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歌仙風の連歌詩篇 「聖夜幻想」

発句 樅の木や聖夜幻想ひかる星  きこ
 かけし悲願に喜び満ちて 東鶴
第3 響きあう心に火花第九聴く  きこ
4  天の光にはずす補聴器 登代子
5 盲目の月下美人の夜に惹かれ 東鶴
6  旅立つこころアカシアの枝 きこ
1 タンポポのわかれも軽く君送る きこ
2  花も縁も風にゆだねて 登代子
3 手鞠つき子供と遊ぶ山里の 東鶴
4  夕日の影に春をおさめむ きこ
5 かぞへうたひふみよいむなやここのとを  きこ
6  あけてぞ今朝は逢ふを許され  きこ
7 いろはうた有為の奥山けふ越えて 東鶴
8  ともに遊ばむ真如の月に 東鶴
9 木槿咲く朝の光に心あり きこ
10  永遠の祈りに装ひ新た きこ
11 ソロモンの栄華を極む戴冠に きこ
12  香油注げど君に及ばず  きこ
1 朝顔や閉づることなき夢もあれ  東鶴
2  不知明鏡裏秋霜去りぬ 東鶴
3 夜想曲月下奏鳴漂ひて きこ
4  舟歌聞こゆ浪のまにまに きこ
5 君抱けば魔法の時計音刻む  きこ
6  床に映るは翡翠の衣 東鶴
7 鵲の翼の渡す橋間より 東鶴
8  光る天河に流燈速し 東鶴
9 なきひとの忘れ形見に送る火の きこ
10  文字明るみてふみを読む きこ
11 冬の月暮れる湖畔に影やどし  東鶴
12  白鳥渡る故郷の水へ  東鶴
1 空の星聖母の汲みし井戸にあり きこ
2  博士も集ふ乳の洞窟 東鶴
3 目を洗ひ見初むる姿我を知る きこ
4  シロアムの池禊ぎをすませ  きこ
5 花嫁に捧ぐ杯葡萄尽きざれ  東鶴
挙句  野の百合しずかガリラヤの里 きこ

1996年降誕祭時の句を発句として、1997年1月4日に連作開始 同1月12日満尾