投句: | 雛菊、ぎふう、葉子、素蘭、芳生、やんま、まよ、四万歩、梵論、童奈、木菟、東彦、英治、鞠、ぽぽな、好鵡、木綿、旻士、顎オッサン、梨花、康、香世、愛子、馬客、水、径、人真似、柊、晴雨、明子、庚申堂、素人、願船 |
選句: | 素人、顎オッサン、鞠、芳生、葉子、柊、梨花、木綿、好鵡、英治、雛菊、やんま、まよ、東彦、梵論、ぽぽな、童奈、四万歩、水、人真似、浮遊軒、旻士、素蘭、晴雨、庚申堂、願船、愛子、馬客、木菟、径、悠久子、明子 |
十六夜や義足をほろと脱ぐ少年 ぎふう
回転ドア出て秋風となる女 顎オッサン
寄り添いて試歩ゆつくりと秋日傘 愛子
猫の耳折り返してみる十六夜 香世
街道は雲に連なり花桔梗 芳生
十六夜の沖島仄と周防灘 康
金婚や試歩に寄添ふ秋日傘 鞠
山門を出でて再び秋日傘 晴雨
十六夜の手に触れしより四十年 英治
ほろ酔いの影踏みて行く十六夜 馬客
母の忌や庭荒れしまま桔梗咲く 馬客
桔梗の音を溜めたるつぼみあり まよ
古書店の前を過ぎゆく秋日傘 梵論
音消へし寺町通り秋日傘 明子
終電は途中迄なり十六夜 晴雨
老いぬればつれなきものを秋日傘 素蘭
桔梗や避けがたく在る喉仏 ぎふう
十六夜のきのふに変る静ごころ 人真似
少しだけ大人になりて秋日傘 ぽぽな
失職の夫をのこして秋日傘 英治
桔梗や野辺に苔生す道祖神 愛子
桔梗の鐘形五裂に山気あり 好鵡
桔梗に吐息聞かれてゐたるかな 康
助手席に秋の日傘の忘れ物 馬客
二藍のゆかりに野辺の桔梗かな 素蘭
十六夜の虜となりて余呉の湖 柊
十六夜の萩の城下を通りけり 芳生
十六夜や寝飽きた母に頬寄せて 愛子
秋日傘手を上げ別れそれつきり ぎふう
秋日傘深く傾げて別れ来し 径
十六夜やまなこつむりて終ひ湯に 明子
秋日傘墓前の母の若かりき 柊
利かん気のままの寝顔や小鳥来る 径
オカリナを吹き十六夜になりにけり ぽぽな
十六夜の無人の街の石畳 東彦
十六夜や新宿始発白馬行 好鵡
悪役の顔にすんなり村芝居 香世
桔梗色の母の匂ひのある着物 東彦
秋日傘白き襟足抜きし背中 東彦
かたむけていく度も別れ秋日傘 木菟
いたずらっ子桔梗のつぼみをプチ、プチン 雛菊
秋日傘近江の海を見てゐたり 芳生
うす闇にいちずに開く白桔梗 四万歩
十六夜を待つ間ひとりの湯に沈み 願船
道草は桔梗の藍に暮れにけり ぽぽな