| 4501 | この刻を映す銀器のなめらかにいまあるがままかがやく命 | 人真似 | 5月23日 18時19分 |
| 4502 | イスパニアネーデルランドの静物画銀器に映る画家のまなざし | 千種 | 5月23日 20時27分 |
| 4503 | 垣根越し青梅の実のすずなりに 予感のありてふと立ち止まる | 人真似 | 5月24日 00時00分 |
| 4504 | 十字科の花の咲きたる皐月闇抱かれて蛇は身ぬちいづるを | 素蘭 | 5月24日 00時41分 |
| 4505 | 裏庭の草のしげみに実の熟れてくちなは苺は夏の哀しみ | たまこ | 5月24日 06時32分 |
| 4506 | 夕空に浮かぶレモンの月みてぞ俯いて居し一日を悔ゆ | 人真似 | 5月24日 06時59分 |
| 4507 | ドレミファソ鈴蘭の鈴うつむきて音無く歌ふやソラシレドシド | ぽぽな | 5月24日 08時00分 |
| 4508 | よそらみて すばるはどれそとさがすきみ ついそそられてふぁすときす | ひとまね | 5月24日 08時52分 |
| 4509 | 皀莢の実の一つ落ちピアニシモかく秘めてあれ汝の情熱も | 紀 | 5月24日 09時02分 |
| 4510 | 耳元に囁くごときピアニシモ佐藤美枝子のルチア詠唱 | 茉莉花 | 5月24日 10時35分 |
| 4511 | 人間の端に小さき葉のかたち耳をいつより人は飾れる | たまこ | 5月24日 10時54分 |
| 4512 | 時を経てやつす心は変わらねど 色の好みのゆくへ知られず | ひとまね | 5月24日 12時01分 |
| 4513 | さういへば生徒の短歌にありにけり〈あとはどうなと勝手にさらせ〉 | 素蘭 | 5月24日 19時43分 |
| 4514 | かはらむと齢をえては思ふたび常なることを常に常とす | 蘇生 | 5月24日 19時45分 |
| 4515 | 寄る辺なく迷妄の森さまよいて変若の泉に水をくみたり | 千種 | 5月24日 20時13分 |
| 4516 | 静まりて春の海なる日永にはあだし心が鬱々とせり | 蘇生 | 5月24日 20時42分 |
| 4517 | 季節はもうとっくに過ぎてしまったこの囲繞地まだ見ねばならぬ聞かねばならぬ | 真奈 | 5月24日 21時38分 |
| 4518 | それぞれの心に修羅を抱えつつもみどりご生まれ草は萌え出づ | 茉莉花 | 5月24日 23時22分 |
| 4519 | 名も知らぬ遠き詩魔より流れ寄る椰子といふ名のやはらかき肌 | ぽぽな | 5月24日 23時41分 |
| 4520 | 横しまな香具師の束ねる島なれば緑の羽根など飛ばされさうよ | 真奈 | 5月25日 00時32分 |
| 4521 | 縦縞の縞馬がゐて花柄の豹が寝そべる夢動物園 | 素蘭 | 5月25日 02時15分 |
| 4522 | たんぽぽのはなつみさんぽ。てんぴあびぴょんぴょんはねるおさなきぽんぽ。 | ぽぽな | 5月25日 02時33分 |
| 4523 | ヴィトンでも花柄バッグを売る世なら歌壇に遊びの華を育てむ | 人真似 | 5月25日 02時58分 |
| 4524 | 小雨なら洗ひ髪に飾りはいらぬ 開放弦のまま会ひにゆく | ぽぽな | 5月25日 06時22分 |
| 4525 | あさぼらけごがつのかぜのすきとほるこころにしみるこゑのきこゆる | ひとまね | 5月25日 06時45分 |
| 4526 | 鶯の声はいよいよ磨かれて哀しきまでの初夏の朝 | 海斗 | 5月25日 07時25分 |
| 4527 | 惜しみても春はとどまることなきを知りて惜しむや翁の春は | 蘇生 | 5月25日 08時01分 |
| 4528 | ほととぎす姿もみせずこゑのして しみじみさびし一人ゆく山 | ひとまね | 5月25日 15時51分 |
| 4529 | 鐘の音のくぐもりとどく朝なさな今年の梅雨の行方やいかん | 蘇生 | 5月25日 20時17分 |
| 4530 | 衣ぬぎ早やも天つく竹の子のながめの末もつゆの間と知る | ひとまね | 5月25日 23時14分 |
| 4531 | 竹馬のピエロは街のあるるかん切ない調和大またぎ行く | 真奈 | 5月25日 23時48分 |
| 4532 | 夜の街の月を目指せし甲虫はアクセル煽り野獣にとなる | 人真似 | 5月26日 05時20分 |
| 4533 | 滑らかな青き裸体の誘ひて一刀迷はぬマチスに出会ふ | ぽぽな | 5月26日 06時52分 |
| 4534 | フォンタナの鋭きナイフはキャンバスの奥から抉り出す永遠を | 人真似 | 5月26日 07時20分 |
| 4535 | あだし世をたのみに生くるこの身をもあらはむほどの山若葉かな | 冬扇 | 5月26日 09時42分 |
| 4536 | 時ともに乙女の薄着なまめいて街ゆく風になびく午後かな | 人真似 | 5月26日 12時23分 |
| 4537 | 乙女らは笑いささめき紅をひき無邪気なるかな優先席で | 蘇生 | 5月26日 12時48分 |
| 4538 | 栄耀も白昼夢と消えいつの日か紅鮭値引きに血眼となる | ひとまね | 5月26日 16時58分 |
| 4539 | 桜木はすでに葉盛り初夏の光りの中に明日を育む | 蘇生 | 5月26日 18時09分 |
| 4540 | 柿若葉みどりすがしくひろがれる透る光の瞳濡らすも | 海斗 | 5月26日 22時01分 |
| 4541 | をみな子の魔力秘めれど何ゆえぞリアリティー無をの子達は | ひとまね | 5月26日 23時01分 |
| 4542 | カヴァレリアルスティカーナ聴くときめきに冬薔薇高く胸に咲かせよ | 真奈 | 5月26日 23時31分 |
| 4543 | 今もなほ認められない悲しみの日の冬薔薇の淡きもも色 | たまこ | 5月27日 01時39分 |
| 4544 | 濱辺には波音にも似る高揚と入り日に見入る長き人影 | 人真似 | 5月27日 01時45分 |
| 4545 | 別れ来し人を恋しと想ひつつ拾へば貝の色ぞやさしき | 冬扇 | 5月27日 04時08分 |
| 4546 | 咲きそめしさつきの頃におもひはせ暮れゆくなりにそぞろ歩けり | 蘇生 | 5月27日 04時57分 |
| 4547 | 夜を日に継ぐうた声のものすごく さつきはものを想ふ月らし | 人真似 | 5月27日 05時47分 |
| 4548 | 不気味なる夕べのゆれを思ふとき人為のもののいと危ふきを | 蘇生 | 5月27日 07時31分 |
| 4549 | 世の時は極めて太き金輪らし 時刻々は吾の只今 | 人真似 | 5月27日 08時36分 |
| 4550 | 時は今浮葉のひもは泥の中やがて蓮華の色をかもせむ | 蘇生 | 5月27日 08時47分 |
| 4551 | 憶測でものいふ社会裏づけをとらぬ報道霧の中の我等 | 素蘭 | 5月27日 10時33分 |
| 4552 | ビル街の舗道に小雨の降りはじめ梅雨いりなるや予報のいかに | 人真似 | 5月27日 16時38分 |
| 4553 | いとほしき吾が妹待つは霧深き山路の果ての峡の里なる | 冬扇 | 5月27日 16時40分 |
| 4554 | 乗り遅れ軒の燕の子と遊ぶ知らない里の知らない駅で | やんま | 5月27日 18時45分 |
| 4555 | ひと呼吸入れよう森にでかけよう青葉梟の雛がもうかへるころ | たまこ | 5月27日 20時01分 |
| 4556 | 水門へかっこうの声聞きに行く誘いの電話いきいきとして | 千種 | 5月27日 20時16分 |
| 4557 | 通勤の電車の中でふと浮かぶこのまま旅に出てしまおゝか | 海斗 | 5月27日 22時51分 |
| 4558 | 根府川は赤いカンナの咲ける駅少女の頃も今も変はらず | 真奈 | 5月27日 23時48分 |
| 4559 | ケイタイとカードに愛も忘れずに これさえあれば生きてゆけそう | ひとまね | 5月28日 00時22分 |
| 4560 | あのひとに和紙の縦書き旧仮名で想ひのたけを綴りてやるかな | 茉莉花 | 5月28日 00時36分 |
| 4561 | 戦中の翼賛短歌反転し朝日歌壇につどふ〈妖怪〉 | 素蘭 | 5月28日 01時09分 |
| 4562 | アルジェリアの瓦礫の間よりすくはるる少女の瞳 生命の泉 | ぽぽな | 5月28日 06時15分 |
| 4563 | hiテクの時代を映し想うまま爽やかに詠う命うるわし | 人真似 | 5月28日 06時28分 |
| 4564 | 諸鳥の声聞きわけつつ森をゆくわたしの歌は何鳥の声 | たまこ | 5月28日 06時55分 |
| 4565 | 話そうかこの森に棲むみみずくに捨て鉢の僕が諭されたこと | 海斗 | 5月28日 07時04分 |
| 4566 | 聞かせてよふざけて掛けたサングラスが包んだ闇に棲む真実を | ぽぽな | 5月28日 08時37分 |
| 4567 | 旅にありてふと見かけたる後れ毛の白きうなじの笠に隠れし | 冬扇 | 5月28日 08時42分 |
| 4568 | 夜目遠め笠の内なる姿にもぬかるむ道の悩ましきかな | ひとまね | 5月28日 08時56分 |
| 4569 | アンマンの愚行と〈たま〉の報道の軽重なども自問しをれば | 素蘭 | 5月28日 10時38分 |
| 4570 | もの忘れ進める母を受け入れむとしつつ愚かにもまた咎めをり | たまこ | 5月28日 11時55分 |
| 4571 | 物忘れ激しきことも冥加なれば皆様はやく忘れてください | 素蘭 | 5月28日 12時27分 |
| 4572 | ささくれし世にするすると詠ひつつかなもじはしる良寛のふみ | ひとまね | 5月28日 12時44分 |
| 4573 | かなもじはをんなもじぞといひしよりはやもちとせのすぎにけるかな | 冬扇 | 5月28日 20時12分 |
| 4574 | 真名万葉変体平仮名片仮名の筆墨文化に及ばぬPC | 人真似 | 5月28日 23時28分 |
| 4575 | たくたからたくたかりたしたきたかる昼も休まず太鼓の稽古 | ぽぽな | 5月29日 03時18分 |
| 4576 | あかあかとあさひがまどをそめはじめゆめものがたりあおざめてゆく | 人真似 | 5月29日 06時26分 |
| 4577 | まだくらき霧つたひゆく岩山の肌へ消えゆく雷鳥の母 | ぽぽな | 5月29日 08時00分 |
| 4578 | 夜に日を継いでひたすら翔び続けむという君は何を探すや | 人真似 | 5月29日 08時28分 |
| 4579 | 詩心は時空を超えて翔びゆかんミューズを探すわたしボヘミアン | 茉莉花 | 5月29日 09時36分 |
| 4580 | イカロスのあこがるる身の火に焼かれ夢なる怪獣背負ひ死ぬるや | 真奈 | 5月29日 09時47分 |
| 4581 | 不如帰とどかぬ恋の火に焼かれ逢ぬ嘆きのわびしかるらむ | 人真似 | 5月29日 11時08分 |
| 4582 | 慕へども叶ふことなき吾が恋の煉獄の火に焼かれゐるごと | 冬扇 | 5月29日 13時47分 |
| 4583 | かた恋は闇夜にさぐる蜜壷の棘さす指に疼く血の味 | 人真似 | 5月29日 17時30分 |
| 4584 | 思ふままにゆかぬくさぐさほうほうと青葉の闇になく青葉梟 | たまこ | 5月29日 23時10分 |
| 4585 | 起起起起と終わらぬ話書き続くカフカの心いかに知るべし | 海斗 | 5月30日 00時04分 |
| 4586 | この宵は月なく星も瞬かず無音を舞い狂うか蝙蝠 | 人真似 | 5月30日 00時11分 |
| 4587 | 人生はシャンパンの泡 選曲は喜歌劇ヨハンシュトラウスなど | ぽぽな | 5月30日 05時44分 |
| 4588 | オレンジの頬舞ひ巡る日曜日酔ひの絵筆もピチカートにて | 真奈 | 5月30日 07時20分 |
| 4589 | サイダーの泡がはじけて鼻に散る楽しさの間に飲もう さあ夏! | たまこ | 5月30日 07時24分 |
| 4590 | 唇はライムの香りただよえり緑陰のベンチに憩うひととき | 人真似 | 5月30日 07時38分 |
| 4591 | 夏薄く過保護がすぎた足の爪靴を飛び出せ紅になれ | ぽぽな | 5月30日 07時44分 |
| 4592 | 呑むほどにどこか覚めてる神経がここでおやめと囁いている | 茉莉花 | 5月30日 07時44分 |
| 4593 | 酔うほどに心の紐はほどかれて昨日も明日もどうにともなれ | 人真似 | 5月30日 08時18分 |
| 4594 | 隠れたる月ゆるゆると白南風に 時移りなば夜は明けなん | 伊三 | 5月30日 16時44分 |
| 4595 | 雅にも時に俗語で揶揄されて月はまことにおおらかなるかな | 茉莉花 | 5月30日 21時58分 |
| 4596 | 月影の身にしむ残業終えし夜タクシー求め佇む交差点 | 人真似 | 5月30日 22時35分 |
| 4597 | 訪ねては迷ひ入りたる団地の中ひとの家路の迷路とはなる | 海斗 | 5月31日 00時17分 |
| 4598 | 唐風の大寺の回廊あゆみつつ何ゆえに居るかと惑う夢 | 人真似 | 5月31日 05時41分 |
| 4599 | 春のもみぢ影さす大寺の回廊のわれに時空を越えて吹く風 | たまこ | 5月31日 06時05分 |
| 4600 | 神主も居らなくなりしみやしろに雨柔らかき夏木立かな | 海斗 | 5月31日 08時11分 |