投句: | 顎オッサン、七梟、鞠、清子、巴人、葉子、芳生、伊三、蘇生、願船、英治、浮遊軒、夜宵、ぽぽな、馬客、晴雨、宏太郎、素蘭、四万歩、徳子、童奈、やんま、梵論、水、庚申堂、木菟、径、愛子、川蝉、柊、明子、丹仙、海斗、李花、省吾、頼髪 |
選句: | 巴人、浮遊軒、やんま、葉子、顎オッサン、芳生、鞠、水、剛、柊、香世、旻士、伊三、清子、願船、徳子、宏太郎、馬客、木菟、四万歩、童奈、梵論、英治、梨花、庚申堂、海斗、素蘭、愛子、径、明子、ぽぽな、頼髪、晴雨、丹仙 |
冴返る五体に癌をちりばめて 英治
白魚の腹一物もなく透ける 径
探梅の夜の衣を脱ぎにけり 清子
梅仰ぐ一輪ほどの孤独かな 顎オッサン
梅咲きて老舗の大戸下りしまま 馬客
こんな日に落第もよし梅真白 丹仙
をちこちの梅を巡りて郵便夫 やんま
鳶の輪のまた戻りくる白魚舟 芳生
小梅咲く小町ゆかりの化粧井戸 浮遊軒
梅見んと無住の寺の門くぐる 願船
夭折の画家のアトリエ冴返る 明子
白魚やヨーコの行方?知らねえな 童奈
冴え返る風を孕んで鷺は地に 径
冴返る夜の瀬音の山の宿 巴人
冴返る炎静かや不動尊 童奈
心急く紅い鼻緒の冴返る 願船
バス停に並ぶ猫背や冴返る 梵論
盆梅の値札を隠すほどに咲き 水
夢いつも奇想天外鳥雲に 径
白魚の酔ふて鎮まる気配かな 梵論
風閑か梅ひと株の辺りのみ 梵論
潮の香を身にまとひける白魚汁 四万歩
白魚の朝日の網に跳ねにけり 川蝉
白魚の小さき未練を呑みくだす 英治
白魚やかさなり合ふて網軽し 頼髪
天神の絵馬に白梅悠々と 丹仙
白魚の眸の黒々として盛らる 馬客
春立つや脚もどかしく退院す 明子
沖と言ふはるかすぎるもの冴返る 清子
老い母の経に張り有り庭の梅 伊三
澪つくし白魚くろき眼せり 顎オッサン
聡き児の寝息ただしく冴返る 馬客
紅白の梅に勝ち負けなかりけり 素蘭
紅梅や空気清しき五六間 海斗
白魚の生命力と対峙せり 宏太郎
梅林をかがんで歩く雨上がり 李花
恋猫の鞄に眠るチョコレイト 夜宵
節くれて魔女の杖めく梅真白 晴雨
白魚のとほりて透けり咽喉仏 海斗
助六の粋な鉢巻春隣 浮遊軒
あはゆきにあはき影添ふ老紅梅 巴人
梅ひと枝かすむ羅漢の大頭 愛子
ランナーの大また小また梅の道 英治
白魚の一列にゆく忘れ潮 やんま
冴返る判官館の杉の鉾 芳生
早春や出窓で揺れるやじろべえ 浮遊軒
空や地やモノクロームに冴返へり 蘇生
白魚のあはれ眼の黒きこと 素蘭
”実も赤い”質す子ありや梅の花 庚申堂
梅の枝撓めて尾長飛び立ちぬ 葉子
柔肌のされど冷たき細き指 木菟
突堤に反戦集会冴返る 鞠
黒柚の皿に白魚清きこと 葉子
どちらともなく誘ひ合ふ梅見かな 宏太郎
紅梅の恥じらふ色を撮りにけり 清子