投句: | 川蝉、願船、冬扇、英治、素蘭、ぽぽな、四万歩、晴雨、梵論、葉子、巴人、馬客、顎オッサン、頼髪、七梟、明子、芳生、浮遊軒、省吾、愛子、徳子、やんま、眞知、柊、梨花、木菟、水、庚申堂、めだか、登美子、素人、旻士、清子、丹仙 |
選句: | 芳生、顎オッサン、徳子、巴人、由衣、願船、清子、川蝉、やんま、英治、冬扇、素人、ぽぽな、浮遊軒、梵論、梨花、七梟、旻士、庚申堂、愛子、水、馬客、柊、頼髪、四万歩、登美子、若芽、めだか、晴雨、素蘭、明子、丹仙 |
忘るてふ癒しもありぬ冬の草 芳生
初雪に目覚めし山の高さかな 登美子
初雪や妻の墓前に靴のあと 葉子
雪の日は降る雪だけを見ていたい 清子
初雪や話し逸れゆく薬売り やんま
呼び止めし人の名忘れ師走街 眞知
初雪や往来塞ぐ三輪車 梵論
雪と書く大きな午後の黒板に 清子
初雪や老の朝餉に軒雀 川蝉
着膨れて思ひ通はぬままにをり 明子
初雪や闇の形を教へけり 顎オッサン
テレビ見ることを忘るる柚子湯かな 川蝉
社会鍋なる季語のあり忘れゐし 馬客
一生の名句を忘れ冬日向 頼髪
人嫌ひ加速してゆく年の暮れ 素蘭
地吹雪や足元見えぬ世となりぬ 四万歩
初雪や静かに歩む堰の鷺 芳生
熊を追う弱き犬より吠えかかり 庚申堂
年の瀬や鳥影に犬吠え立てる 馬客
初雪や白寿の母の背に着地 水
冬霞とうに忘れし恋の傷 ぽぽな
水涸れて忘れし音のよみがえり 省吾
赤錆の骸を攻むる冬怒涛 愛子
無雑作に初雪はらう男の手 省吾
極月や父に日数の限られて 登美子
初雪や髪切りかろき肩先に 眞知
初雪や恋のはじめの初メール 頼髪
肩の荷をおろして海鼠日和かな 顎オッサン
初雪や小首傾げしペルシャ猫 浮遊軒
ときも音も封じ込め凍つ不動滝 梵論
初雪や五体投地の湯殿山 丹仙
初雪やふるさとになるやもしれぬ めだか
初雪や蕪には蕪のいかり肩 願船
年の湯にふんはかふはと忘れたる やんま
息白し鳩を啄ばむ烏かな 七梟
初雪の鏡に薄き紅を引く 願船
秋の夜の父の遺墨の乱れかな 芳生
どこまでも欅を登る蔦紅葉 柊
老ひてなほしがみつく人今日冬至 素人
行年や何か忘れてゐるやうな 晴雨
熊寝ぬる採り忘れし実は夢の内 梵論
初雪やボンネットにへのへのもへじ ぽぽな
備忘録開きしままに冬銀河 めだか
目を入れてもらえぬままの雪達磨 清子
皸に炎ゆる色ある齢かな 登美子
数へ日や人を喰ふ絵にひとだかり 英治
ヘルニアを長湯で誤魔化し妻の冬 旻士
喉仏御座す葛湯はいかほどに 顎オッサン
初雪やグリム童話を聞かす声 英治
初雪の携帯に打つユキの二字 願船
肝心の牡蠣買ひ忘れ野菜鍋 葉子
はじめての雪手のひらを捧げ受く 明子
クリスマスディナー犬にも忘れずに 明子