投句: | やんま、旻士、芳生、郭公太、顎オッサン、七梟、素人、巴人、素蘭、葉子、ぽぽな、馬客、冬扇、蘇生、童奈、梵論、英治、丹仙、鞠、浮遊軒、梨花、ぎふう、木菟、柊、愛子、川蝉、明子、晴雨、香世、省吾、庚申堂、四万歩 |
選句: | 顎オッサン、蘇生、巴人、葉子、芳生、柊、浮遊軒、川蝉、鞠、英治、素人、香世、四万歩、ぽぽな、童奈、冬扇、馬客、徳子、梨花、木菟、やんま、庚申堂、旻士、梵論、愛子、若芽、明子、晴雨、素蘭、丹仙 |
入院の朝音高く葱きざむ 明子
炉話の途切れし酒を父に注ぐ 馬客
指相撲くしゃみする間に負けてをり 葉子
鰭酒や職無き身とは軽きもの 愛子
登るほど海の展けて帰り花 芳生
含羞のすこしほどけて燗の酒 素蘭
失せしものもどす術なき帰り花 木菟
雪つぶてあの娘へ撃つはやわらかく 馬客
詫びごとの素直に言えし帰り花 馬客
枯れすすむ日々の通院長引きし 愛子
昼酒にふうわり抱かれ小春空 梵論
この小春日にも何処かで兵士が血を流す ぽぽな
九条は死守せよ吾子よ寒の雷 丹仙
家売る日思ひつつ掃く落葉かな 葉子
日溜りや猫が添い寝の帰り花 旻士
計算のできぬ愚直さ狂ひ花 素蘭
予後の良く妻の支えや返り咲く 川蝉
冬の日に錆び燦燦と連山や 蘇生
一杯の塩酒許せ寒座禅 丹仙
霜枯れの野に残兵は将棋指し 梵論
風呂吹の透きとおりをりコップ酒 郭公太
吟行の連れは同窓帰り花 丹仙
情愛の果てにありけり帰り花 顎オッサン
板塀の猫笑みてをり帰り花 梵論
夕星や旅路の古寺の帰り花 鞠
坂登りきって城跡帰り花 浮遊軒
わが半途後手後手ばかり帰り花 晴雨
借景の山粧ひて時忘れ 省吾
恋心地風邪の薬で治しけり 香世
咲いちやった恥らひてゐる帰り花 葉子
酒呑みて酒に呑まるる師走かな 晴雨
しぐるるや谷(やつ)北面のさびの色 蘇生
霜の朝産休明けて自転車出す 庚申堂
銃身を削りゐし手や温め酒 英治
万物の眠る日近し帰り花 明子
熱燗や業火抱きて持て余す やんま
闇汁や決意新たに酒を酌む 童奈
雪晴れの空に行き交ふ鬨の声 四万歩
帰り花会ふてときめく瑞泉寺 四万歩
帰り花時を忘れし恋に似て 庚申堂
悔いを増す酒としとどの時雨かな 木菟