投句: | 青榧、巴人、顎オッサン、ぽぽな、四万歩、伊三、徳子、素蘭、やんま、英治、眞知、芳生、七梟、清子、葉子、丹仙、馬客、頼髪、香世、童奈、海斗、晴雨、柊、木菟、浮遊軒、愛子、鞠、素人、梵論、梨花、明子、径、庚申堂、省吾、川蝉、旻士、水 |
選句: | やんま、浮遊軒、芳生、顎オッサン、巴人、青榧、英治、伊三、鞠、ぽぽな、木菟、七梟、海斗、童奈、庚申堂、水、川蝉、梨花、柊、清子、梵論、馬客、願船、旻士、愛子、径、剛、晴雨、明子、素蘭、頼髪、丹仙 |
くちびるは笛吹くかたち春隣 明子
屠蘇としていつもの酒をいただけり 童奈
ほろ酔いていろはがるたの輪の中へ 愛子
これやこの母が十八番の恋かるた 径
胸元の少しずれゆく歌留多かな 清子
リストラの話そらせり屠蘇の客 水
屠蘇酌むや富嶽は長き裾曳いて 芳生
薺囃子妻は日本の鶴となる 丹仙
汝も我もこの星の者福笑い やんま
子の嫁の指に触れたる花歌留多 清子
かるた切る我手に落ちし恋小町 やんま
”おめでたふ”母八十才の初メール 庚申堂
絵がるたや小さき手の取るいぬの札 頼髪
屠蘇の座にたちまち倦みし童かな 英治
並べてはひとり眺むる歌がるた 梨花
元日や我を捜しに野を歩む 伊三
屠蘇の盃父一献の潔さ ぽぽな
若者はみな村捨てて柚子たわわ 芳生
歌かるた覚えしのみの六十路かな 英治
希望とは黄泉人知らず歌がるた 庚申堂
諳んじる犬棒歌留多の世代かな 徳子
屠蘇受けてしばし薬味を舌に置く やんま
歌留多取り張り切る祖母の声高く 葉子
屠蘇酌みて子は異国へと旅立ちぬ 眞知
取りたきを目でおさへつつ歌留多取る 海斗
初鏡たしかに写す過ぎし日を 木菟
座布団の下で歌留多はかくれんぼ 梵論
指先の触れて頬染む歌留多かな 素人
あわあわとひかるちゃんちの歌留多会 童奈
”イナズマの某”が居て歌留多会 馬客
かるた取りジョンは「い」と聞き「こ」を取りぬ ぽぽな
どんど燃ゆ囲む三代恙無し 愛子
青春はいくさの日々の歌留多会 木菟
一人屠蘇妻も訪なう人も無し 庚申堂
押され行くままに手を拍つ初詣 巴人
屠蘇の数重ねしほどに枯れもせず 木菟
母方は長寿の家系屠蘇祝ふ 明子
春なれや市民マラソン超長蛇 晴雨
川面飛ぶ鳥の数ほど寒さまし 省吾
歌留多読む声音のいつか母に似て 芳生
子の歌留多天津風のみ狙ひをり 浮遊軒
それぞれに成人の日のあり姿 英治
ボロ歌留多子に嫌われても捨てきれず 旻士
正札のままに売れゆく破魔矢かな 水
側溝に果てし虫にも冬の月 青榧