桃李歌壇ホーム頁 連歌作品集


歌仙:宇宙を眠る

1997/4/27-6/9

連番 投句 俳号
発句 春宵や宇宙を眠る帚星 ひとし
 長閑に待たむ千年の夢 東鶴
3 閨(ねや)出でてけだるき先帝誕生日 りう
4  陽出づる国ぞ黄金光りて ひとし
5 満月や船出を待ちしコロンブス きこ
6  はたき込まれて今日負け相撲 りう
7 トントンと叩く海豚は軽業師 きこ
8  咳く偽善者に運命の音 ひとし
9 独房や弁論ぬきで水飲みて ばく
10  座して想ふは多頭の蓮 ゆう
11 ふつふつとあきつ地上に生(あ)れ継ぎて りう
12  むすぶ閼伽水散りゆく野菊 ひとし
13 茘枝食む黒衣をひそと濡らしつつ いう
14  人魚の涙零る月夜に ゆう
15 ゆるされて契る束の間波高く ばく
16  胸に鳴門の秘められし恋 ひとし
17 花散れば風の姿に君想ふ はる
18  裸足駈けゆく春の祭典 ゆう
19 浸したる指すりぬける鮎の肌 りう
20  載せる青葉に酒(ささ)汲みかはし ひとし
21 杯をあげたるのちの夕茜 りう
22  艶やかに聴くヴィオロンの吐息 ゆう
23 年明けてドナウの河に漣たちぬ きこ
24  おしのび旅行騒ぐ記者たち ゆみこ
25 心中といふほの白き道見えて りう
26  愛しき人の足喉元に ゆう
27 体育祭寝ころび覗く青い空 ゆみこ
28  亡き父語る秋風のごと きこ
29 翌檜にそよめく気配盆の月 ひとし
30  蚊帳よりいでて掻く脛の色 りう
31 蜂鳥や静寂に吸ひし蜜の味 はる
32  舞ふ命満つ羽音ぞ語る ひとし
33 石みちをささめき過ぐる春日傘 りう
34  姉妹揃ひて十三詣で きこ
35 還暦の花の白さや遅き暮 ゆう
挙句  初めも末もなき時ゆかし ひとし