3501 > 冴ゆる月の満ちたる姿映したる高き小窓ぞ街照らしたる (ぽぽな) (11月20日 07時00分) 3502 > 小窓から暗きシベリヤ見下ろせば東かすかに帰る実感(蘇生) (11月20日 07時17分) 3503 > 冬河に戻りし千羽のゆりかもめの中にをらぬか逝きし妹(たまこ) (11月20日 14時12分) 3504 > 枕辺にすゑたる鶴の旅だたねひかりながるる見晴の空に(素蘭) (11月21日 01時20分) 3505 > 千羽鶴 Engine No.5(消防5部)の軒先に子らの祈りと冬晴に映え(ぽぽな) (11月21日 05時05分) 3506 > 朝焼けに羽ばたく鳥の姿にも千羽鶴にも見えし冬雲(蘇生) (11月21日 07時28分) 3507 > 秒針の音を聞きをりいづこへか飛びゆく夢の途中に覚めて(たまこ) (11月21日 15時19分) 3508 > 薔薇をつむかなしき手と手あらはれぬ現世忘れゆく二十五時(素蘭) (11月22日 00時39分) 3509 > 糠星の狭間に揉まれ屑となり 闇から戻り 爪に星ひとつ(ぽぽな) (11月22日 10時55分) 3510 > 爪の星は何の兆しか「人生はお好み焼き」とテレビが歌う(たまこ) (11月23日 07時26分) 3511 > 闇鍋かお好み焼きか知らねども蓼食ふ虫のかくこそありけれ(素蘭) (11月23日 23時26分) 3512 > 暮迅しバス待つ角に柔らかきお好み焼きの風が流れて(蘇生) (11月24日 05時06分) 3513 > 善し悪しはお決め下され拙者めの歌の横好きまだまだ続き(ぽぽな) (11月24日 10時25分) 3514 > 歌詠みに横好きならぬ縦好きも楽しみ召され評定なんぞは(蘇生) (11月24日 14時44分) 3515 > 縦のもの横にするがに時折は些細に視点変ゆる大切(素蘭) (11月24日 20時11分) 3516 > 真つ直ぐに魚眼レンズの中に立ち終末世界を説く男あり(たまこ) (11月24日 22時52分) 3517 > 預言者は怪魚に呑まれ三日三晩夜な夜な願ひて蘇りけり(ぽぽな) (11月25日 06時26分) 3518 > 旬なれば怪魚もへちまも美味かろう吊るし鮟鱇つとに美くし(蘇生) (11月25日 07時35分) 3519 > 美しいドライフラワー作るため真紅の薔薇を逆さに吊す(たまこ) (11月25日 21時10分) 3520 > 美しき薔薇に棘ありさりながら美しからぬわれに棘あり(素蘭) (11月25日 23時36分) 3521 > をりとりて冷たき針に温かき血潮つたひぬ薔薇より赤く(ぽぽな) (11月26日 05時01分) 3522 > 若者はたぎる血潮を持て余す解き放つべし閉塞の世を(素人) (11月26日 17時43分) 3523 > はてしなき議論の後の一碗のココアほろほろ苦く甘かり(素蘭) (11月26日 23時39分) 3524 > 空論を重ねて実り少なきを嘆くポーズに砂噛む想い(素人) (11月27日 01時01分) 3525 > 空つぽになつちまつたぜ酒瓶をいちにいさんしと数へけり(ぽぽな) (11月27日 07時23分) 3526 > 空っぽの酒瓶逆さに庭に埋め花壇の区切りぞ許せ女房(素人) (11月27日 10時35分) 3527 > 花畑に向こうをむいてかがむ人短歌を作つてゐるかもしれぬ(たまこ) (11月27日 12時21分) 3528 > 冬耕の畑にあれこれ想いつつ残り少なき壁の日めくり(素人) (11月27日 12時39分) 3529 > リニューアルの住まいながらの工程を寸分乱さぬ職人仕事(蘇生) (11月27日 18時11分) 3530 > 衣食住足りて礼節知るという儒教の教え影を薄くす(素人) (11月27日 23時46分) 3531 > 言ふは易く行ひがたき性なれど無為自然とふ道のほのぼの(素蘭) (11月28日 00時59分) 3532 > 花は咲き鳥は飛ぶやうに人は恋ひ月をしたがえ地球はめぐる(ぽぽな) (11月28日 11時14分) 3533 > 人恋ふる想い高まる冬の夜はココアすすりて短歌を作る(素人) (11月28日 12時18分) 3534 > きみならでたれにか見せむ初冬の空にいもせの虹かかりしを(素蘭) (11月29日 00時57分) 3534 > はにかめる汝の笑顔を思ひ出す今年も汝の冬薔薇が咲き(たまこ) (12月2日 18時15分) 3535 > まだらにてはにかむような秋のいろ森はやがては光をまとう(蘇生) (12月2日 20時03分) 3535 > 冬の虹出でて何おか暗示する暗雲を背に彩きわだてり(素人) (11月29日 10時56分) 3536 > いい冬が来る予感する緋めだかがガラスの鉢にきらきら泳ぐ(たまこ) (11月29日 15時26分) 3537 > 緋めだかの明日の夢は翼得て宙へ羽ばたく銀河の果てへ(素人) (11月29日 17時40分) 3538 > どの駅に降りても銀河鉄道の旅人はまたふるさとめざす(登美子) (11月29日 23時03分) 3539 > 刀折れ万策尽きし吾になほふるさとの山ふるさとの川(素人) (11月29日 23時48分) 3540 > 夢はいつも帰りゆきなむ追分に凍みこほりたるのちのおもひに(素蘭) (11月30日 00時43分) 3541 > 凍つるほど浅間の肌はなほ青く 煙る吐息はなほ白くあり(ぽぽな) (11月30日 09時14分) 3542 > 浅間嶺を越えんとせるかな雁の列吾は独りぞ落葉松の道(素人) (11月30日 10時09分) 3543 > からまつの林を過ぎてからまつの韻(ひびき)幽けしかそけきゆふべ(素蘭) (11月30日 15時28分) 3544 > 坦らかな遥か点なる直線の落葉松の並木道行く(蘇生) (11月30日 19時02分) 3545 > 電飾の光華やか並木道若者集ふ原宿の街(素人) (11月30日 21時03分) 3546 > 風花の舞へる峠に歩を急きて君待つ街の空に踏み入る(やんま) (11月30日 22時08分) 3547 > 歳末の大売り出しの五番街ヒト科ヒト属怒濤のごとく(ぽぽな) (12月1日 01時01分) 3548 > クリスマス商機迎へるティファニーに群れる若者何故に若者(素蘭) (12月1日 01時59分) 3549 > 昼下がりランチョン盛るレストラン集くミセスの何故に溌剌(蘇生) (12月1日 05時24分) 3550 > 集ふ場所見つける才にたけたればヤングミセスのトークは続く(素人) (12月1日 15時23分) 3551 > 公園デビューなる項目のあらはれて肥大化する育児マニュアル(素蘭) (12月2日 00時28分) 3552 > 乳母車に一対の子を乗せ坂を押しあがらんとうら若き母は(蘇生) (12月2日 06時10分) 3553 > 乳母車赤子の笑顔は変わらねどマニュアル世代を父母に持つ子よ(素人) (12月2日 09時26分) 3556 > つはぶきの黄はひかりいろ石の間にだんまりだまりひともしをりぬ(素蘭) (12月3日 00時34分) 3557 > おとなしき鈴にはあれど鈴掛の小鈴戯る風を誘ひて(ぽぽな) (12月3日 07時03分) 3558 > 枯れ柏遊び足らぬと風誘ふ乾きし音の樹より降りくる(素人) (12月3日 08時51分) 3559 > 光りつつ楓の枯れ葉が舞ひ落ちる冬空からの手紙のやうに(たまこ) (12月3日 09時44分) 3560 > 舞い香るしなやかな肢体ダンサーは喜び怒り哀しみの世を(素人) (12月3日 10時39分) 3561 > 月隠(つごもり)の吾の心の色映せ喜怒哀楽を能面に聴く(ぽぽな) (12月3日 11時37分) 3562 > 奥深く秘めたる想いの現れる無表情なる能面ゆえに(素人) (12月3日 12時44分) 3563 > 老い成りてすでに失せたる表情の眼の奥に性を宿せり(蘇生) (12月3日 19時14分) 3564 > 文と文のあはひに生るるみづからに笛吹きやれば目覚めしわれは(素蘭) (12月4日 00時30分) 3565 > 老いなりてあはひに母は母をぬぎ老いとげなむと独りあはいに(蘇生) (12月4日 05時40分) 3566 > 恋文の痛く語るは行間の文字無き言葉か涙の跡か(ぽぽな) (12月4日 07時57分) 3567 > 行間に託す想いのあらばこそ若き人らを飛び交う写メール(素人) (12月4日 09時08分) 3568 > 人知れず想ふ人こそいとしけれ夜半の雪見つひとり文書く(冬扇) (12月4日 10時52分) 3569 > はにかみつ想いの丈を吐露したる君の眼差し打たぬものなし(素人) (12月4日 12時27分) 3570 > 朝まだき早や去(い)なんとぞする君の髪の乱れのなつかしきかな(冬扇) (12月4日 13時29分) 3571 > 黒髪を異国の人にほめられし日を懐かしむ鏡の前で(茉莉花) (12月4日 15時36分) 3572 > 老いの日のかくも早うに来にけるをうらみにけふは紅を濃くして(冬扇) (12月4日 15時51分) 3573 > 熱き日の記憶のあればいたづらに老いのいまをば嘆きたまふな(茉莉花) (12月4日 16時49分) 3574 > さりとても末を契りしかの君の心離るをいかにとやせむ(冬扇) (12月4日 17時59分) 3575 > 追えば逃げ逃げれば追うが人の性大樹のごとく気高く立てよ(茉莉花) (12月4日 18時28分) 3576 > いかにしても千々に乱るる吾がこころ恋は女の命なりせば(冬扇) (12月4日 18時47分) 3577 > 戻り来る君の足音待ちながら夜には鋭くなるわれの耳(たまこ) (12月4日 21時23分) 3578 > 気多の海堺の海の遠鳴りに耳をすまさむわれも海賊(素蘭) (12月5日 00時14分) 3579 > 君の腹に耳をあてればそこは海潮騒泡の音浮かびつ消えつ(ぽぽな) (12月5日 03時30分) 3580 > 老いなりてベッドの母は丸く居て冬の光に浮かびつ消えつ(蘇生) (12月5日 06時43分) 3581 > 今にして思へば恩愛限りなく慕はしき哉たらちねの母(冬扇) (12月5日 09時37分) 3582 > 受けし恩次代に伝える役目あり来し方思いて忸怩たるもの(素人) (12月5日 09時42分) 3583 > 千年の桜の花を見にゆかむこの世につかのまの母と子として(たまこ) (12月5日 09時49分) 3584 > たをやかに風に揺らめく素振りしてなほ毅然たる秋桜かな(冬扇) (12月5日 10時13分) 3585 > 呆けたる母の喜ぶ紙風船乾きし音の孫と行き交ふ(素人) (12月5日 12時31分) 3586 > 折り鶴の願ひの届く日やあらむ世の平和こそ人の幸せ(冬扇) (12月5日 13時51分) 3587 > 室内に応えて咆える犬の来て老父の声は幸に弾めり(蘇生) (12月5日 16時25分) 3588 > 子を送り夫を送り小走りの朝のわたしにチワワがじやれる(たまこ) (12月5日 17時28分) 3589 > 老いなりてベッドの宙に声もなく窓に向かひて母は埋もれり(蘇生) (12月5日 19時39分) 3590 > 耳すこしとほくなりたるたらちねの血筋なるかな超個人主義(素蘭) (12月6日 00時24分) 3591 > 恋しきは遠き受話器の向かうから心配いらぬと言ふ母の声(ぽぽな) (12月6日 06時21分) 3592 > 老父からお前来る日はしばれるぞ雪もふるぞと電話たびたび(蘇生) (12月6日 06時50分) 3593 > 降り積もる雪の重みに軋む屋根齢重ぬるふるさとの父母(素人) (12月6日 12時15分) 3594 > 右膝が今朝も痛むと冷ゆ朝の電話の声の痛ましきかな(蘇生) (12月6日 12時30分) 3595 > もどかしや言葉のみなる励ましは心の空洞満たさるるなし(素人) (12月6日 14時18分) 3596 > おはやうと元気な声で走り行く少年少女の寒中稽古(冬扇) (12月6日 14時25分) 3597 > 怪文書作成講座見るやうな東海学園〈共生〉思想(素蘭) (12月6日 16時53分) 3598 > 怪しげな呪文唱えて煙に巻くそれも人生時は還らず(素人) (12月6日 23時09分) 3599 > 哲学の煙を吐いて嘯けど高等遊民今許されず(茉莉花) (12月7日 00時38分) 3600 > 大野原どか雪明けて大はしゃぎ子らも犬らも吐く息白く |