投句: | 伊三、やんま、鞠、浮遊軒、ぽぽな、雛菊、清子、芳生、四万歩、願船、馬客、夜宵、木菟、梵論、眞知、川蝉、顎オッサン、葉子、旻士、七梟、素蘭、徳子、英治、明子、愛子、童奈、丹仙、宏太郎、庚申堂、柊、径、晴雨 |
選句: | 柊、顎オッサン、浮遊軒、雛菊、葉子、英治、鞠、夜宵、ぽぽな、宏太郎、徳子、伊三、四万歩、旻士、願船、木菟、素蘭、やんま、芳生、梵論、馬客、童奈、清子、香世、愛子、庚申堂、水、径、明子、晴雨、丹仙 |
戦争の遠くにありて種を蒔く 柊
太陽へイルカのジャンプ水温む 宏太郎
水温む窓開けがちに閉めがちに 清子
水温む掌にやわらかき厨ごと 木菟
嫁のはや厨のなかま水温む 英治
涅槃図の片隅に鬼坐りをり 浮遊軒
堰をつと離れし一葉水温む 晴雨
つぶらなる眸泣かすな春の塵 馬客
涅槃西風遅れて動くキリンの首 宏太郎
不器用に傘畳む子や水温む やんま
水温む恋は鏡となりにけり 清子
涅槃図を見て滔々の大河かな 径
ドレッシング替えてみようか 水温む 雛菊
つちふるや希ひきしもの見失ひ 明子
犬ふぐり子等は子等なり掟持ち 宏太郎
野の花に烈火の紅さ涅槃西風 顎オッサン
水温む人影差せる隠れ沼 柊
義母となるひとの笑顔や水温む 夜宵
おばあちゃん外着うれしや水温む ぽぽな
涅槃図の声なき慟哭耳聾す 柊
血しぶきのまた飛び火して虻たかる 旻士
つぎつぎと解く花の荷水温む 明子
予測可能防御不可能遠雪崩 径
赤子喰う恐竜プッシュ薔薇の棘 伊三
バンコクや御堂いっぱいの涅槃像 鞠
聖地あるゆゑのいくさや春の月 英治
水温む吾娘へ買ひ足す紅ひとつ 芳生
水温む明日来る文待っている 伊三
髪を解き放ちたまふや涅槃西風 素蘭
水温む背鰭を見せし錦鯉 浮遊軒
傷口のやうやく癒えし涅槃かな 芳生
天幕に起き伏す子らや砂塵巻く 葉子
便りなきものに誰彼涅槃西風 英治
梅ほつほつ茶色の戦争始まりぬ 丹仙
ゆるやかに鼻伸べ象の水温む 願船
涅槃絵や作者も吾も大根も 丹仙
涅槃絵や蛇も一つの命なり 庚申堂
襟巻は 庭に一泊 水温む 雛菊
鳥雲に涅槃は望むべくもなく 梵論
菜の水温み夕餉の人を待つ 顎オッサン
未来てふもの在る無しや涅槃西風 徳子
水温む麻布十番老舗街 徳子
ものの芽の中に戦争ナビ動く 晴雨
空の色まろやかに映し水温む 四万歩
戦争が秩序を保つ万愚節 夜宵
春雷や妻に云えないこともあり 庚申堂
路線バス乗らず山路の梅見かな 丹仙
涅槃図に声なき嘆き幾重にも 明子