投句: | やんま、浮遊軒、まよ、雛菊、芳生、顎オッサン、ぽぽな、鞠、素蘭、東彦、英治、願船、馬客、香世、四万歩、梵論、葉子、徳子、人真似、庚申堂、素人、愛子、柊、川蝉、水、康、晴雨、明子、好鵡、若芽、旻士 |
選句: | 芳生、英治、香世、顎オッサン、鞠、東彦、柊、やんま、人真似、素人、まよ、好鵡、雛菊、浮遊軒、馬客、梵論、葉子、木綿、康、庚申堂、素蘭、水、愛子、願船、川蝉、旻士、四万歩、晴雨、明子 |
トーストに山盛りのジャム終戦日 明子
地下鉄に走り込みたり盆の僧 浮遊軒
終戦日やさしく抓る嬰の頬 芳生
上を向いて歩きませんか。終戦日。 旻士
川岸に人立ってゐる冷夏かな 願船
荒びゆく世の一隅の盆用意 英治
ところてん喉もと酸っぱい冷夏かな 好鵡
畦道をただオロオロの冷夏かな 素人
冷夏なり布団の重さなじみをり 東彦
年々に里遠くなり盆の月 芳生
旧かなの父の文焼く終戦日 やんま
をさなごの提灯揺らし魂迎ふ 明子
雑草の更地を覆ひ冷夏なり 鞠
タクシーのラジオに流る終戦日 まよ
終戦日夕餉は常の芋雑炊 葉子
あをきまま揺れもせぬなり冷夏の穂 梵論
焙烙に雨浸みとおる盆迎え 馬客
語れずに骨となりけり敗戦忌 晴雨
猛者男逝って冷夏の続きけり 徳子
言葉無く親子それぞれ盆の月 柊
縁側の冷夏の客の長談義 英治
重治の書斎の錠や夏寒し 康
胸の傷知られずにすむ冷夏かな ぽぽな
湯の町をぬけて大阿蘇芒原 水
後髪引きて日傘の点となる 顎オッサン
遠ざかりまた近づきし終戦忌 庚申堂
信濃路や冷夏に傾ぐ西瓜売り 好鵡
夏寒し式神こぞり来たるかな 素蘭
夏寒し踏み踏み向ふ草千里 やんま
敗戦忌歴史にIfのなかりけり 素蘭
素潜りの達人もゐる盆の客 康
水飲まぬことと決めをり終戦日 浮遊軒
秋草や接写の吐息にゆらぎをり 水
ご先祖の絵姿掛けて盆仕度 人真似
昭和さえ遠くなりけり終戦日 水
遠花火置いてきた子の年数へ 葉子
盆がきて陋屋声の華やげり 素人
びしょ濡れの犬うづくまり夏寒し 明子
アロハシャツ昔の不良老いにけり 香世
鈍行の片隅に座し終戦日 愛子