3701 > 遙か釧路へ流離ののちの歌なればただ一握の砂のごとしも (素蘭) (12月14日 01時55分) 3702 > 一握の砂にはあれどその想い小さき粒の一つ一つに(素人) (12月14日 07時36分) 3703 > ひらがなをおぼえて嬉し子供らは一字一字に肝を注ぎぬ(ぽぽな) (12月14日 08時43分) 3704 > 愛らしう遊具に遊ぶ子を見れば来しかた全てうべなはれける(冬扇) (12月14日 09時56分) 3705 > おとうさんとゆらぎて書ける鏡文字の濃き香ただよふ赤きクレヨン(海斗) (12月14日 10時01分) 3706 > 映し見る紅の色さへ切なくも恋しき君を迎へむ宵は(冬扇) (12月14日 10時47分) 3707 > 日曜は子らに誓った指切りも止むに止まれぬゴルフに変わる(素人) (12月14日 13時47分) 3708 > 契りたる約を違へし君なれどなほ恋しさのいや増さりける(冬扇) (12月14日 16時27分) 3709 > 立ち枯るる背高あわだち草の向かふには胸深々と夕焼けの空(海斗) (12月14日 17時21分) 3710 > カラカラと初氷塊を蹴りてゆく登校子らの高らかな声(蘇生) (12月14日 18時47分) 3711 > 焼きあげしピザ切り分ける我の手に子らの六つのまなこが光る(たまこ) (12月14日 19時45分) 3712 > 食べ物の恨み恐ろし慎重に切り分く吾は判事のごとし(素人) (12月14日 21時49分) 3713 > 恨めしと人は恐れし岩殿を恋ひしたひけり我が恋初めし(海斗) (12月14日 22時49分) 3714 > 師走にて今年最後の望月を待ち焦がれいるこころの走る(ぽぽな) (12月15日 01時00分) 3715 > 極まりの月はなかばに満ちゆかむ月に焦がるるこころ知らゆな(素蘭) (12月15日 01時42分) 3716 > 酣の宴のなかばに吾(あ)まからむ待つ君夜空も泣きやまぬゆえ(ぽぽな) (12月15日 03時16分) 3717 > 雨上がりの雲間より差す放射光 何度泣いても許してあげる(たまこ) (12月15日 08時32分) 3718 > 何故と分からぬながら泣き腫らす娘よ生の悲しさを泣け(海斗) (12月15日 09時10分) 3719 > きのふけふ師走にしかとめぐらせばよきことばかり思ふはやわが(蘇生) (12月15日 09時17分) 3720 > 世の中は師走なりとてせはしなくあれど我が身はすることもなく(冬扇) (12月15日 10時21分) 3721 > 暦なる人の世の知恵区切りをばつけて人生意義深めんと(素人) (12月15日 12時56分) 3722 > 生まれ来て巡り会うたる吾妹子のやさしき笑みの美しきかな(冬扇) (12月15日 13時07分) 3723 > 雪ふらば見つつ偲はな逢はざりし雲に隠るる生駒偲はな(素蘭) (12月15日 15時17分) 3724 > みはるかす春野に咲ける花々に告げまほしきは吾が恋ひそめし(冬扇) (12月15日 16時07分) 3725 > 冬の旅恋の痛手を癒さんと野をさ迷えば風が背を押す(素人) (12月15日 17時18分) 3726 > いづこへと云ふあてもなき冬の旅ただ辿り行く歌枕かな(冬扇) (12月15日 17時33分) 3727 > 歌枕めぐる旅して古の歌人の心想ふゆかしさ(素人) (12月15日 17時44分) 3728 > 「咎無くて死す」との云ひを残したる人麻呂翁の伊呂波歌かな(冬扇) (12月15日 18時14分) 3729 > 大年にむかふ日かさねしどけなくおもふこと有りまた無くもあり(蘇生) (12月15日 20時24分) 3730 > 年の暮れ大河ドラマの完結すいよよ気忙し悔い残すまじ(素人) (12月15日 21時10分) 3731 > 五十年毎年聞きて見て来たる男女紅白歌の戦さよ(冬扇) (12月15日 23時43分) 3732 > 半世紀歌ひつがるる紅白の女王にとりのひばり在りし日(素蘭) (12月16日 00時32分) 3733 > 風邪ひきて吾(あ)は屋にしばし留まれど2002年は晦日へ進む(ぽぽな) (12月16日 01時26分) 3734 > 風邪気味にかまけて吾は所在無く師走は中の五の日を過ごす(蘇生) (12月16日 06時12分) 3735 > 書きたくもなき相手にも賀状書くさう云ふ時季に早やなりにけり(冬扇) (12月16日 08時37分) 3736 > 年賀状功罪半ばのしきたりも時の流れに変化の兆し(素人) (12月16日 08時45分) 3737 > 賀正てふ言葉の意味を知ったるは理(ことわり)知りし始めなりけり(冬扇) (12月16日 09時31分) 3738 > 冬晴れに歌の友らと駆りゆけり「年忘れには海賊料理!」(たまこ) (12月16日 10時11分) 3739 > 賀状先閲しをりたる名の中に黄泉へはふりし友ありにけり(蘇生) (12月16日 10時33分) 3740 > 喪中とぞ女文字にて知らせある細君の名を初めて知りぬ(冬扇) (12月16日 11時16分) 3741 > 一枚の葉書にこもるその想い時には軽く時に重たし(素人) (12月16日 13時29分) 3742 > 「私たち結婚しました。お近くへお出での節はお越しのほどを」(冬扇) (12月16日 13時56分) 3743 > 喜んで言祝ぎすべしカップルの前途に幸あれ節乗り越えて(素人) (12月16日 14時05分) 3744 > 連れ添ひて共に歩みし三十年いまあらためて愛(いと)しと思ふ(冬扇) (12月16日 15時52分) 3745 > 宣えり偕老同穴その上に比翼の鳥と連理の枝と(素人) (12月16日 16時36分) 3746 > 天空に日輪ありてその最中大鷹出で来影となりぬる(やんま) (12月16日 16時56分) 3747 > 君が文 はや杜絶えれば鶯の鳴く声さへも憂きものと聞く(冬扇) (12月16日 16時56分) 3748 > 鷹舞ひて鶯慄く営みは人間界の縮図にも似る(素人) (12月16日 21時57分) 3749 > 縄張りを広く持たねば生きられぬ猛禽タカ目絶滅危惧種(素蘭) (12月17日 01時27分) 3750 > 冬川にひようひようと一羽立つ鷺の眼鋭し魚影追ひつつ(たまこ) (12月17日 07時08分) 3751 > 幼子の手のポップコーン狙いつつ鋭く鳶は羽ばたきをりて(蘇生) (12月17日 08時19分) 3752 > 盗りて来し白木瓜の花差し出せばわらべ心を解す君かな(丹仙) (12月17日 09時12分) 3753 > 軋轢の解れゆくかな沈丁花香り鋭く心捉える(素人) (12月17日 09時29分) 3754 > 母からの包みの紐を解いたときそこにノスタルジアがいたのだ(ぽぽな) (12月17日 11時16分) 3755 > 宅急便ふるさとからの贈り物父母元気郷愁いやます(素人) (12月17日 11時23分) 3755 > 緑なき都にあればあぢきなく星見る宵は古里思ほゆ(冬扇) (12月17日 11時28分) 3757 > 明星の暁の空輝けり都を覆うしじまの一時(素人) (12月17日 12時19分) 3758 > 霧深き武蔵野原にひとり居て哀しく聞ける虫時雨かな(冬扇) (12月17日 14時07分) 3759 > まぼろしの連合艦隊憩ひける猿島は嗚呼優しかりける(海斗) (12月17日 22時35分) 3760 > バルチック艦隊通過予想図に対馬はとほき神風の海(素蘭) (12月18日 01時09分) 3761 > 艦砲に壊滅したる故郷はわがトラウマに折々の夢(蘇生) (12月18日 05時48分) 3762 > 兵隊は命の焔はためかせ地平遥かに露西亜を見つむ(ぽぽな) (12月18日 06時05分) 3763 > 大君に召され戦ふ異郷にも月見草咲く夏の夕暮れ(冬扇) (12月18日 09時44分) 3764 > 戯れのファッションと言へど子供らに迷彩服を私は着せぬ(たまこ) (12月18日 10時41分) 3765 > 見識と評価すべきと思ひつつ戯れの妙捨て難きかな(素人) (12月18日 11時30分) 3766 > 顧みれば誠に早き変化かな百四十年前は髷結ひをりし(冬扇) (12月18日 11時44分) 3767 > 瓜実の銀杏返しのをんなゐて漱石の恋今にせつなし(素蘭) (12月19日 01時12分) 3768 > しんしんと積もるは淡き雪ならで消ゆるすべなき恋の塵なり(ぽぽな) (12月19日 06時01分) 3769 > 恋ひ初めし吾が想ひこそ積りける雪の深さの憂き夕まぐれ(冬扇) (12月19日 08時36分) 3770 > 降り止まぬ雪に暮れゆく城下町雪燈篭に灯を入れてゆく(素人) (12月19日 08時51分) 3771 > 暮れかかる街道脇にそよ立ちて笠に隠れつ泣く枯尾花(冬扇) (12月19日 16時02分) 3772 > 蓑を着せ笠をかぶせて六地蔵村を守りてひっそりと立つ(素人) (12月19日 23時27分) 3773 > 六地蔵一の地蔵はしづもれる大き公孫樹の傘借るやうに(素蘭) (12月20日 01時55分) 3774 > 年の瀬に紅あざやかな六地蔵にぎわう街をいつものように(蘇生) (12月20日 05時42分) 3775 > 異国にて子らが絵本の六地蔵「これはなあに?」と指さしている(ぽぽな) (12月20日 06時58分) 3776 > 古里の昔噺のなつかしく祖母の語りの今も聞こゆる(冬扇) (12月20日 08時52分) 3777 > 美しきかぐや姫様住むといふ月は寒かろ師走の空に(ぽぽな) (12月20日 11時12分) 3778 > 一寸法師浦島太郎かぐや姫これぞ日本の古きSF(冬扇) (12月20日 11時20分) 3779 > 穢れたる世なれど我を育みし翁をみなと 別れ惜しませ(海斗) (12月20日 21時46分) 3780 > かぐや姫いざ月の世へ帰りなむ育ての親より産みの親へと(素人) (12月20日 23時58分) 3781 > 生みてすぐ行き別れたる命をばははそはの母いかに忘るる(ぽぽな) (12月21日 01時35分) 3782 > 親業といふ言葉あり業ならばなる程子育て苦痛なるべし(素蘭) (12月21日 01時54分) 3783 > 子育ての娘のさまを見てをれば娘育てし頃の思ほゆ(冬扇) (12月21日 10時59分) 3784 > 慈しみ育み手塩にかけし娘の嫁ぐ日近く知らず目で追ふ(素人) (12月21日 20時55分) 3785 > 出がけに必ず腹痛ありて友我を万年登校拒否児といひぬ(素蘭) (12月22日 00時55分) 3786 > 臓腑(はらわた)のひだに染み入るたうたうとバッハのマタイ受難の嘆き(ぽぽな) (12月22日 04時42分) 3787 > 深き淵とよもし出づる苦しみの人の子知れり今も生くるを(丹仙) (12月22日 14時28分) 3788 > 苦しみを背負って衆生を救わんとありがたき人西に生まれる(素人) (12月22日 20時21分) 3789 > 星ひとつ樹上に飾りをへながらベツレヘムとは遠き国原(素蘭) (12月23日 00時53分) 3790 > クリスマス祝うて除夜の鐘を聞き神社に詣で面白き哉(冬扇) (12月23日 08時46分) 3791 > クリスマス近づく夜の街の空光るクルスの飛行機のゆく(ぽぽな) (12月23日 11時08分) 3792 > モミ大樹飾り終えたる子らの顔待ち遠しきや聖しこの夜(素人) (12月23日 11時24分) 3793 > 父親と知りたるになほ知らぬげに喜ぶ振りするけなげや幼(冬扇) (12月23日 15時01分) 3794 > 車窓から遠近に見ゆ点滅の聖樹に今日の幸せありて(蘇生) (12月23日 19時05分) 3795 > マッチ売り少女の潜む気配して擦ってみるなりマッチの炎(素人) (12月23日 21時36分) 3796 > 燐寸より手燭にうつす火(ほ)の色のうちにこもれるあをよりあかし(素蘭) (12月24日 01時39分) 3797 > 蝋燭の炎たゆまず流れ立ち静寂といふ烈しさに酔ふ(ぽぽな) (12月24日 08時28分) 3798 > 蝋涙のこぼれ落つるをじっと見る聖しこの夜静かに更けて(素人) (12月24日 09時08分) 3799 > 聖母子の愛の姿のピエタ像見る者全てこころ豊かに(冬扇) (12月24日 10時25分) 3800 > 井戸の底ふかく沈みし明星は聖母の乳の滴りを受く(丹仙) (12月24日 11時11分) |