3101 > 築山のこんもりとした植え込みのにほい立ちたる躑躅の中に(蘇生) (5月16日 04時57分) 3102 > ふつふつとたぎる心を鎮めかね見やれば躑躅は火の色に燃ゆ(登美子) (5月16日 20時36分) 3103 > やは肌の下の灼熱しづめては生命育む母なる、星は(ぎを) (5月16日 23時06分) 3104 > 新しき星の生るるや沈丁の花の香満る紫微垣(しびえん)の闇(丹仙) (5月17日 07時41分) 3105 > 初夏の光のすべる茅の葉に七星天道虫の恍惚(たまこ) (5月17日 08時52分) 3106 > 近づくは「スター・ウォーズ」の幕開きぞ燃ゆる悲恋に涙ときめく(ぽぽな) (5月17日 10時52分) 3107 > 幕開くとて燃ゆる日の怨めしき十連敗の星の軍は(浜きち) (5月17日 20時55分) 3108 > 森陰にひそみ咲けども十薬の白き十字は闇をあざむく(登美子) (5月17日 23時08分) 3109 > 十薬の花の咲きそむ根津の谷、夢見の流れや暗渠の川は(ぎを) (5月18日 00時48分) 3110 > 垣間見ゆ川の流れに近づけば遊ぶ童が光り輝く(綺澄) (5月18日 03時19分) 3111 > 窓の外明るく過ぐる幾波にも黄色の傘の登校の子ら(蘇生) (5月18日 05時22分) 3112 > ミッキーもミミーも居るよ舞浜の駅は色とりどりの風船(丹仙) (5月18日 15時18分) 3113 > 鏡なすあちらこちらの水たまり虹おのおのに麗姿を見つむ((ぽぽな) (5月18日 21時59分)3114 > 魚になる夢を見るよに雀の子小首かしげて水浴び始む(登美子) (5月18日 23時34分) 3115 > そこかしこ土手道うがつ潦ふめば痛いと顔を出す河童(ぎを) (5月18日 23時38分) 3116 > 河童忌に河童落ちたる梓(あずさ)川 あわれに眺む河童橋かな(ぽぽな) (5月19日 03時30分) 3117 > 尻子玉抜かれちゃならぬと猛特訓はれて卒業かなづちの日々(綺澄) (5月19日 04時27分) 3118 > そそくりし四十五年のなりはひをおさめあしたの望みおはばや(蘇生) (5月19日 07時18分) 3119 > 桃李(ももすもも)七部に納め刊行の画餅(わひん)に生きむけふのこの日を(丹仙) (5月19日 13時06分) 3120 > 短夜に七部集など紐解きてのっと日の出を拝む江ノ島(蘇生) (5月19日 14時32分) 3121 > 丘ひとつ埋める微塵の家々の人のくらしに朝日がのぼる(たまこ) (5月20日 08時32分) 3122 > 一吹きの塵こそ神に等しけれ有りて有るもの朝日に舞ひし(丹仙) (5月20日 14時52分) 3123 > 獣の棲む下界に墜ちし神の樹に今宵も天ゆ雷電下る(ぎを) (5月21日 00時21分) 3124 > 二組の母子の間にワイン酌む弾む会話に今宵楽しき(蘇生) (5月21日 05時10分) 3125 > 孫抱く母の唄へる子守歌とほき記憶に吾もまた聞けり(丹仙) (5月21日 09時59分) 3126 > 汝は誰ぞ雨の音符を陽につむぐそれが五月と風答ふなり(かのん) (5月21日 20時11分) 3127 > うすもも色の花を五月の空へ向け浜ひるがほは光の漏斗(たまこ) (5月21日 22時11分) 3128 > 五月闇潮のごとく蒼ければ月はしづくを灯して渡る(登美子) (5月21日 23時44分) 3129 > 五月雨や久方ぶりの訪れに緑湧き立ち土謳い出す(ぽぽな) (5月22日 01時12分) 3130 > 満月の照らす岩根の傍らの森に眠れり、東京の鴉(ぎを) (5月22日 01時43分) 3131 > 暗闇の外套つけて今日もまた光求めて彷徨う旅人(綺澄) (5月22日 03時30分) 3132 > ぬばたまの髪に波音刻めども空はまぼろし海はまぼろし(かのん) (5月22日 09時23分) 3133 > つくづくと空眺むれどたまゆらに見しおもかげの胸にたゆたふ(登美子) (5月22日 10時36分) 3134 > 玉響のおもかげなれば空におき折々のうた風に託さむ(かのん) (5月22日 11時44分) 3135 > その声に水面を揺らしまなざしに紅に染む我は海なり(ぽぽな) (5月22日 23時07分) 3136 > 鰭のない私はさかな霧青くうづまく街に方位失ひ(たまこ) (5月23日 08時16分) 3137 > 菜単をみれどチンプンカンプンで清蒸桂魚てふさかなを頼めり(丹仙) (5月23日 21時27分) 3138 > UFOやなんじゃもんじゃやカンガルー不思議の尽きぬ世ぞおもしろき(登美子) (5月23日 23時10分) 3139 > 不思議の樹なんじやもんじやと尋ぬれば主こそなんじやと木霊の声す(ぎを) (5月23日 23時24分) 3140 > そんなこと言ってるうちに仙人の木から落ちたる故事在りしとか(茉莉花) (5月24日 01時13分) 3141 > 燃え上がるみどりその樹につつまれて梟もまた黄泉かへりたり(丹仙) (5月24日 07時59分) 3142 > 木漏れ日に小枝を抱く蛹ありいつか飛ばむと夢も抱くか(ぽぽな) (5月24日 10時14分) 3143 > 初夏の中洲は萌黄のステーションやがてここより発つゆりかもめ(たまこ) (5月24日 11時14分) 3144 > いにしへを偲ぶよすがを橋の名に残す大川ゆりかもめ飛ぶ(登美子) (5月25日 06時08分) 3145 > くねくねとビルをぬひゆく「ゆりかもめ」ブリッジゆれてゆりかもめ追ふ(蘇生) (5月25日 08時10分) 3146 > とうすみの小さき吐息触れたるや恋の浮橋ゆらりゆらりこ(やんま) (5月25日 08時16分) 3147 > 小さき手は吾が手の内に小さき手は天をさしたり横断歩道(かのん) (5月25日 10時29分) 3148 > むらさきに染まりし指よ妹が摘む桑の実満てり小さき帽子に(丹仙) (5月25日 11時56分) 3149 > 桑の実を手に跨ぎたる枝間より機銃掃射のグラマンの人(蘇生) (5月25日 19時23分) 3150 > 初夏の夕べ街の語らひ息絶えて静謐つんざく戦闘機かな(ぎを) (5月25日 23時25分) 3151 > 気がつけば胸を貫くクピドの矢 ときめき走りて夏始まりぬ(ぽぽな) (5月26日 00時04分) 3152 > 薄ものに肌を曝せる娘らの若さ羨しく夏はじまりぬ(茉莉花) (5月26日 09時53分) 3153 > ベル鳴りて冬を残せし二の腕のわが頬かすめ吊り輪に向かう(蘇生) (5月26日 17時05分) 3154 > 乙女らの奢りの春も昔にて女の四肢に挑まるる夏(ぎを) (5月27日 01時42分) 3155 > あまがえる水はじく肌うらやまし雨上がりには共に泳がん((綺澄) (5月27日 04時04分)3156 > 羊歯の玉ゆるり解けゆき雨粒は太古の水の夢につらなる(かのん) (5月27日 09時59分) 3157 > さまざまな紆余曲折をみせながらガラス窓を下る雨の粒つぶ(たまこ) (5月27日 11時56分) 3158 > 天蓋に拍手の如き雨つぶのありて六月花嫁迎ふる(丹仙) (5月27日 20時05分) 3159 > 梅雨の夜を戻りて一間のアパートに君の短き文読みかへす(登美子) (5月27日 23時19分) 3160 > 君の文ふりみふらずみ待ち待ちて水面の月の影となるかな(かのん) (5月28日 08時34分) 3161 > もうおまへは雨に還つたのだらうか両肩を包むやうな雨音(たまこ) (5月28日 23時21分) 3162 > 窓を打つ雨音闇に聞きながら青空夢見るてるてるぼうず(ぽぽな) (5月29日 00時21分) 3163 > 晴れたならいいね、否否(いないな)晴らさねば てるてる坊主になつてしまはむ(たまこ) (5月29日 05時13分) 3164 > ちはやぶるはたた神なる饗宴は連戦なるとも衰ふ気もなし(蘇生) (5月29日 05時22分) 3165 > 羨しきは日ごととどろくはたた神誰を恋ふとてさは名告るらむ(登美子) (5月29日 09時07分) 3166 > 雷(いかずち)は時計仕掛けのバネち切り眠る野性を突き起こす((ぽぽな) (5月30日 01時00分)3167 > 誰が為光り輝く春の夜に神の鉄槌雄叫びとともに(綺澄) (5月31日 03時36分) 3168 > 黄金色に光るさみしさ荒れはてし島の畑のたははの蜜柑(たまこ) (5月31日 19時31分) 3169 > 風に舞ふ花と見紛ふ 水下ふ赤よ金よと翻る魚(うを)(ぽぽな) (5月31日 23時46分) 3170 > 東雲の雲か海かの水平に啓示のごとき光ありなむ(蘇生) (6月1日 08時40分) 3171 > 水平線の果てには灯りがあることを思へよ決して独りではない(たまこ) (6月1日 11時45分) 3172 > 古池に飛びし蛙は今もなほ軽やかに越ゆ時の地平を(丹仙) (6月1日 16時22分) 3173 > 言の葉は青葉若葉と萌え出でて果てなき命の地平を語る(ぽぽな) (6月2日 03時35分) 3174 > 生命の相寄る力に抗ふを我ら悲しく愛恋といふ(ぎを) (6月3日 01時23分) 3175 > ものなべて激しく醸すときをへむ待つなむときを熟し成るまで(蘇生) (6月3日 09時26分) 3176 > 時はいま一途に青き梅の実を琥珀に醸すべく始まりぬ(登美子) (6月4日 06時12分) 3177 > ‘61 なる類い稀なるヴィンテージ熟し成りたりテロアを想ふ(蘇生) (6月4日 09時41分) 3178 > 影長く旅の途中に振り向けば夕焼け琥珀に陽を宿しゆく(ぽぽな) (6月4日 10時14分) 3179 > 紫の朝焼けそして残照のシベリアいまだ我が胸にあり(茉梨花) (6月4日 10時48分) 3180 > 山小屋の灯りを胸に点したいさみしいさみしい夏の予感す(たまこ) (6月4日 21時11分) 3181 > さまざまに過ぎし夏の日、下腹に熾火のごとき淋しさ有りて(ぎを) (6月5日 01時18分) 3182 > 駆け抜けた少年の恋夏の日は日焼けの跡をひりひり残し(登美子) (6月5日 07時46分) 3183 > 淋しさに千里を駈けて来たと言ふまだ君は此を恋と知らずに(ぽぽな) (6月5日 08時32分) 3184 > いつのまに吾が名三文字で呼ばれをりさんを何処へ君隠したる(かのん) (6月5日 17時58分) 3185 > 様は無く、さん、君、ちゃん、も無しがいい呼べば親しき二文字三文字(蘇生) (6月5日 19時09分) 3186 > タイムトンネル揃つてくぐる同窓会ふるさと訛にたちまち戻り(たまこ) (6月5日 20時57分) 3187 > この小径抜けてみようか桑の実の熟れる野原に飛び出せそうな(登美子) (6月6日 06時37分) 3188 > ちょっとだけ遠まわりしてみようかなミモザ手招く横道小道(ぽぽな) (6月6日 10時19分) 3189 > 鳥飛べば鳥の如しと天心の老師脇見の雁となりけり(丹仙) (6月6日 23時40分) 3190 > 低空に群をなしたる浜鳶は子の手の菓子を将に襲うぞ(蘇生) (6月7日 09時00分) 3191 > 電線に十羽あまりの鳶のゐて討ち入り前の整列のやう(たまこ) (6月7日 10時41分) 3192 > いとほしやビルの木立を縫ふ鳥よ我も進まむ颶風を切りて(ぽぽな) (6月8日 01時25分) 3193 > ビルとビルに挟まりて小さき民家あり窓に真白きカーテンを閉め(たまこ) (6月8日 07時41分) 3194 > 並び立つ乾いたビルも百色の公園(パルク)の緑に窓潤せり(ぽぽな) (6月9日 00時03分) 3195 > 自分で自分をなぐさめたい日の食卓は萌え出るやうな緑のクロス(たまこ) (6月9日 07時15分) 3196 > 大きめの紅茶カップにアールグレイ満たして一人のティータイム流る(茉梨花) (6月9日 08時16分) 3197 > 初勝利ブルーが燃えしW杯今宵仏(ほとけ)も甘露に酔ふらし(ぽぽな) (6月10日 05時59分) 3198 > 首相までメガホン持つて「燃えたなあ」なにかおそろし熱狂列島(たまこ) (6月10日 14時29分) 3199 > 混とんの世にFIFA2002げに虚ろなむとき過ぎゆけば(蘇生) (6月11日 04時24分) 3200 > 川べりの恋の蛍にことよせて虚しきときを過ぐしつるかも(登美子) (6月11日 05時48分) |