2601 > この年に生まれた人はすぐ判る「紘」の字多く名に持つ故に(ジャスミン) (11月28日 21時17分) 2602 > 源氏名のやうな名ばかり続きゐし名簿にゆかしと〈子〉の名前見つ(素蘭) (11月29日 00時18分) 2603 > 旧臘の名簿の友のありし日を偲びつ過ぎしひと年をしる(重陽) (11月29日 05時24分) 2604 > 生(あ)れかはる星のたまづさ伝へけり恒河沙わたる原子のドラマ(素蘭) (11月30日 00時41分) 2605 > 2001年はや暮れむとす草枕しくに由なき太虚の旅よ(堂島屋) (11月30日 12時43分) 2606 > モノリスも今だ見なくに暮れむとす2001年HALは乱るる(素蘭) (12月1日 00時41分) 2607 > 極月のとく来たりては不意なりし余日を満たすよき術もがな(重陽) (12月2日 09時48分) 2608 > あと一枚となりし今年のカレンダー欄外のメモ一つずつ消す(ジャスミン) (12月2日 11時19分) 2609 > 2001 年極月あかるく始まりて希望といふ名を思ひつつをり(登美子) (12月2日 19時36分) 2610 > 選別の思想極まるユートピア〈GATTACA 〉ハウスのサプリメントな夜(素蘭) (12月2日 21時49分) 2611 > あまがつも四肢歓喜して跳ねつべしハリーポッター的奉祝図(堂島屋) (12月3日 19時13分) 2612 > 異界へと招かれやすき年らしいハリー11千尋10歳(素蘭) (12月4日 00時04分) 2613 > 十歳に戻ってみよう鍋底の墨はそのまま真っ黒くろすけ(登美子) (12月4日 16時50分) 2614 > 十歳にして歯科医に通ふ新しき永久歯ほど虫食ひやすき(堂島屋) (12月4日 18時45分) 2615 > 十歳は頭巾かぶって空仰ぎグラマンめがけ口でダッダッダッと(重陽) (12月4日 20時46分) 2616 > 六歳は国民学校一年生疎開の子だといじめられてた(ジャスミン) (12月4日 22時14分) 2617 > 苛めつ子世にはばかりて平成も苛められつ子はびこらむとや(素蘭) (12月4日 23時18分) 2618 > いじめっ子その親もかつていじめっ子げにいじめっ子の種は尽きまじ(ジャスミン) (12月4日 23時33分) 2619 > 香ばしき夕べの凪を尋ねきて焚きし葉の香のとりどりなるを(重陽) (12月5日 09時29分) 2620 > たもとほる當麻の寺の浄土園朽葉の香りしめやかに立つ(登美子) (12月5日 22時15分) 2621 > たもとほる野辺に凍て菊あはれなるきみが心の花にあらねど(素蘭) (12月5日 23時23分) 2622 > 在りしもの失せたるけふのあはれなるあしたに萌へむ惜しきもの(重陽) (12月6日 08時23分) 2623 > 電脳の空に浮かびし円盤のいらへぬ朝のさびしけるかも(素蘭) (12月6日 23時34分) 2624 > 宇宙船地球号にてさまよへる同胞繋ぐ電脳の網(登美子) (12月7日 06時25分) 2625 > 液晶の海より高く手を延べてSOSを発したる声(ジャスミン) (12月7日 11時22分) 2626 > 史上初SOSを打電せしタイタニック号いまだ深海(素蘭) (12月7日 19時37分) 2627 > 深海に大和よ眠れとこしへに眠りは魂を救ふべければ(登美子) (12月7日 22時57分) 2628 > 亡き人の遺灰を海に沈めるは海がみたまを救う故にか(ジャスミン) (12月7日 23時21分) 2629 > 黒潮は滔々流る水底に母父(おもちち)恋ふる霊をとどめて(素蘭) (12月8日 00時30分) 2630 > 海峡を渡る蝶あり谷底を睨む獅子あり人は夢食ふ(登美子) (12月9日 16時09分) 2631 > 「夢十夜」「こころ」「それから」「虞美人草」まためぐり来し今日漱石忌(ジャスミン) (12月9日 17時26分) 2632 > 口髭のじっと見つめる漱石に親しみつつも今日は忌日と(重陽) (12月9日 19時12分) 2633 > 草枕朧月夜にまとひたり蕪村句集の春の夜のごと(素蘭) (12月10日 00時35分) 2634 > 最終に飛び乗り旅に出でし日を思ひぬ古寺の静寂にゐて(登美子) (12月10日 09時38分) 2635 > 幕切れはいつもベルの音シンデレラ・エクスプレスは行つてしまつた(素蘭) (12月11日 00時07分) 2636 > ガラスの靴女はいつも探してるきっとあるわと大人になっても(ジャスミン) (12月11日 09時10分) 2637 > そのかみの魔女は灼けたる鉄の沓履きて踊りを踊らされたり(堂島屋) (12月11日 18時02分) 2638 > じりじりとやかるるトタン屋根の上マギーは何を見てゐたのだらう(素蘭) (12月12日 01時10分) 2639 > 豪雪に千歳空港閉ざされて二日も待つがみんな平穏(重陽) (12月12日 10時53分) 2640 > ゆくりなく吹雪に帰路をとざされしきみ今機上未だ千歳か(素蘭) (12月12日 19時21分) 2641 > 立ちんぼを暫し嘲る雪女郎“冬・JR・快適”の車内広告(重陽) (12月13日 09時53分) 2642 > 冬も菜の花咲くふるさと房州は山さへなだらに黒潮に入る(登美子) (12月13日 19時00分) 2643 > 季を問わず濃き茄子色の親潮は北の魚を抱く母なり(重陽) (12月13日 19時59分) 2644 > 波照間の珊瑚月下に生るるとき母となりたき子宮蠢く(素蘭) (12月13日 22時15分) 2645 > 太古まづいのちは海に抱かれぬ幾億年経てなほ母は海(登美子) (12月14日 19時37分) 2646 > 原始地球あまた光に溢れいづ混沌の海われもいだきて(素蘭) (12月15日 00時41分) 2647 > 遊びぢゃない暇つぶしぢゃない溢れ出るいのちのままに相寄るふたり(登美子) (12月15日 23時26分) 2648 > アマデウス言葉遊びにうつけども至福に満つる五線譜のうへ(素蘭) (12月15日 23時44分) 2649 > 口に出すときは終わりと知る故に押し込めている「好き」の二音節(ジャスミン) (12月15日 23時49分) 2650 > ホッチャレの白く流るる澪筋をシャケ黒々と遡りゆくなり(重陽) (12月16日 06時42分) 2651 > 〈訂正〉一筋の澪はありけむ深き昏き川隔つともきみと行くため(素蘭) (12月16日 20時40分) 2651 > 一筋の澪はありなむ深き昏き川隔つともきみとたどらむ(素蘭) (12月16日 20時38分) 2652 > たゆみなき足掻きは見えず水鳥の水脈はしずかに広ごりてゆく(登美子) (12月17日 18時52分) 2653 > 〈訂正〉白鳥となりし皇子あり羽曳野のかの陵にしづもりてをり(素蘭) (12月18日 01時06分) 2653 > 白鳥となりし皇子あり羽曳野のかの陵にしづもりてあり(素蘭) (12月18日 00時29分) 2654 > 愛し妻を抱くも旅空日の本にあまねく残る皇子の名あはれ(登美子) (12月18日 06時46分) 2655 > 考えてみれば殺戮東征の皇子を古事記の叙事詩といふも(素蘭) (12月19日 00時41分) 2656 > 寒風に実柚子の日ごと色なして湯に香りたつ叙情を待てり(重陽) (12月19日 18時25分) 2657 > 襲ひ来る寒気はむしろ小気味よし茜さしゆく東雲の空(登美子) (12月19日 19時22分) 2658 > 茜さす紫雲ぞ愛しけやし恙なき日のしるしと思(も)へば(素蘭) (12月20日 00時37分) 2659 > 寒雲の矢切の渡し寂しかり集ひし夏の賑はひし日を(重陽) (12月20日 05時19分) 2660 > 喧騒の街逃れ来て山茶花の白きがほっかり咲く垣に会ふ(登美子) (12月20日 17時16分) 2661 > 風花の舞ふ日御堂に置かれゐし白き棺も家族の歴史(素蘭) (12月21日 00時41分) 2662 > 遥かなるDNAに詩ありぬ我今ありて何処へゆくや(重陽) (12月21日 05時16分) 2663 > この刹那次の刹那に過去となり歴史の果てまで150億年(登美子) (12月21日 06時19分) 2663 > 訂正>一刹那刹那を歴史に組み入れて宇宙粛然と未来へ雪崩る(登美子) (12月21日 16時15分) 2664 > 完結と持続の誤差の曼陀羅はおとこおんなの永久の命題(ジャスミン) (12月21日 09時36分) 2665 > フェルマーの定理解かるる数式の美しかりき曼陀羅のごと(素蘭) (12月22日 01時05分) 2666 > 窓越しに錆びゆく木々の連なるを薄日の空にわれは楽しむ(重陽) (12月22日 11時17分) 2667 > 一筋の澪はあらまし深く昏くひとのこころに澱める河の(素蘭) (12月23日 10時37分) 2668 > まだ丸くなりたくないと石ころは早瀬の岩にぶつかって行く(登美子) (12月23日 17時25分) 2669 > 遮るものあると知りつつ退かず進むはわれの妙なサガなり(ジャスミン) (12月23日 18時19分) 2670 > 遮断機の向かうにきみは立つてゐる他人のかほをつくろひながら(素蘭) (12月24日 00時40分) 2671 > もっと前に逢っていればと君は言うが今逢うことがそれかも知れぬ(ジャスミン) (12月24日 16時04分) 2672 > 美しき言葉は過去の仮定形未然に深き悩み醸せり(重陽) (12月24日 18時56分) 2673 > 人間の言葉も煌めく聖夜なり 愛のささやき平和の祈り(ギオ) (12月24日 22時19分) 2674 > 恩寵とつひにはならぬわれの血の半ば遺さる聖誕の朝(素蘭) (12月25日 01時05分) 2675 > 年の夜へ七夜ばかりをたひらにとこの年の瀬はことに祈らむ(重陽) (12月25日 07時49分) 2676 > 歳晩の街にルージュの濃き少女ムンクの叫びも行き交いており(ジャスミン) (12月25日 10時53分) 2677 > フィヨルドの海にたなびく茜雲永遠の叫びに震へゐにしか(素蘭) (12月26日 00時51分) 2678 > 正義とふ暗雲地上を覆ひ尽くし孤絶の叫び興きては途絶ゆ(ギオ) (12月26日 01時32分) 2679 > 和魂(にきたま)と荒魂ありとふバリ人は諸神祀りてさきはひ満てり(素蘭) (12月27日 01時19分) 2680 > 八百万の神はいませど万葉の恋人ひたに母の目怖る(登美子) (12月27日 06時20分) 2681 > いとやすくケータイ番号かはしをり道行く人をたれと知りてか(素蘭) (12月28日 01時06分) 2682 > かりそめにきのふのゆふべWEBてふちまたに会ひてけふはメル友(登美子) (12月28日 18時41分) 2683 > 一つ身に複数の名を持ちおればネット人格なる不思議さも(ジャスミン) (12月28日 21時28分) 2684 > 電網は地球を覆ふ神経系 すでに<人格>備はりたるや(ギオ) (12月28日 23時08分) 2685 > 天網は恢恢なるや繕ひを忘れほころぶ一枚の布(素蘭) (12月29日 00時36分) 2686 > わが心もし凝らせなば蝋梅のほころび初めし色にかも似む(登美子) (12月29日 17時26分) 2687 > 訂正>蝋梅は危ふい造化の細工かな そつと触れたい春の恩寵(ギオ) (12月30日 00時52分) 2687 > 蝋梅は危ふい造化の細工かな そつと触れたき春の恩寵(ギオ) (12月30日 00時48分) 2688 > 世にあらむかたちに六つの花びらとなりて降りくるたまゆらの夢(素蘭) (12月30日 01時18分) 2689 > おほとしのともに卒寿の父母のすこやかなるを夢に見ばやと(重陽) (12月30日 11時20分) 2690 > またの世にさらぬ別れのなくもがな千代に八千代に祈りきつらむ(素蘭) (12月30日 11時59分) 2691 > 訂正>陽水の歌のごとくに母老いて人生一度でええわと笑へり(ギオ) (12月31日 00時41分) 2691 > 陽水の歌のごとくに老いた母 人生一度でいいと笑へり(ギオ) (12月30日 23時33分) 2692 > 青空を歌ひて悲し陽水の高き声音の吸はれてゆかむ(素蘭) (12月31日 01時01分) 2693 > 大年の過ぎたるほどの青天を凪の浜辺でひとり楽しむ(重陽) (12月31日 08時16分) 2694 > 年々に日の経つ速さ感じつつまた新しき年の始まる(ジャスミン) (1月1日 00時45分) 2695 > 皮ジャンの防寒コートに身を寄せし若き二人に浜の元朝(重陽) (1月1日 10時59分) 2696 > 小さきものみなうつくしや幸せのかけら集めて玉の緒に貫く(登美子) (1月1日 22時07分) 2697 > 玉の緒の絶ゆることなき言の葉のにぎははしけれあらたまの年(素蘭) (1月2日 00時07分) 2698 > あまたなる言の葉あれどわがまつはいまは沙汰なき君が言の葉(重陽) (1月2日 06時41分) 2699 > いにしへの栄華の跡の公園にただ松風が渡る元朝(登美子) (1月2日 20時00分) 2700 > わたくしに出来るところのひとつひとつ些末なること喜びとして(しゅう) (1月2日 23時03分) |