1201 > 故郷からはた故郷への荷もあらむ春の鉄橋を渡りゆく貨車(たまこ) (1月11日 06時39分) 1202 > 湾岸のルート狭しと連なりてトラック繁く北に南に(重陽) (1月11日 08時12分) 1203 > 引き返すチャンスをわざと逃がしつつ疾駆してゆく海光のなか(たまこ) (1月11日 18時50分) 1204 > 寒空で原チャリ君PAINTS雲間に浮かぶSNOWYプ〜(耽空) (1月12日 00時21分) 1205 > 雪降るや遙か連山隠しゐて鈍色雲の低く流るる(素蘭) (1月12日 00時54分) 1206 > 初空の十勝連山神さぶる厄の世の清まはるらむ(重陽) (1月12日 08時12分) 1207 > 初空を茜に染むる日の神の浴(あ)みする川は清らに流る(素蘭) (1月12日 19時26分) 1208 > 初空の遠雷あれはアポローが日の車に乗り天駆ける音(たまこ) (1月12日 22時27分) 1209 > 初雷の落ちてし里はヒュアキントス(千鳥草)の風の香やいといとほしき (春秋) (1月13日 00時22分)1210 > 水仙の香も雪のなか海岸にナルキッソスの面影見つめ(素蘭) (1月13日 01時09分) 1211 > 水仙の青き剣先庭隅の憂きも惑ひも天に吹きだす(重陽) (1月13日 04時53分) 1212 > いやいやとその花首を風に振る水仙の花はほころびながら(たまこ) (1月13日 12時38分) 1213 > 水仙の岬に向かい空と和し風にとけこむボンネットバス(萌) (1月13日 21時40分) 1214 > 背丈こす芦原の道を潮騒をたよりに岬へ走りし二十歳(たまこ) (1月13日 23時03分) 1215 > 船団の消えゆく影追ふロカ岬ここに地は果て海は始まる(素蘭) (1月14日 00時13分) 1216 > 波の音潮のにほひと月影は優しく包むこんな私を(春秋) (1月14日 02時17分) 1217 > 罪深き君なれ我なれ一日をタゴール詩集読みて過ごしつ(素蘭) (1月14日 10時53分) 1218 > ほんとなの「うんうん」嘘でしょ「うんうん」とパソコン画面に誤差追うきみは(たまこ) (1月14日 17時40分) 1219 > 伽羅たけばほのか春めくうづみ火にひもとくふみは白氏文集(堂島屋) (1月14日 19時03分) 1220 > 鶯の語るやけふも逝きしひと泉水汲むらむ花の底まで(紀) (1月14日 21時15分) 1221 > 池の水掛け合い押さえしその吐息思い出となりし花の井ノ頭(春秋) (1月14日 22時56分) 1222 > 井の頭公園 身近な水鳥と 動物園の象の隔たり(萌) (1月14日 23時13分) 1223 > 在る人を超ーウケルと連発し女子高生や遠ざかって行く(春秋) (1月14日 23時29分) 1224 > 暁(あかとき)のラジオ講座はただ眠く夢では解けた数列・行列(素蘭) (1月15日 00時11分) 1225 > 朝急ぐ車の中はバルセロナただ口ずさむ明日間に合うな〔アスタマニアーナ〕(春秋) (1月15日 01時11分) 1226 > タベルナというレストランあり南欧の人は大きな皿を重ねる(紀) (1月15日 11時05分) 1227 > バルセロナに再び行くならあの店のあの椅子もちろん向いにあなた(たまこ) (1月15日 11時57分) 1228 > 大皿のブイヤベースの蟹の色青くかがやくコートダジュール(重陽) (1月15日 12時07分) 1229 > だれもゐない渚に白い椅子二つ並んでありし冬のリビエラ(たまこ) (1月15日 15時20分) 1230 > アラビアの珈琲の香のほの薫る至福の夢を破る一報(紀) (1月15日 16時53分) 1231 > 歌に気を粉らせながら待つ知らせ寒気に窓は白く曇りつ(たまこ) (1月15日 17時40分) 1232 > 凍て果つる阿弥陀ヶ瀧に佇めば分かるる水の微かなる音(素蘭) 九頭竜川の分水嶺にある瀧 (1月15日 19時18分) 1233 > 分水の道に佇み降る雪の行方を見遣る遥かな海の(重陽) (1月15日 19時35分) 1234 > 天窓を流るる雲に照り翳り幸も不幸もやがて混沌(たまこ) (1月15日 21時12分) 1235 > 摩天楼めぐる男女の神ありていさ新しき國産みをせむ(紀) (1月15日 23時15分) 1236 > 摩天楼から楽園のドアの向こう人のTSUNAMIとなる桜坂(萌) (1月16日 00時01分) 1237 > 高層の窓に寄り添ひ黄昏が夜景となりし街を眺むる(素蘭) (1月16日 01時03分) 1238 > 参道を西へ渡りて眺むればセントラルパークや遥かに思ほゆ(春秋) (1月16日 05時13分) 1239 > 参道を西に向かいて潮騒に伊豆大島を遥か望みて(重陽) (1月16日 08時02分) 1240 > 流鏑馬の道やこの道人もなくただ凩のみが海に抜けゆく(紀) (1月16日 08時57分) 1242 > 微睡みのなかに聞こゆる虎落笛 笛吹男夢に追ひなむ(素蘭) (1月16日 18時52分) 1243 > 荒海の岬へだつとも風かよふ秘めし心の夢にのせなむ(重陽) (1月16日 20時41分) 1244 > 愛もなき別れなれども笛吹きのごとき唇して頬に触れけり(紀) (1月16日 21時39分) 1245 > いまはただすべてなくしてたたずんであいしたことはわすれはしない(春秋) (1月17日 00時18分) 1246 > 思い出の街かど今は変わりたり地震(なゐ)の記憶はやや薄るれど(萌) (1月17日 00時23分) 1247 > 思ひ出の街今のわれには遠けれど夢もうつつもきみに逢ひたい(素蘭) (1月17日 01時03分) 1248 > 明け方の夢を素通りしていつた草の匂ひを微かにのこし(たまこ) (1月17日 07時45分) 1249 > 何時だつて夢の途中でゐたいけど虚飾の街に漂つてゐる(素蘭) (1月17日 07時54分) 124 1 > 家の音絶えて追焚く湯に入りて木枯し聴くも淋しかりけり(しゅう) (1月16日 17時44分) 1250 > 「あなたがねえ昨日の夢に出てきたの」携帯電話で夢説く娘(紀) (1月17日 10時09分) 1251 > 二度寝して夢の続きを追いかけて一人佇む暮れ泥む空(晴雲) (1月17日 14時58分) 1252 > 追ひかける夢に魘され盗汗の遠くなりけり夢多き頃(重陽) (1月17日 16時13分) 1253 > わたしの夢は林檎のやうにくるくると西瓜をむいて食べるやうなこと(たまこ) (1月17日 16時32分) 1254 > 冬の林檎さりさり齧つて思ふのは鰻が好物なりにし茂吉(たまこ) (1月17日 17時42分) 1255 > 凍てつきて音もはてなむ星の夜の赤き熟柿の舌に溶けゆく(重陽) (1月17日 18時32分) 1256 > 冬麗カプチーノの香を楽しめどオープンカフェには誰も出てこず(春秋) (1月17日 23時27分) 1257 > 青山のすこし外れの原色とメタルカラーの接するカフェ(萌) (1月18日 00時33分) 1258 > モカマタリ カフェ・カプチーノほろ苦く思ひ出すのはあの喫茶店(素蘭) (1月18日 00時43分) 1259 > ほのぼのと寡黙の時の過ぎゆきて口に運んだ冷めたコーヒー(重陽) (1月18日 06時23分) 1260 > 受け皿の熱き紅茶を飲み干せば革命を説く君のまなざし(紀) (1月18日 08時41分) 1261 > 倫理学を友とぬけだし神宮の森に放ちし十九のこころ(たまこ) (1月18日 09時32分) 1262 > こころとはある日溢れし幸せもすぐ空になる悲しい器(しゅう) (1月18日 15時52分) 1263 > 人嫌ひ人恋しさのせめぐ夜はアダージョ流るる部屋に籠もれり(素蘭) (1月18日 19時56分) 1264 > 血と雨に濡れて逝きにし岸上大作 窓暗くして雪花が散る(たまこ) (1月18日 20時13分) 1265 > 四十九日の謂れ書かれし堂内のうす暗闇に風花舞い込む(萌) (1月18日 23時55分) 1266 > 風花となりて舞ひたき心地する暗き御堂に仏座せど(素蘭) (1月19日 00時25分) 1267 > 氷閉づ冷えた体に一縷の火目映き光ランスのカテドラ(春秋) (1月19日 01時12分) 1268 > 冬の星その瞳には迷いなし聖母に祈る旅人もまた(紀) (1月19日 10時39分) 1269 > クルーガ−教会の屋根の大時計止まりゐて旅人われも伸びをす(たまこ) (1月19日 10時52分) 1270 > 遥かなる干潟の風に僧院の尖塔そびゆモンサンミッシェル(重陽) (1月19日 14時23分) 1271 > サバンナの乾期の風にきらきらと飛びゐし小さき鳥を憶ふ日(たまこ) (1月19日 16時34分) 1272 > 水鳥の水尾のひろがりわが胸に秋の夕べの白き便箋(しゅう) (1月19日 23時03分) 1273 > 空青く海あをくして白鳥はただに白けり 歌人のごとく(素蘭) (1月20日 01時57分) 1274 > 夕映えの黄金豊かな冬磯に佇み吾はひとり愉しむ(重陽) (1月20日 06時52分) 1275 > 夕映えに豊かなるかな麦秋の近江の里にひとり佇む(素蘭) (1月20日 08時19分) 1276 > はらはらと万花こぼれる北の春石狩川は龍の如くに(重陽) (1月20日 08時43分) 1277 > 雪解けの水満ち来る我が心汝を慕ひつつ溢れけるかも(紀) (1月20日 17時03分) 1278 > はらはらと降りける雪に生(あ)れし日の雪の深さを思ひ重ねつ(素蘭) (1月20日 17時15分) 1279 > 雪解する山道行けば錦旗風にたなびく峠の茶屋は(春秋) (1月20日 17時24分) 1280 > 雪の夜の林檎のかほりに思ふのは北原白秋そしてその恋(たまこ) (1月20日 17時33分) 1281 > ありとある過ぎにし季節あふれだし夢の峠や涙もとまらぬ(春秋) (1月20日 17時41分) 1282 > 遥かなる思ひつめたる山稜に思ひのしかにいつぞ立ちなむ(重陽) (1月20日 18時16分) 1283 > 遙かなるきみに寄せたるわが思ひ朧なる夜の闇に溶けゆく(素蘭) (1月20日 18時52分) 1284 > 朝刊にいつしか君の現われて電話電話と囁いてゐる(しゅう) (1月20日 21時53分) 1285 > 気がつけばいつのまにか午後ひき寄せて電話に気泡のやうな言の葉(たまこ) (1月20日 22時02分) 1286 > 振り向けば追いかけてくる君がいた授業を抜け出しチャペルの丘へ(春秋) (1月20日 23時54分) 1287 > 振り向けばいつも君がゐたあの夏の日の輝きを胸に秘めつつ(素蘭) (1月21日 01時36分) 1288 > 今とても同じからずや歳々のことごとすべて遠くなつかし(重陽) (1月21日 05時23分) 1289 > 思ひ出は思ひ出のまま冬の虹のこちらで私は元気に生きる(たまこ) (1月21日 07時49分) 1290 > 末枯の曠野に懸かる時雨虹いつ果つるともひとり行く道(紀) (1月21日 08時19分) 1291 > 「定子」とふ美に殉じたる一生と『枕草子』読みつつ思ふ(素蘭) (1月21日 12時09分) 1292 > 梅の花一輪添へて春来ると永く患ふ友に送れり(小梅) (1月21日 17時57分) 1293 > 風寒み襟たてゆきし壊滅の神戸北野の梅は忘れず(堂島屋) (1月21日 20時31分) 1294 > 異国より今また伝はる惨状に神戸の街のかつてを思ふ(素蘭) (1月22日 00時07分) 1295 > 異国から新風はこぶ黒船や笑顔も涙もここは横浜(春秋) (1月22日 02時16分) 1296 > 異人館睦月如月哭きにけり身を震はする六甲おろし(紀) (1月22日 08時09分) 1297 > 魂の慟哭聞こゆ異国(ことくに)の獄舎にありて詠める歌より(素蘭) (1月22日 20時30分) 1298 > 雪深く友のかばねを埋めしこと歌ふべからず語るべからず(堂島屋) (1月22日 21時15分) 1299 > 恵まれし者の優しさ拒みゐて友は悲しみただ深めゆく(素蘭) (1月23日 00時31分) 1300 > 杖ひきて歩む媼を追ひ越せど又戻りゆきともに語りき(小梅) (1月23日 07時59分) |