜しと思ふ嬉しと思ふ雪解水 海斗
春暁の路地駆け抜ける玉と三毛 柊
葬の列小さくなりぬ雪解道 柊
わき水は千古の雪解芹洗う 庚申堂
境内の闇なまぐさき眼やいくつ 雲外
運命の雪解の夜になりしかも 木菟
独り臥す雪解雫の音の内 英治
猫の恋五輪のジャンプしなやかに 登美子
紙雛を飾り老女の孤宴かな 葉子
スケートの娘の花になり風になり りこ
町中の猫浮かれ出る朧かな りこ
「窓開けよ」春へと転がる毛玉かな 旻士
大試験やうやく終へて雪解水 絵馬
あはれなり身分違ひのノラの恋 香世
もてあます吾が人見知り草を焼く 明子
雪女帯解き流す渓の音 やんま
雪解風水行堂よりをんなごゑ 閑人
雪解けや吾子の生れたる声あがる 葉子
餌入れに目刺草臥れ朝帰り スダチ
雪解けやいそいそとして躊躇わず 香世
律儀にも鴬来たり梅の花 香世
藁を打つ水車や雪解の隠れ里 鞠
さにつらふ君が睫に雪解水 素蘭
春耕へラジオ五輪の大歓声 閑人
白猫の修羅となりゆく春の闇 閑人
そんなにもひたむきな目を梅の闇 登美子
ほつほつと雪解の坂に蕗の薹 雲外
田から田へ道横切りて雪解水 馬客
天かけて五輪の戦士日脚伸ぶ 英治
堂の屋根雪解零れて日の光 スダチ
吾輩の旬を妬むや春の人 水
うつしてと寄り添ひ甘ゆ春の風邪 風花
大屋根にいのちいとなむ朧月 英治
北窓を開くや猫は一目散 晴雲
氷上に揚羽舞ひゐる五輪かな 葉子
退院と雪も解けたの知らせくる 重陽
シユプールに刻む五輪の覇者の夢 芳生
毛穴から雪解している顔パック しゅう
春泥も心の傷も舐めてをり 明子
春燈毛ばだつ声の走るかな めだか
春に酔ゑ劫初を歌えのぉのぉなぁごぅぉん 旻士
雪解の浮いたあたりに気はひそみ 梵論
雪解や峠の蕎麦屋湯気なびく 水
落城の天主ゆ雪解雫かな 芳生
せからしか里子にださんね春の屋根 旻士
千幾万の小石の上や雪解川 海斗
魔女ひとり魔男さがすトタン屋根 絵馬
もの動きそむとき雪の解けはじむ めだか
春雨や闇に鼈甲塗りたくる 梵論
春の夜やうっそりと来る闇の声 馬客
漱石も耳ふさぐよな春の夜半 庚申堂
春宵に聞きわけあるは哀しけれ 愛子
春の夜は男時か女時か鳴き明かす 鞠