投句: | 芳生、蘇生、巴人、四万歩、省吾、七梟、海斗、柊、葉子、郭公太、英治、伊三、鞠、冬扇、童奈、木菟、顎オッサン、登美子、馬客、やんま、愛子、明子、川蝉、眞知、梵論、旻士、東夷、晴雨、水、庚申堂、若芽、丹仙 |
選句: | 芳生、巴人、英治、柊、鞠、顎オッサン、冬扇、葉子、七梟、四万歩、海斗、やんま、蘇生、郭公太、馬客、旻士、伊三、木菟、水、庚申堂、童奈、悠久子、梵論、香世、省吾、登美子、川蝉、愛子、明子、晴雨、若芽、丹仙 |
風すでに絹の手ざはり今朝の秋 明子
漆黒の闇に彫り込む大文字 愛子
星飛ぶや浜に埋もるる亀の夢 梵論
陰のばし大樹は秋を抱き寄せて 庚申堂
新盆の夕星うるみゐたりけり 芳生
十字架の下の家紋や墓洗ふ 冬扇
連休の貼紙破れし盆の街 馬客
絶え間無き風鈴秋へ縺れけり やんま
カンナ立つ浜へと続く納屋の裏 海斗
酔ひ覚めの故郷の径盆の月 巴人
空耳のごと鳴りやまぬ風の盆 木菟
野の花の一輪添へし盆の供華 登美子
子の作る空翔ぶかたち茄子の馬 明子
かなかなや路地にはじまる与太話 英治
素の足に砂柔らかし秋の浜 童奈
敗戦の浜にわれをりけふも在り 蘇生
新しき声の交じるや魂まつり 英治
目を剥いて蚊を逃がしやり盆の月 梵論
かなかなの声湧く刻に逢ひにけり 明子
楽士らの競ふ広場や晩夏光 柊
退きて知る世のことわりを秋意かな 蘇生
浜に立つ遠きまなざし終戦日 英治
山椒の実すり潰す背の静かなり 梵論
迎え火や異教の彼も来し気配 水
夏の昼古刹の庭に猫もいず 省吾
砂浜に啄木と描く青き海 伊三
蜩や川に迫り出す宿の窓 晴雨
なき父の歳越えにけり霊祭 丹仙
マーブルの卓上に置く水中花 柊
糊こわき浴衣を抜ける風をめで 葉子
廃船を犬嗅ぎ回る秋の浜 柊
どの顔も歳重ね着る霊祭 四万歩
茄子飾り茄子を食して送り盆 郭公太
ふるさとの言葉なつかし盂蘭盆会 省吾
我知らぬ祖父の話を霊祭 海斗
後れ毛がそよいで撫でるサンドレス 木菟
球音につい手の止まる残暑かな 冬扇
遠き日の想いは薄れ浜に立つ 若芽
滝壷に轟音やまず神気這ふ 四万歩
朝露のまだ残りおる風の尾根 童奈
浜風や校旗を仰ぐ眸の涼し 馬客
汗ふきて普通列車に乗りこみぬ 省吾
新盆や転居通知の舞い戻る 童奈
生意気もよしとするかな地蔵盆 顎オッサン
盆経を唱える小僧の声清し 眞知
思ひ出が秋風連れて浜をゆく 木菟