1001 > 何故なぜと独りでさみしく迷ふとき読んでごらんよ『葉っぱのフレデイ』(たまこ) (11月26日 15時51分)1002 > 老父母の昔語りのとつとつと吾懊悩の氷柱ゆるみて (重陽) (11月26日 19時03分)1003 > この道はわれの選びし道なれば迷ひとまどひされど歩めり (素蘭) (11月26日 22時17分)1004 > この道を照らせる光淡くてもデ・ジャ・ヴのしるべわれを導く (萌) (11月26日 23時22分)1005 > 既視感ははるか塵劫あれかはり死にかはりたる回帰の証左 (堂島屋 (11月27日 17時35分)1006 > 君恋し君は遙けき神の国小笠原なる海に消えたる (素蘭) (11月27日 18時33分)1007 > やしの木の下で見つめし夕焼けを映す水面を帰るディンギー (萌) (11月28日 00時33分)1008 > ベンツより小さき戦車椰子蔭に世紀を越える赤きキャタピラ (重陽) (11月28日 05時54分)1009 > 弾痕に巣くふ小鳥のをやみなく囀る聞こゆつつがなけれや (堂島屋) (11月28日 12時41分)1010 > 天空に奏でられたるオーロラの幻想曲にしばし佇む (素蘭) (11月29日 00時38分)1011 > オーロラの揺らぎの中にミレニアムと世紀末との境を思う (萌) (11月29日 23時16分)1012 > 古きこと思ひ出させるはつ冬の雨に打たれて今日は帰らう (素蘭) (11月30日 00時22分)1013 > 残りたる二十世紀の暦には水を湛へし黒部峡谷 (重陽) (11月30日 05時04分)1014 > そこな君拾うてくれと霜月の落葉いちまい我に告ぐらし (堂島屋) (11月30日 19時43分)1015 > 半ばまで緑を残したるままに落ち葉となれる並木の銀杏 (萌) (11月30日 23時57分)1016 > 空襲の爪痕幹に宿しままあまた実こぼす公孫樹ひともと (素蘭) (12月1日 18時49分)1017 > ゆるやかに爪かくし持つ肉球の日だまりの中しずまりてあり (萌) (12月1日 23時31分)1018 > 肉月の偏もつ文字を羅列せり確かなるかや我肉体の (重陽) (12月3日 05時46分)1019 > 美辞麗句尽くせど心空疎なる文字の羅列と広報誌読む (素蘭) (12月3日 11時06分)1020 > 自信なき公的文字の百万字 依草附木か魍魎か是れ (堂島屋) (12月3日 19時04分)1021 > うら若き僧の眼の一点にゆらぐともしび砂の曼荼羅 (重陽) (12月3日 21時14分)1022 > ガラス戸のむかふに見ゆる日常を歌に詠みつぐ子規偲びつつ (素蘭) (12月3日 21時50分)1023 > ガラス戸の向こうにひと続きの現実気づかぬうちに風の通いて (萌) (12月4日 00時14分)1024 > おおどかに遊びはすべし篳篥はたゆたふ風となりて吹くべし (堂島屋) (12月4日 19時52分)1025 > 緩やかな遊びのありし抽斗の奥にしまいて忘れし団栗 (萌) (12月4日 23時15分)1026 > 抽出の奥から転がり出るやうに忘れたきこと甦りくる(素蘭) (12月5日 01時03分)1027 > 大脳の何処かにあるは確かでも錆びし回路の情けなきこと (重陽) (12月5日 06時00分)1028 > 蓮華蔵世界一周一即多多即一なり脳内火薬 (堂島屋) (12月5日 22時23分)1029 > 世紀末の一日ゆえに卓上の世界一周楽しんでみん (萌) (12月5日 23時36分)1030 > 世紀末のパリにあふるるデカダンス ランボーの詩に憧れしころ(素蘭) (12月6日 00時15分)1031 > 壁崩る1989年とフランスの1789年の嵐を思う (重陽) (12月6日 13時32分)1032 > CHINAなる GREAT WALL 天地の寄り合ふ極み越え続くかな (堂島屋) (12月6日 19時34分)1033 > 天地の寄り添ふところ切々ととユーカラ謡ふイヨマンテの夜(素蘭) (12月6日 23時43分)1034 > 熊祭りの夜は更けてゆき湖を包める岸の影濃くなりぬ (萌) (12月6日 23時54分)1035 > 漆黒にゆらぐ篝火白拍子二人静の舞やとけゆく (重陽) (12月7日 04時53分)1036 > 過ぎし日をうつつの夢に追ふごとくあえかに降れる吉野白雪(素蘭) (12月7日 14時29分)1037 > 百敷は八重の青垣へだてつつ蔵王権現移せこの山 (堂島屋) (12月7日 14時32分)1038 > 八重葎茂れる里となりてなほダムとなりゆく村を恋ふ人(素蘭) (12月7日 23時32分)1039 > ボタ山に幼き夢の一もんめ酔へばかの地をかたる友あり (重陽) (12月8日 05時32分)1040 > ポケモンの名前すらすら挙ぐれども絶えて聞かざる童歌なり(素蘭) (12月8日 19時47分)1041 > 木枯しが背に沁みる日は小さくていいから歌の翼がほしい(たまこ) (12月8日 23時47分)1042 > 誰でもね見えない翼があるんだよ皆んなそれに気づかないだけ (萌) (12月9日 00時59分)1043 > 何度でもトライしてみむわたくしの翼とならむ手紙届きぬ(たまこ) (12月9日 10時44分)1044 > イカロスの翼をもちて翔けゆけり美(は)しき神ゆゑ焦がるる空に(素蘭) (12月9日 13時26分)1045 > アトラスの膂力尽きなば太虚なる粟散辺土如何になりなむ (堂島屋) (12月9日 18時06分)1046 > 地図帳に見る世界事情火薬庫の国境国名ころころ変わる(素蘭) (12月9日 22時00分)1047 > 変わらないものは神代の昔より生命を抱く海のふところ (萌) (12月10日 00時34分)1048 > 混迷は天誅なるか昏迷の二十日を余す二十世紀は (重陽) (12月10日 05時42分)1049 > 蛮声に奇声嬌声唱和して世紀末なるカオスの世界(素蘭) (12月10日 14時36分)1050 > 遠山に冬日かぎろふ楽しさよ鳴るものなべて天籟と聞く (堂島屋) (12月10日 20時02分)1050 > 霜柱のごとしと高層ビル群を見つつ師走の日本に戻る(たまこ) (12月10日 19時49分)1051 > 遠山にけふの冬日のかぎろひて鳴るものなべて天籟と聞く (堂島屋) (12月10日 20時05分)1052 > 帰化し得ぬメタセコイアが日本の初冬に無韻の炎を上げる(たまこ) (12月10日 23時44分)1053 > 秋の野は薄・刈萱あるものを泡立草の黄色目につく(素蘭) (12月11日 00時31分)1054 > 泡立草それでも日本に順化して一歩退くこと身につけており (萌) (12月11日 00時35分)1055 > 泡立草手向けむ花にあらねども淡き冬日の枯野に燃ゆる (重陽) (12月11日 04時41分)1056 > かの人の久しき歌の消息に久しきなるは旅と知りなむ (重陽) (12月11日 05時48分)1057 > いつのまにか心を深く捕らへられ戻り来て先ず「歌壇」を開く(たまこ) (12月11日 06時44分)1058 > たちまちに旅の余韻は霧散して子らへ公平にお土産わける(たまこ) (12月11日 07時00分)1059 > かの地にて求めし香を焚きひとり記憶の海にしばし漂ふ(素蘭) (12月11日 17時54分)1060 > 旅日記黄ばめるままに書架にあり我が人生に悔いあらめやも (堂島屋) (12月11日 18時02分)1061 > 石ころや木の実や落ち葉や押し花や旅につながるわが宝物(たまこ) (12月11日 19時07分)1062 > 宝物が石ころになる瞬間をおそれて自然につながりており (萌) (12月11日 23時41分)1063 > 小石蹴り蹴りつつ帰る夕まぐれ幼心に秘めしことあり(素蘭) (12月12日 00時27分)1064 > いい訳を思い巡らし窓の灯に心いためし幼なき頃の (重陽) (12月12日 04時50分)1065 > 本を読み雲を見遠い国を想ひ少女のわれに縁側ありき(たまこ) (12月12日 08時51分)1066 > グラマンを葉末に見やり桑の実の色に染まりて過ぎし日のこと(重陽) (12月12日 11時12分)1067 > 幼子の両手はつばさ飛行機になって広場におおきな円を描く(たまこ) (12月12日 18時02分)1068 > 楽しさの隣に寂しさのありて都会の広場と言える空間 (萌) (12月12日 23時31分)1069 > 春色のパシュミナふわり肩にかけ街に駈けゆく若さともしき(素蘭) (12月13日 00時50分)1070 > もつともつと子供のころを聞かせてよ草紅葉かがよふ河原に座り(たまこ) (12月13日 06時21分)1071 > 神奈備やいてふ黄葉にうづもれて翁わらはの舞ふぞ楽しき (堂島屋) (12月13日 12時11分)1072 > 白式の翁が舞へる能舞台たうたうたらりと鎮まりてゆく(素蘭) (12月13日 19時42分)1073 > 葉の先の少し縮れて濃くなりし紅葉がそっとかかる能舞台 (萌) (12月13日 23時29分)1074 > しはぶきのたへししじまに舞をまふ翁しづやか”島の千歳” (重陽) (12月14日 08時42分)1075 > 冬枯れの雑木林をゆらゆらと舞いゆく蝶の履く「赤い靴」(たまこ) (12月14日 16時36分)1076 > 降る雪と見紛ふばかりに乱れ飛ぶ蜉蝣のごと命果つるか(素蘭) (12月14日 18時54分)1077 > 降る雪の中で見たしと思いけり東京ミレナリオの祝祭空間 (萌) (12月14日 23時49分)1078 > 雪の降る日には一人で歩るきたいわたしの過去世はたぶん狼(たまこ) (12月15日 18時41分)1079 > 煌煌と天狼星は輝きて昴・オリオン星の饗宴(素蘭) (12月16日 01時14分)1080 > 研究室の窓に煌めくシリウスを深夜もどり来し夫が言へり(たまこ) (12月16日 07時44分)1081 > 草原に蒼きシリウス煌めきて騎馬民族の末裔照らす(素蘭) (12月16日 09時43分)1082 > 幾千の兵と馬との俑なるも等身大の生きるが如し (重陽) (12月16日 14時01分)1083 > 幾千の兵馬俑つくりなほ足りぬ疑心暗鬼の孤独な魂に(たまこ) (12月16日 23時15分)1084 > 暴かれて褐色砂岩の墓を出づミイラマスクの美(は)しき少年(素蘭) (12月17日 00時34分)1085 > 変声期の少年もう出ぬソプラノを千曲川辺の岩に試せり (萌) (12月17日 00時39分)1086 > 口ずさむ第九に添ひて年の瀬のテナーの声のすでに枯れしも (重陽) (12月17日 05時39分)1087 > かまきりの骸に積もりゆく枯れ葉枯れたるものはみな温かい(たまこ) (12月17日 07時14分)1088 > 枯葉ふむ音の楽しと登りゆくちろりちろりと軽く生きゆく(たまこ) (12月17日 22時31分)1089 > 紅葉づればやがて散りぬる碧天に欅大樹の一糸纏わず(しゅう) (12月17日 22時56分)1090 > 暮れなずむ街を彩る電飾に欅並木の痛ましくもあり(素蘭) (12月18日 00時33分)1091 > いつの夜も吾を迎へし門灯の守宮はすでに冬篭るらむ (重陽) (12月18日 06時23分)1092 > 赤ちやんをつれて春にはこの門に戻つておいで「おやすみやもり」(たまこ) (12月18日 10時30分)1093 > 出す当ても無きまま手紙書き散らす夢朧なる春の余白に(素蘭) (12月18日 19時06分)1094 > ほのぼのと雨の降る夜は『古今集』目に見ぬ人に心寄せつつ(たまこ) (12月18日 19時31分)1095 > 雪解けの水満来たる我が心汝を慕ひつつ溢れゆくかも (紀) (12月18日 20時02分)1096 > 愛しさは言葉にもせよ雪解けの溢るるよふに言ふてみせてよ(しゅう) (12月18日 22時07分)1097 > ワンザモールのお願いツリーに短冊の花咲けば虹の滝落ちきたる (萌) 東京ベイサイド有明のクリスマス風景 (12月19日 00時19分)1098 > とりどりの絵馬の詞の愛らしき人の祈りの今も昔も (重陽) (12月19日 05時21分)1099 > 山深く大きな椋に行き会ひし刹那一切われをゆだねぬ(たまこ) (12月19日 09時09分)1100 > 一樹にて杜のやうなる大椋を神様としてわたくしの日々(たまこ) (12月19日 09時21分) |