3601 > 右からの木枯らし頬にけやき道おなじ記憶をどこかにさがす (蘇生) (12月7日 04時53分) 3602 > 溢るるは杉の香りと笑顔哉ツリー売り並ぶ極月の街(ぽぽな) (12月7日 06時10分) 3603 > 思ひ出には未だできなくて電飾の夜の大通りを目を伏せてゆく(たまこ) (12月7日 07時53分) 3604 > 電飾の煌めきにみる虚飾かな覚めた心にときめきの無し(素人) (12月7日 11時36分) 3605 > 絵に描ける餅こそ飢を満たすらめ浅き夢みし水に醒むれど(丹仙) (12月7日 12時53分) 3606 > 現世の手かせ足かせ逃れたし夢の世界に束の間遊ぶ(素人) (12月7日 16時13分) 3607 > 「夢屋」といふ駄菓子や玩具を売る店の引き戸に閉店を告げる張り紙(たまこ) (12月7日 22時03分) 3608 > 閉店の二文字にこもる悲哀かな木枯らし吹きて鎧戸叩く(素人) (12月7日 22時38分) 3609 > はんなりと弥勒菩薩の頬笑みはこころの扉開きたまひぬ(ぽぽな) (12月8日 02時05分) 3610 > 冬の寺半眼微笑の菩薩像気負いおのずと消えゆくを知る(素人) (12月8日 11時34分) 3611 > 西国の満願寺へとあまたひと運びし鉄路錆びにし鉄路(素蘭) (12月8日 15時09分) 3612 > 廃線の錆びつくままに放置さる鉄の栄華を謳歌せし街(素人) (12月9日 00時04分) 3613 > 雪月の街の灯遥か月天心独り舞台をすすみゆくなり(ぽぽな) (12月9日 02時16分) 3614 > 昭和史に欠かせぬページ雪の日の戒厳令はいかなるものぞ(茉莉花) (12月9日 12時06分) 3615 > たらればは歴史に無しと思えどもあの雪の日に戻りてみたし(素人) (12月9日 13時06分) 3616 > 洞窟の獅子危めたる益荒男の矢は失せにけりこの雪の夜(丹仙) (12月9日 14時23分) 3617 > ことごとく繁りていたる葉をぬぎて凛々として寒風に立つ(蘇生) (12月9日 19時48分) 3618 > 洞窟に打ち寄せ砕ける荒波を寒風さらにあおりて飛ばす(素人) (12月9日 21時48分) 3619 > 荒海のごと乱れゐる吾が心君に再会したる運命ぞ(冬扇) (12月9日 22時15分) 3620 > シェイプアップお肌の手入れを我に課し同窓会まで後一か月(たまこ) (12月9日 22時46分) 3621 > 同窓の絆は強し空白のたちまち消えて思い出の渦(素人) (12月9日 23時04分) 3622 > 類は友となりたる子らに思ほえず同窓の母三人(みたり)まみえり(素蘭) (12月10日 00時22分) 3623 > 同窓の同郷なりし何がしと不況の故のセールス多き(蘇生) (12月10日 06時06分) 3624 > 賀状など出せるはずなき目の奥に君あらわれて語り始めん(ぽぽな) (12月10日 07時17分) 3625 > ふるさとの高校卒業五十年記念をやると言いし友逝く(蘇生) (12月10日 07時55分) 3626 > 恋ひ初めし少年の日の懐かしく消えぬおもかげ古里の花(冬扇) (12月10日 08時28分) 3627 > 面影は若き日のまま奥深く会うか会わぬか迷いのありて(素人) (12月10日 08時48分) 3628 > 甥の顔つくづく見れば誰やらに似てをるぞそは吾が田舎顔(冬扇) (12月10日 09時35分) 3629 > 「田舎家」に集う輩同郷の忘年会に訛り懐かし(素人) (12月10日 12時38分) 3630 > 初雪が屋根の個性を白くして冬の化粧やわが街の顔(蘇生) (12月10日 12時38分) 3631 > 薄化粧都会の雪は淡く消ゆ一時見たる夢の儚さ(素人) (12月10日 12時46分) 3632 > 隧道を抜けて着きたる湯の町に吾を待ちをる月見草かな(冬扇) (12月10日 13時37分) 3633 > 山峡の温泉宿の冬桜雪のやうなるその花の色(たまこ) (12月10日 18時36分) 3634 > 小雪まふ小谷(やつ)の道はくねりゐてつまるあはひはいよよ冬色(蘇生) (12月10日 19時17分) 3635 > 風花をたまづさにかへおくらばや冬ざれにけるきみの街へと(素蘭) (12月11日 00時44分) 3636 > 淡き日に瓦模様が浮き出でて積もりし屋根の雪が解けゆく(蘇生) (12月11日 05時32分) 3637 > をみなごは淡き想ひにほほ染めてうつむく髪に雪の降りつむ(ぽぽな) (12月11日 08時55分) 3638 > 雪降れば雪に思ほゆ花咲けば花に思ほゆ君が面影(冬扇) (12月11日 08時58分) 3639 > 淡雪の残る日陰に悴みし冬の蝶あり息絶え絶えに(素人) (12月11日 09時33分) 3640 > おぼろなる遠山にまで連なりて春の野に花咲き乱れたる(冬扇) (12月11日 09時56分) 3641 > 年を祝ぐひととせを経し水茎に故人を偲びつ春遠からじ(蘇生) (12月11日 10時23分) 3642 > 近づけば枯れ木の枝のそれぞれに芽をはぐくむや春遠からじ(ぽぽな) (12月11日 10時44分) 3643 > 裸木はしっかと次なる芽を宿す寒きに耐えてひたすら春待つ(素人) (12月11日 11時55分) 3644 > 枝先に少し残りし初雪は朝の光にプリズムとなる(蘇生) (12月11日 17時47分) 3645 > 柊の葉先に光る露の玉 許されるのはむしろ哀しく(たまこ) (12月11日 20時33分) 3646 > しろがねの飛騨の雪嶺まぶしかり風花を追う赤き手袋(やんま) (12月11日 20時43分) 3647 > 音もなき白き真霜の平らかにしばれる朝に故郷を想う(蘇生) (12月11日 21時21分) 3648 > 凍てつきし朝の道をば犬とゆく暁の明星白く輝く(素人) (12月11日 22時41分) 3649 > 星はスバル六連星(むつらぼし)にて浪漫の燭かかげたる明星その後(素蘭) (12月12日 00時36分) 3650 > 寒天のあれがスバルと指し示す北の都の老ドライバー(蘇生) (12月12日 05時29分) 3651 > 老ひてなほ北の荒海漁に出る闇に北斗の寒々として(素人) (12月12日 08時44分) 3652 > 二筋の轍をなぞり雪道をくだり行く背が息をおきゆく(蘇生) (12月12日 09時19分) 3653 > 冬薔薇(そうび)恋に疲れた顔をして雪の慈愛を一途に受けぬ(ぽぽな) (12月12日 10時12分) 3654 > 嵯峨野なる念仏寺の帰り花けふ衣々の別れ惜しみて(冬扇) (12月12日 11時06分) 3655 > 化野も雪に暮るるや細々と灯る蝋燭炎の揺らぐ(素人) (12月12日 11時28分) 3656 > 恋すればもの皆すべて輝けり春の野に咲く花の色にも(冬扇) (12月12日 11時38分) 3657 > 春を待つ想い人には劣らねどこの年の瀬をいかに越えむや(素人) (12月12日 12時19分) 3658 > らふ梅もほころび初めぬ来る春にすべてたくして北風の街(たまこ) (12月12日 21時02分) 3659 > 北風に醒めるたるこころ保ちつついつもの街に輪郭はあり(海斗) (12月12日 21時22分) 3660 > 退きてのち初の師走を迎へなむゆるりと時の過ぎゆくを知る(蘇生) (12月12日 22時35分) 3661 > 替え難きことに想えて羨ましゆるりと時を過ごす贅沢(素人) (12月12日 23時10分) 3662 > 贅沢は うだる座敷で思ひ切り一人で氷菓喰うてをるとき(冬扇) (12月12日 23時22分) 3663 > 北国はだるまストーブ赤々と焚いて氷菓を食む楽しみも(素人) (12月12日 23時31分) 3664 > 贅沢は素敵と返す落首ありかかる洒脱をほのぼの思ゆ(素蘭) (12月13日 01時13分) 3665 > 早暁に詠まんとすれど心なく歌は東雲見ゆる後なり(蘇生) (12月13日 06時29分) 3666 > 君の朝は吾の夜なりその朝日大陸(ここ)に来るまでさてひと眠り(ぽぽな) (12月13日 07時53分) 3667 > 霧深き金門橋のたもとにて故国の君を偲び泣く吾(冬扇) (12月13日 08時28分) 3668 > 異国の地企業戦士の苦労する警醒祖国に届き居れども(素人) (12月13日 08時45分) 3669 > 年明けに再びアジアの開拓に夫婦茶碗の老いたる友が(蘇生) (12月13日 09時05分) 3670 > なにごとも穏やかなりし来し方を昔語りの猪口を並べて(冬扇) (12月13日 09時15分) 3671 > ほそ道を学ばんとしてひも解けば易く芭蕉は尽くせぬを知る(蘇生) (12月13日 09時21分) 3672 > 漂泊の思ひのままに旅の宿その土地々々の人と語りて(冬扇) (12月13日 09時46分) 3673 > 挟まれし和紙の栞もさび色の祖母の遺せし『奥の細道』(たまこ) (12月13日 10時05分) 3674 > 読経(どっきょう)の声も悲しきみちのくの栄華の都しづかに暮れし(冬扇) (12月13日 10時14分) 3675 > つれづれに旅に何処と思えども思うまにまに時は過ぎゆく(蘇生) (12月13日 10時35分) 3676 > 金色の栄華の館埋もれリ雪燈篭の灯かり仄かに(素人) (12月13日 10時36分) 3677 > 細道をなぞる旅なり鳴子へと深き雪をばかき分けてゆく(素人) (12月13日 10時41分) 3678 > はろばろと来つるものかな湯煙の白きに憩ふ旅の心に(冬扇) (12月13日 11時17分) 3679 > ひらひらと舞ひ降り積もる雪のやうに歌もひとひらまたひとひらと(ぽぽな) (12月13日 11時25分) 3680 > なぜに皆 かほどに雪を好めるや物のあはれは此(こ)に限らざる(冬扇) (12月13日 11時34分) 3681 > ひとひらの葉もなき梅の枝先にすずめ群れをり日に当たりをり(蘇生) (12月13日 11時40分) 3682 > 気忙しき師走なぐさめ冬至梅仄かな香りに暫し安らぐ(素人) (12月13日 12時20分) 3683 > 点になるほどの高みに舞う鳶を見上ぐるわれは師走に向かう(蘇生) (12月13日 12時36分) 3684 > 悠々と鳶輪を描く江ノ島の海穏やかに年の瀬間近(素人) (12月13日 12時50分) 3685 > 鎌倉の古き都の木立には美男の仏見え隠れして(冬扇) (12月13日 13時11分) 3686 > 寒風に海ははるかに澄わたり波ははるかな伊豆大島へ(蘇生) (12月13日 13時16分) 3687 > 黒潮の青深くしてうねりおり椿ほころぶ伊豆の大島(素人) (12月13日 13時35分) 3688 > 冬の海の暗き碧さにさざなみのきららきららよ遥か島影(海斗) (12月13日 15時12分) 3689 > 冬ざれの島にクレーンが聳え立ち新たな塔を普請しをりて(蘇生) (12月13日 15時48分) 3690 > 景観を損なう批判ものとせず利益追求欲の皮張る(素人) (12月13日 16時15分) 3691 > 寒風に茶髪の鳶のエィ・オーと組みあがりゆく東京ミレナリオ(蘇生) (12月13日 16時35分) 3692 > 電飾のまやかしの彩一時を委ねて酔うや聖しこの夜(素人) (12月13日 16時44分) 3693 > 蘇りイエス歩まば食与へ働けと説く老婆へ笑ましむ(海斗) (12月13日 20時34分) 3694 > 来しかたの五百のうたを詠みつらねげに千日を笑むはやわが(蘇生) (12月13日 20時46分) 3695 > 待降節ふけゆく夜に時満ちて君が詠み歌五百首となる(丹仙) (12月13日 21時01分) 3696 > よそ行きの顔を作りしマンションに干せる蒲団は笑窪なるかな(海斗) (12月13日 21時04分) 3697 > マンションの窓辺の小さな水槽のどぜうもとろとろ冬眠に入る(たまこ) (12月13日 22時25分) 3698 > とろとろと繰り返し煮るボルシチの色も旨味も濃くなるを待つ(素人) (12月13日 23時12分) 3699 > サモワールの出涸らしを飲み議論せるラスコーリニコフの暗き瞳よ(海斗) (12月14日 00時13分) 3700 > 若き日の熱き想いの懐かしき遥か遠くへ流れしわが身(素人) (12月14日 00時47分) |