桃李歌壇

目次

午前5時28分 -2℃

駐輪場の片隅に 紺のバック
音もなく深みに眠るような心魂の深い色
弱く震える灯火が 小さく息を
冷たい息を 声もなく

わたしも  深い眠りについていた が、
突然の電話でいつものように起こされた
「駐輪場に臍の(へその)のついたままの子が・・」
ああ 神様 !

体温はすでに20 ℃を下回り刺激に応答さえもしない
名もなく 冷えてゆく 3500gのいのち
握る手は硬く 息は浅く

もし この子に明日があるのなら
暖かい毛布の中で夢を見せてあげたい
母親の胎内で見た夢のような