3201 > 夢の世にまたも夢みむ沢蛍袋に満つる川波の影 (丹仙) (6月11日 11時18分) 3202 > 沢蛍を囲ふわが手を君の手が囲ひしかの夜が始まりでした(たまこ) (6月11日 19時34分) 3203 > 包まれてゐる安らぎがせつなくててのひらの砂固く握りぬ(登美子) (6月11日 20時15分) 3204 > 手をとりて砂浜歩みし日を憶へば白鳥(しらとり)ぞ なほ碧(あお)に舞ひたる(ぽぽな) (6月12日 10時22分) 3205 > 手のひらにグラスの青を映らせて壮年を渉りゆく君の酒(たまこ) (6月13日 09時38分) 3206 > 手造りと買ひしグラスは空の蒼あふるる雲にくちづけの宵(かのん) (6月13日 10時58分) 3207 > 群青の宵はこの手も染めにけり残されしものクリスタルの灯(緋燕) (6月14日 13時06分) 3208 > せいたかの向日葵畑を駈けゆくは きらりきいらりおさな子の声(ぽぽな) (6月15日 10時22分) 3209 > せいたかのひまわりの実の黒々とアンダルシアの果てなき地平を(蘇生) (6月15日 14時17分) 3210 > 夢の世に今も夢見む赤い城アルハンブラは故郷を想ふか(ぽぽな) (6月16日 03時24分) 3211 > 明け方の雨に手足の冷えながら「夢ではない」とわれはつぶやく(たまこ) (6月16日 09時41分) 3212 > 梔子の語らぬおもひ秘めかねて香をこそ放てさつきの闇に(登美子) (6月17日 10時23分) 3213 > 行く先も何が待つかも知らぬまま香に導かれ闇の道行(緋燕) (6月17日 10時44分) 3214 > 赤信号の度におもひはつのりつつ夜の海へと車走らす(たまこ) (6月17日 20時56分) 3215 > 信号の三つの色の点滅にわが人生の来しかたを見つ(蘇生) (6月18日 04時17分) 3216 > ひたすらに石火打ちたるF1(エフワン)の猛るエンジン閃光の如(ぽぽな) (6月18日 04時36分) 3217 > 真紅なるフラッグうねりてモナコ夏F1の火の揺るがす中に(蘇生) (6月18日 05時24分) 3218 > セナといふ天才ありきサーキットに神と出逢ひて召されしといふ(ぎを) (6月18日 23時23分) 3219 > 峠には神坐すらしエンジンの低きうねりに笑みつ嘆きつ(かのん) (6月19日 09時49分) 3220 > 夕立ちのしぶきにむせぶ高速に君をおもひてアクセル踏みぬ(ぽぽな) (6月19日 10時00分) 3221 > 夏の雲にむかつてはしるドラえもんの四次元ポケットほしい二人は(たまこ) (6月19日 11時03分) 3223 > 発ちたいと切に思えど足は地に案内の雲においてゆかれて(緋燕) (6月19日 18時35分) 3224 > 草繁る地球に背中くっつけて水色宇宙に放つぞ心(ぽぽな) (6月20日 10時09分) 3225 > 刻々と色を織りなす潮目をば魚の心で好むはやわが(蘇生) (6月21日 09時57分) 3226 > 鳥博士に恋する友のブローチのミミズクの目のつぶらなブルー(たまこ) (6月21日 16時26分) 3227 > 小さな木に六羽とまりてスズメの木チュチュンチチチチもすこしあそぼ(ぽぽな) (6月22日 05時56分) 3228 > 小鳥らの声はすれども欅の木わずかに揺れる枝のみ見せる(緋燕) (6月22日 09時20分) 3229 > ポプラ並木の梢をわたりゆく風を追いかけてゆく光の粒子(たまこ) (6月22日 22時06分) 3230 > 北国の遅々なる春を待ちきれず緑したたる初夏は来にけり(蘇生) (6月23日 07時21分) 3231 > 遥かなる君恋ふ思ひに乗らましかば すぐ会わましを光を抜きて(ぽぽな) (6月24日 07時28分) 3232 > 名を問わば無きと答へむ君呼べば新たしき名の新たしき吾(かのん) (6月24日 11時43分) 3233 > 三無主義と呼ばれて久し新しき波青く立てニッポン2002(登美子) (6月24日 23時10分) 3234 > 早苗田のさみどりにふる細い雨がんばれがんばれおたまじやくしら(たまこ) (6月25日 07時42分) 3235 > 村雨の一降りごとに鮮やかに石段照らせり紫陽花(あじさい)の花(ぽぽな) (6月25日 10時03分) 3236 > 雨が好きそれは違うわ紫陽花は涙を紛らせたいだけなのよ(登美子) (6月25日 18時39分) 3237 > きざはしの古きついりてしづけしく幾年ほどのついりを経るや(蘇生) (6月25日 19時09分) 3238 > 高き丘に君と登れば谷の夏山河光りて帰郷を祝ふ(ぽぽな) (6月26日 23時50分) 3239 > 梅雨の雨にこもる谷間の赤い屋根のちひさな園舎にこどもらの声(たまこ) (6月27日 20時45分) 3240 > 昨日まで差したる赤い傘干せば風のまにまに歓声きこゆ(緋燕) (6月28日 12時31分) 3241 > 長城は蛇腹の如し くねくねと吾を迂回して ポーズする 后現代の中国娘は(丹仙) (6月28日 14時40分) 3242 > 不可知(ブークォチ)謝謝(シェシェ)再見(ツァイツェン)歓迎(ファンニ)にわれらのことばの来しかたを見つ(ぽぽな) (6月29日 04時11分) 3243 > 海の徳あつめて懐く白頭の翁なるかな大学に熱烈歓迎旗の靡く(丹仙) (6月30日 18時31分) 3244 > 湧き立ちし柿田の水の永久なるか不二なるものはゆかしき君か(蘇生) (6月30日 18時41分) 3245 > 沢水に汗鎮めつつ辿る道槍の穂はるか雲上にあり(登美子) (7月1日 23時04分) 3246 > 墓碑銘に雲に居ますと刻みたる友訪ね来し夏果つる日に(やんま) (7月1日 23時20分) 3247 > 公園の丘に聳ゆる方尖碑(オベリスク)太陽神(ラー)の玉座をしっかと指さむ(ぽぽな) (7月2日 02時09分) 3248 > 異境にも健気に立てど忘れ得ぬ故郷に何れの日にか帰らむ(緋燕) (7月2日 12時33分) 3249 > わが地球FIFA一色の時過ぎて空中衝突の報せありたり(蘇生) (7月2日 19時34分) 3250 > 流されてゆくしゃぼん玉悔いのない別れといふができるだらうか(たまこ) (7月3日 20時14分) 3251 > さへづりといふには切なき声をして空ゆく鳥よ西へ向かふか(登美子) (7月3日 21時41分) 3252 > 西の果て美国と綴らるその国は独立謳ふやなほ高らかに(ぽぽな) (7月4日 09時59分) 3253 > 西の果てを思へば浮かぶ笑顔ありて「大丈夫だよ」と声も聞こえる(たまこ) (7月5日 11時28分) 3254 > 西域の洋上はるか台風の余す高波に強きを推しぬ (蘇生)(7月5日 12時13分) 3255 > インド洋に吾が艨艟の働ける無事に戻れと日々祈りおり(東夷) (7月5日 14時17分) 3256 > キッチンの窓から飛ばすしゃぼんだま弾けるならばわたつみの上(たまこ) (7月5日 23時43分) 3257 > 潮風よな吹きそ吹きそ吾が涙隠す黒髪ああそのままに(ぽぽな) (7月6日 01時27分) 3258 > 黒髪に露置くまでも待ちぬべしけふはな荒れそ天の川波(登美子) (7月7日 18時21分) 3259 > 鵲の翼よ渡せ橋間より燈籠流す天の河岸(丹仙) (7月7日 21時24分) 3260 > 四面より山覆ふともみすずかる信濃の竜巻き乗れ風雲に(ぽぽな) (7月8日 07時07分) 3261 > 空限る墨描く如き夏富士は台風一過の雲を見遣りぬ(蘇生) (7月8日 07時28分) 3262 > 透きとおり輝く熱い風を受け緑の山は青空にあり(緋燕) (7月8日 10時50分) 3263 > 山道にしたたる青葉くぐりたるあな夏暖簾あな日の光り(ぽぽな) (7月9日 10時00分) 3264 > 白朧の平らき空をカンバスに梅雨夕焼けが紅さしはじむ(蘇生) (7月10日 12時55分) 3265 > 真夏日や美術学生運びたる裸体の像の羨ましきよ(ぽぽな) (7月11日 06時28分) 3266 > ケイタイの電池の切れる金属音ああ暑い暑い夏になりさう(たまこ) (7月11日 15時38分) 3267 > 火の鳥の羽根の色してカンナ咲くついて来るなら覚悟をおしよ(登美子) (7月11日 19時54分) 3268 > 煮えたぎり覚悟を迫る我が血潮すべて敗北だったのだから(緋燕) (7月13日 10時40分) 3269 > はかな立つ紫露草つぶやけり夕べの夢の消えて散るまで(ぽぽな) (7月13日 23時40分) 3270 > 朝顔の閉づることなき夢もあれ葡萄酒尽きぬ婚宴の席(丹仙) (7月15日 22時45分) 3271 > 朝顔の音を聞かむとつとめてのあとずさる闇ひきとめもせで(かのん) (7月18日 09時00分) 3272 > 歌思ふ心覚へて初夏は色の香味の音陶酔の峰(ぽぽな) (7月19日 06時45分) 3273 > 沖目よりうねりてすだく高波の岩にくだける音ぞ百様(蘇生) (7月19日 20時45分) 3274 > ほとばしるそそぐあふれるわきあがる水は子達をとたんに開く(ぽぽな) (7月22日 22時10分) 3275 > ほっそりと腕に搦んでひんやりと骨を冷やして夏の幸せ(緋燕) (7月23日 18時47分) 3276 > 記録的な暑さ続きに駅前の欅の大樹の影ほそりゆく(たまこ) (7月25日 13時56分) 3277 > 地下鉄の二駅のみの夕立哉ひたいの汗を風さらひ行く(ぽぽな) (7月26日 06時50分) 3278 > 四五発の五臓六腑へ大花火たちまち夕べのしじまとなりぬ(蘇生) (7月27日 05時30分) 3279 > 君の目に浮かびし色は紅の短夜に咲く打ち上げ花火(ぽぽな) (7月30日 01時52分) 3280 > 片影の失せし十字で立止まり思い違わぬ人と見合いつ(蘇生) (8月1日 08時15分) 3281 > 真夏日のゼブラゾーンを渡りつつ影より薄い私と思ふ(たまこ) (8月2日 18時05分) 3282 > 夏の日の白きヴェールの高空に鳶の一羽が天になりをり(蘇生) (8月4日 17時34分) 3283 > 独身のままにて逝きし叔母の忌の8月6日また巡り来る(茉莉花) (8月5日 08時12分) 3284 > ゆつたりと稲田の緑が波打ちて護り続けてゆきたい景色(たまこ) (8月7日 22時46分) 3285 > 立秋と知りて誰ぞが吹き寄こすおなじ昨日の山の涼風(蘇生) (8月8日 05時07分) 3286 > 葉月来て祈りに満ちたる我が国に暫し帰らう澄む空抜けて(ぽぽな) (8月8日 10時00分) 3287 > 涼しげに宙に舞いたる鳶二羽われらが炎暑あざ笑うかに(蘇生) (8月9日 18時19分) 3288 > 炎天に勁き草なる大文字火焔となりて夜の如意岳(重陽) (8月14日 09時15分) 3289 > ひとたびはわが夢に立て亡き魂の帰るなる夜の迎火を焚く(登美子) (8月14日 19時36分) 3290 > 高波に洋上遥か台風の猛き自然の理を知る(蘇生) (8月18日 15時12分) 3291 > 青簾生きてもどりし日も揺れて深き軒端に母老いたまふ(堂島屋) (8月20日 20時26分) 3292 > いまよりは継ぎて通はせ深草野鈴ふる虫の音は離るれども(登美子) (8月21日 21時31分) 3293 > 虫の音に同じからずやこの秋は万感ありて兆す何かを(蘇生) (8月24日 08時12分) 3294 > 摂理てふ言葉噛みしめ吾の行く無月の道に桔梗蕾めり(丹仙) (8月26日 11時21分) 3295 > 炎天に黙するやうに色なせる百日紅は日々にあたらし(蘇生) (8月27日 10時55分) 3296 > 秋風の立つといへどもゆらゆらに揺るる百夜の夢浅からず(登美子) (8月28日 07時18分) 3297 > 遠吠への犬の声に似て窓が鳴る八月尽日台風近し(たまこ) (9月2日 22時24分) 3298 > 偲びつつアンペリアルのラトーゥルをグラスに満たす八月尽の夜(蘇生) (9月1日 13時38分) 3299 > 車窓より見渡す秋桜ゆうらゆら共に揺るるや鈍行の旅(ぽぽな) (9月1日 22時52分) 3300 > 遠ざかる姿ぼわっとふくらんで身を揉むように疾駆す「ひかり」(登美子) (9月3日 16時32分) |