1401 > 人知れぬ夜が明けぬれば朝寝髪あと少しだけリバーサイドに(春秋) (2月11日 04時47分)1402 > ユニクロのペアールックのきぬぎぬの時惜しむかに春磯に立つ(重陽) (2月11日 11時02分)1403 > ジァンジァンにプラネタリウム渋谷より撤去さるらし春惜しみつつ(素蘭) (2月11日 14時25分)1404 > プラネタリウム出でて見上げし都会の空一等星だけ単純明快(萌) (2月11日 23時07分)1405 > 赤道を越えたる旅ぞ漆黒の夜空の北に仰ぐ白鳥(素蘭)(2月12日 01時25分) 1406 > きたのきた青白き島りんどうの紫の園ノースクロスや(春秋) (2月12日 02時23分)1407 > いにしえの法王をりし城門の夾竹桃の盛んなるかな(重陽) (2月12日 05時48分)1408 > 城壁に立ちて叫びしカテリーナ 塩野七生のペンに息づく(素蘭) (2月12日 13時07分)1409 > 賢帝にさもらふ古き哲人の如くならまし御伽衆われ(堂島屋) (2月12日 18時11分)1410 > 流離ひし草にしのぎし乞食の何をか得べし衆に無きこと(重陽) (2月12日 19時34分)1411 > 雪降れば托鉢とてもままならず五合庵なる漂泊詩人(素蘭) (2月12日 22時17分)1412 > 時に我 漂泊詩人の気概もて真実のみに触れむと欲す(萌) (2月12日 22時51分)1413 > 商標や オレンジにAirTechフワリHair Bleachで(耽空) (2月12日 23時46分)1414 > 亜麻色の髪なびかせて乙女子はふらここ揺らす春の夕暮れ(素蘭) (2月13日 00時55分)1415 > 揺れ惑ふ舞たるしずか春の夢乙女となりし山手の人(春秋) (2月13日 06時30分)1416 > 子らの声朝な夕なの時ありし宅地の冬の静かに暮るる(重陽) (2月13日 07時56分)1417 > どの道をわれは来たりし山椿の咲きゐしことが記憶のすべて(たまこ) (2月13日 11時01分)1418 > 春寒き室戸の海へ散る赤の今めぐりつつ落ちてゆくなり(堂島屋) (2月13日 12時49分)1419 > 徘徊の黒き原潜小船打ち海の若人未だ帰らず(重陽) (2月13日 20時00分)1420 > 如月の海蒼くして水底に沈める船を嘆き見やれど(素蘭) (2月14日 01時23分)1421 > 原因究明よりもただちに母ならば海底の子を抱きたからむ(たまこ) (2月14日 11時15分)1422 > お前がね生まれたときは小さなで産湯でねそうすやすや寝てね(重陽) (2月14日 21時44分)1423 > 街かどが歯抜けのようにまた一軒変わってゆけど残る銭湯(萌) (2月14日 23時32分)1424 > 空洞化嘆く声さへ力無く老舗一軒のれん下ろしぬ(素蘭) (2月15日 00時48分)1425 > 孫たちも藍の浴衣でおばあちゃん日永嬉しき健康ランド(重陽) (2月15日 06時35分)1426 > 振り袖を揚羽のごとくかざりをり廃業まぢかの呉服の「紅屋」(たまこ) (2月15日 06時57分)1427 > 延々とレジに列なすカルフール三色の旗子らの瞳に(重陽) (2月15日 10時18分)1428 > 早春の風に乗りたき心地して三色菫窓辺に飾る(素蘭) (2月15日 14時15分)1429 > 森ふかく冬の苺の熟るる場所ヒミツにしたいことのひとつは(たまこ) (2月15日 17時41分)1430 > 丹精をそそぎ伝ふる冬薔薇や日系人も五世となりぬ(堂島屋) (2月15日 18時21分)1431 > 「樹齢は」と問へど答ふる人もなき父丹精の盆栽残る(素蘭) (2月15日 20時48分)1432 > 樹齢千年からが一人前という大洋の中に聳えたる島(萌) (2月15日 23時51分)1433 > 光風や時をかけゆき菩提樹にまばゆき遠き面影さざなむ(春秋) (2月16日 00時21分)1434 > 『冬の旅』第五曲なる『菩提樹』を合唱せしこと淡き思ひ出(素蘭) (2月16日 01時09分)1435 > さはやかに隠れし人もありにけり旅に生きたる介子推おもふ(堂島屋) (2月16日 09時32分)1436 > さやうならと振る手の白さに早春の空をよぎりてゆくは何鳥(たまこ) (2月16日 12時59分)1437 > めぐりきて惑ふ間となく長となり惑ひし日々の虚しくあらむ(重陽) (2月16日 13時09分)1438 > 虚辞虚勢張れども心露はなる臆面もなき言のあはひに(素蘭) (2月16日 19時04分)1439 > 露わなる地層の乱れ思うとき富士山の異変ひと事でなし(萌) (2月17日 00時16分)1440 > 不穏なる地殻の軋み何処よりいつまた地震(なゐ)の報や届かむ(素蘭) (2月17日 01時20分)1441 > 夕さりて燃え尽きたるほど風吠えて込みあげさうなムンクの叫びや(春秋) (2月17日 03時32分)1442 > 惑ふがにふる春の雪いつになれば生きゆくことに馴れられるのか(たまこ) (2月17日 08時34分)1443 > あはゆきのなべて消へゆくことの由ことはしばしの枝にむつまむ(重陽) (2月17日 10時37分)1444 > 世にあらむ刹那耀ふ結晶のあはれ淡雪水に還らむ(素蘭) (2月17日 16時39分)1445 > 遥々の伏流清き柿田川冨士の白雪幾世隔てむ(重陽) (2月17日 18時50分)1446 > 細やかな流れをみせる藻を見つつ水辺の散歩に心魅かれる(萌) (2月17日 19時56分)1447 > 菜の花の香ほの匂ふ水郷をそぞろ歩かむ春の夕暮れ(素蘭) (2月17日 22時53分)1447 > 菜の花の香匂ひたつ水郷をそぞろ歩かむ春の夕暮れ(素蘭) (2月17日 23時39分)1448 > 休耕のまばらに黄む菜の花のおどろの様もあはれうつくし(重陽) (2月18日 07時23分)1449 > あの日から別れは始まつたのだけど胸いつぱいに摘んだ菜の花(たまこ) (2月18日 09時33分)1450 > 卒業といふ二文字に送られてかの日かの時別れ告げたり(素蘭) (2月18日 14時44分)1451 > 限りなき出合い愉しき人の世の蓋し別れの辛きを耐へむ(重陽) (2月18日 16時05分)1452 > 何事も別れ上手を尊ぶと嘯く人に一理あるかな(堂島屋) (2月18日 20時33分)1453 > 梅が枝の一節春に嘯ける源氏の君のいとどめでたし(素蘭) (2月19日 00時39分)1454 > 花風や踏みては惜しむ同じくは輝く一輪少年の春(春秋) (2月19日 02時07分)1455 > 生命線を変へむとその掌を釘をもて彫りにき少年寺山修司(たまこ) (2月19日 13時19分)1456 > 剽窃の非難浴びつつ生涯を虚構に遊ぶ〈自己なき男〉(素蘭) 『寺山修司・遊戯の人』(杉山正樹著) (2月19日 19時41分)1457 > 自己という物があったらすがりたい書を捨て街へ無常を学びに(春秋) (2月20日 00時35分)1458 > すべからく動きの中に吾ありぬ思ふ思はぬするもせずとも(重陽) (2月20日 08時37分)1459 > 自らに向きあはむと発つ修行僧をテレビに観てをり吾はどんより(たまこ) (2月20日 20時47分)1460 > どんよりと曇りし空のひとところ春風の淡き色の兆しぬ(萌) (2月20日 23時59分)1461 > ほのぼのと春思はせる霞きて雪の嶺にも淡き色差す(素蘭) (2月21日 01時36分)1462 > 頂きに淡き色さす冨士の嶺暫しののちに春の日昇りぬ(重陽) (2月21日 05時49分)1463 > 十年後もそれより先も朝霧に鳴く鳶の声をたぶん聞きゐむ(たまこ) (2月21日 10時52分)1464 > ほのぼのと朝霧消えて嶋晴れぬ明石の橋をくぐる釣舟(堂島屋) (2月21日 12時46分)1465 > ほのぼのと霞初めたる春の日は空に透きゆく口笛(ふえ)とならまし(素蘭) (2月21日 20時04分)1466 > ほのぼのと思わせるものその光。誘われるそよ風みどりそのおかげ。 全て繋がり阿頼耶識私はいない生かされて。 彷徨いつづけ花の香はサン・テスプリか色の空。 鐘はひびいて喜びはあなたと共に永久の声。 (春秋) (2月21日 22時57分)1467 > 誘われるやわらかき日々よこの思い宇宙の風よあなたと共に(春秋) (2月21日 23時02分)1468 > この星のとてもやわらかい部分に触れた気のする乙女座の歌会(萌) (2月21日 23時46分)1469 > 初夏の夜空いろどる乙女座の女神麦の穂持ちて麗し(素蘭) (2月22日 00時58分)1470 > 凍む夜半の北への道に北辰を見つめし頃の青き思いは(重陽) (2月22日 09時39分)1471 > てのひらの小銭を男が数へをり夜の自販機の青き灯のなか(たまこ) (2月22日 10時16分)1472 > 自販機をなくせば二基の原発がいらぬと語る男のありき(素蘭) (2月24日 00時18分)1473 > 我もまた麦茶緑茶のボトル買ひ食の社会化嘆きつつ飲む(しゅう) (2月22日 22時05分)1474 > 自販機の許さぬ札の紫のお札も吾もこの国なるぞ(重陽) (2月22日 22時33分)1475 > 天帝のゐます紫微垣(しびえん)北辰を衛るべしとぞ古歌にはあれど(素蘭) (2月23日 00時37分)1476 > 西行の過ぎり行きにし山里に生(あ)れて微かに綿毛を飛ばす(たまこ) (2月23日 08時39分)1477 > 妹のがりあふさきるさに見し月の今宵は見えず瀧とよむらし(堂島屋) (2月23日 13時24分)1478 > かくすればかくなるものと知りながらなほ言ひつのる人の世の闇(素蘭) (2月23日 21時19分)1479 > つれづれに雨だれの音ききおりし時に愁ひて時に楽しぶ(重陽) (2月24日 06時43分)1480 > 雨の日のつれづれに開く鳥図鑑 鳥の横顔ばかりが並ぶ(たまこ) (2月24日 09時07分)1481 > また開く初三郎の鳥瞰図 鳥の目となり春にたゆとふ(素蘭) 吉田初三郎(1884〜1955) (2月24日 16時12分)1482 > 鳥の眼と虫の眼を持ち新しき町のたたずまいに触れにゆく(萌) (2月24日 17時35分)1483 > 街なみの今はさびれし故郷の幼な心に大志を与ふ(重陽)(2 月24日 18時43分)1484 > 朝にけに仰ぎし初代校長像ねびてし訪へば小さかりけり(堂島屋) (2月24日 19時36分)1485 > 渓谷にかかる吊橋今訪はば幼目に見し景や褪せなむ(素蘭) (2月25日 21時56分)1486 > ことごとの今に伝へしいにしえの人折々のいよよ大なり(重陽) (2月25日 07時28分)1487 > 里人の守りたまひし薄墨の桜今年もいのち咲かせむ(素蘭) (2月25日 14時26分)1488 > 千年の大公孫樹日溜りにリスをむかへて春をよぶなり(重陽) (2月25日 18時13分)1489 > 神さびし縄文杉は芽吹きたる日の風音の記憶とぢこめ(堂島屋) (2月25日 18時26分)1490 > やはらかに芽吹く雑草(あらくさ)踏みしめて野辺にたちなむ風となるまで(素蘭) (2月25日 21時57分)1491 > 歓迎の「君よ勝田の風になれ」幟はためくマラソン会場(しゅう) (2月25日 23時15分)1492 > 雨風の生まれるところ白白と動物園に上がる噴水(たまこ) (2月26日 12時09分)1493 > 病み上がり噴水のやうに生きようとレマンの湖畔あの季節のやうに(春秋) (2月26日 23時32分)1493 > 病み上がる噴水のやうに生きやうとレマンの湖畔あの季節(ころ)のやうに(春秋) (2月26日 23時37分)1494 > 白樺の樹に囲まれし湖畔より白き帆あげてヨット繰り出す(素蘭) (2月27日 00時45分)1495 > 葉のすべてが黄金(こがね)になりし白樺の静止ののちに微風にそよぐ(重陽) (2月27日 06時10分)1496 > 春風に乗せてお届けいたします「花・花・花」がテーマの歌会報(たまこ) (2月27日 09時57分)1497 > 春朝の真珠のような輝きに羽毛のように風にまどろむ(重陽) (2月27日 13時48分)1498 > 北風の「さよなら」ならむ朝の庭の真珠色した数枚の羽(たまこ) (2月27日 15時47分)1499 > 46500シラブル重ね来し言の葉に咲く花もあらなむ(堂島屋) (2月27日 20時32分)1500 > 春風にイーリスの旗匂ひたつ語り尽くせぬフィオレンティーナ(春秋) (2月27日 21時49分) |