投句: | 雛菊、葉子、ぽぽな、夜宵、東彦、芳生、はる、顎オッサン、英治、徳子、木綿、虹子、梵論、人真似、願船、四万歩、梨花、素蘭、浮遊軒、木菟、鞠、柊、水、光、伊三、素人、海斗、めだか、馬客、明子、若芽、庚申堂、晴雨、旻士 |
選句: | 芳生、雛菊、浮遊軒、顎オッサン、徳子、鞠、東彦、英治、伊三、夜宵、木綿、ぽぽな、梵論、一夏、康、人真似、旻士、光、梨花、木菟、素蘭、願船、馬客、めだか、晴雨、素人、柊、海斗、庚申堂、水、虹子、四万歩、明子、若芽 |
掌のなかに今君が着き夏来る 明子
瓜ぷかり子の尻ぷかり大盥 馬客
時々は簾で仕切る心の間 雛菊
少年の頃の渾名や簾越し 海斗
立腹の父の立膝簾越し 光
青簾かけて遠のく娑婆の音 晴雨
袂より着メロ漏るる浴衣の娘 庚申堂
肩揚げも直し終へたり青簾 明子
古き家守りて古き簾掛く 馬客
味噌漬の瓜の小皿や風通る 願船
瓜をもむ遠き昭和の陽の匂ひ 英治
真桑瓜私も母となりました はる
瓜蔓の添木に触るるを吹返し 鞠
甲斐駒の夕闇迫る簾かな 芳生
真夜中のメロン怪しく香りをり 木綿
借景の近くなりたり青簾 木綿
電源をお切り下さい梅雨最中 素人
冷し瓜厨は土間のつきあたり 素蘭
しかられて瓜のまるみをなぞりたり 梵論
簾買ふ父の闘病長引けり 素人
爪半月十指にありて瓜きざむ 虹子
朽ちし瓜堅き実さらし畑の端に 庚申堂
蛍袋山恋ふ色となりにけり 柊
声もなくただつながっている夏蛍 夜宵
青簾幽明界を異にせり 願船
朝顔の夢の中なる遠花火 伊三
汗ぬぐいマナーモードを解除する 馬客
瓜食みて顔見合わせる双児かな 四万歩
勝手口くの字つの字のへぼ胡瓜 ぽぽな
幽霊と会話のはずむ夜道かな 若芽
着信のBACH響くや夏屋敷 ぽぽな
あたしよといふなり切れる梅雨の宵 葉子
声高に電話の歩く暑き夜 芳生
瓜食めば想ひが過去が追うて来る 木菟
夏空へアンテナ伸ばす痴話喧嘩 英治
初簾青き匂ひに慣れるまで 虹子
幼きは簾に模して指を組み 梵論
洋館のテラスにさらり簾かな ぽぽな
留守番のお駄賃皿に甜瓜 素人
ITは遠近両用サングラス 伊三
瓜売りの器量に負けて買ひにけり 晴雨
茫々と梅雨の潮騒受話器より 光
地下道や日傘の雨滴はたきおり 水
メル友に背かれて居る梅雨じめり 木菟
夕餉時居間の家族の簾越し 東彦
夕まぐれ秘密めきたる軒簾 四万歩
さくらんぼ含みて思ひ吐き出せず 顎オッサン
しつらひといふにあらねど葭簾 素蘭
簾かけ透かして眺む裏表 若芽
電話鳴る振り向き際の夏帯に めだか