5301 | 一千首の四分の三を乱れ詠みわが碑ぞ三十一文字は | 蘇生 | 1月5日 05時15分 |
5302 | 初春に時紡ぎ出す宙あれど花やおそきと鶯ぞなく | ひとまね | 1月5日 13時29分 |
5303 | 笹鳴きの声微かなる高台を初音が原と頼朝名付けむ | 弁慶 | 1月5日 16時00分 |
5304 | 枯紅葉碧を従へづんと立つ幽かな息吹枝先に篭め | 海月 | 1月5日 18時45分 |
5305 | 寒冷に肩をすぼめるわが前に白き光に映える鱗芽 | 蘇生 | 1月6日 06時07分 |
5306 | 風を読む巣立ちの鳥のつぶらな瞳葱の坊主がうなづきてをり | 真奈 | 1月6日 14時04分 |
5307 | 鴨鳴くや一文字草の畑の際寒き流れに群れて漂う | 弁慶 | 1月6日 14時14分 |
5308 | 葛湯にも春の香がするオイ猫よホーホケキョとは鳴かないもんか | 海月 | 1月6日 17時21分 |
5309 | 信長に猫をあずけて見ましょうよホケキョと鳴いて命乞うかも | 蘇生 | 1月6日 18時52分 |
5310 | 銀の猫子等に与えて西行は東を目指しスタスタと行く | 弁慶 | 1月6日 20時17分 |
5311 | どうせなら家康にしてちょーせんかミャーミャー鳴いとりゃケキョと聞くがや | 海月 | 1月6日 21時42分 |
5312 | 陸奥までは主君のために延年の舞を舞はうよ鈴掛の衣 | 丹仙 | 1月6日 21時56分 |
5313 | いつはりの勧進旅と知りつつも判官びいきのせきぞかねつる | ひとまね | 1月7日 10時47分 |
5314 | 西行の誉めし桜の束稲(たばねし)の山は吹雪の夕間暮れかな | 弁慶 | 1月7日 14時31分 |
5315 | 庚申をなどて照らさむ寒月や花を待ちつつ酒を酌みしや | 海月 | 1月7日 21時55分 |
5316 | 梵語でも漢国(からくに)人の言葉でもなく和語にて月の悟り開けり | 海斗 | 1月7日 22時35分 |
5317 | 手鞠唄 ひふみよいむなや ここのとを あけてぞ今朝は逢ふを許され | 紀 | 1月8日 10時09分 |
5318 | 関の石踏みてしのびしほととぎす破れ築地に細き道あり | 真奈 | 1月8日 11時36分 |
5319 | 衣の裾からげて渡る浅川の底石おほふ天鵞絨の苔 | 千種 | 1月8日 12時02分 |
5320 | 白河の以北は雪の広の原冬将軍の占領地かな | 弁慶 | 1月8日 12時04分 |
5321 | 君知るや水底深く沈む日に魚(いを)の心の揺らぎ靡くを | 紀 | 1月8日 15時13分 |
5322 | どんよりと鉛色した磯潮に冬陽をあびる小魚の群 | 蘇生 | 1月8日 18時12分 |
5323 | 松原に風吹きわたる冬の海沖合い遥かカモメ群れ飛ぶ | 弁慶 | 1月8日 18時40分 |
5324 | オフェリアの想ひは知らず水面には裳裾拡がる睡蓮の花 | 紀 | 1月8日 20時19分 |
5325 | 緑なる裳裾を拡げ鳥毛立つ飛鳥の女人(ひと)の声麗しき | 弁慶 | 1月8日 20時28分 |
5326 | 水無瀬川下ゆ深きにねぶりたる日はまた昇り裳裾輝く | 海月 | 1月8日 20時47分 |
5327 | 水無瀬川岸辺の里の白梅の匂いし彼方に雪の遠山 | 弁慶 | 1月9日 09時34分 |
5328 | 雪解けの水満来たる我が心汝を慕ひつつ溢れゆくかも | 紀 | 1月9日 10時26分 |
5329 | 白湯やさし涙涸れゐる真底にさやさやさやと沁み渡りゆく | ぽぽな | 1月9日 10時48分 |
5330 | さやさやと小夜の中山吹く風に妹の黒髪波打ちにけり | 弁慶 | 1月9日 20時34分 |
5331 | 親離れ子離れともにせつなくて小夜吹く風に揺るる星影 | たまこ | 1月9日 20時50分 |
5332 | 小夜更けてマナ−モ−ドの音微か嬉しかりけり君からのtel | 弁慶 | 1月9日 21時20分 |
5333 | 小夜千鳥鳴きつる声も波に消へ恋てふ祈り月に届くや | 海月 | 1月9日 21時33分 |
5334 | 三ヶ月に願いをかけし武者のごと君への想い月に祈らん | 弁慶 | 1月9日 22時05分 |
5335 | その人の吸ひて吐く息我がものと思ひつめたる真夜の静けさ | 紀 | 1月10日 00時33分 |
5336 | 恋しさに月夜も闇もひたすらに君を偲んで夜を明かすかな | 弁慶 | 1月10日 01時14分 |
5337 | 可惜夜の花の囁き聞きをればただふうはりと散るがのぞみと | 真奈 | 1月10日 10時39分 |
5338 | 散る花に己の姿重ぬれば音さへいとしと思ふこの夜は | 茉莉花 | 1月10日 10時59分 |
5339 | 黙想の夜にたゆたふ舟あれば眠りも深く黄泉の底まで | 紀 | 1月10日 17時15分 |
5340 | 渡し守雑談の末ふと云ふた誰が渡さむ汝と我とを | 海月 | 1月10日 18時07分 |
5341 | 駈けぬけし足裏白き少年の吊り橋揺する声のさざめき | 奈都 | 1月11日 11時12分 |
5342 | 吊橋の揺らぎに竦む乙女子の手を取り歩むたおやかな手を | 海斗 | 1月11日 17時23分 |
5343 | そよ風の吹けば岩間に巣立ちたる燕の子らの美 | は | 紀 |
5344 | 陽だまりに遊ぶ子雀寒九の日忘れ鉢にも萌ゆるもの見ゆ | 真奈 | 1月12日 00時26分 |
5345 | 冬の夜に一人生くるは寂しからむ小豆煮るなり母思ひつつ | 奈都 | 1月12日 10時36分 |
5346 | ストーブでポトフ煮ながら返事書く腹出し猫がパーをした | 海月 | 1月12日 15時14分 |
5347 | ストーブを囲みて話すあれやこれ結論いつも景気悪いね | 弁慶 | 1月12日 15時29分 |
5348 | 春の星じっと見つむる猫のごと今宵のことは忘れてしまふ | 奈都 | 1月12日 16時08分 |
5349 | 思い出は何故にか深く沈みいて時に呼吸しまた沈みゆく | 蘇生 | 1月12日 18時44分 |
5350 | 思い出を取り出してみるその時は心が静かに濡れているとき | 茉莉花 | 1月12日 19時19分 |
5351 | 忘るゝは忘れなきこと忘れ草身につけ給へ冬にしあれも | 海月 | 1月12日 20時20分 |
5352 | 悪ガキのカダフィいつかわけ知りの大人になったこれでいいのか | 真奈 | 1月12日 22時13分 |
5353 | 喫茶店君を待ちたるさざめきの紫煙に嗅ぐは微かなる罪 | 奈都 | 1月12日 22時40分 |
5354 | ニトロ持つ身となる我を知りてより煙草控える君のやさしさ | 茉莉花 | 1月12日 22時59分 |
5355 | 慰みのHOPE三箱をやめて知るヤニにまみれて臭きことごと | 蘇生 | 1月13日 06時12分 |
5356 | 凍る夜の温き血糊の跡形無し朝の駅踏む億千の足 | ぽぽな | 1月13日 12時01分 |
5357 | 血ぬられし眼鏡洗はぬレノンの忌マンハッタンのビル透かし見る | 奈都 | 1月13日 13時11分 |
5358 | コキコキと凍てる砂漠や血が落ちぬ狐はガキでただ老ひただけ | 海月 | 1月13日 15時17分 |
5359 | 雫石凍てし川面の雪のうえ野狐らしき足跡のあり | 弁慶 | 1月13日 17時37分 |
5360 | みずぐきのあとうるわしき歌みれば昔も今も変わらざるひと | ひとまね | 1月14日 00時48分 |
5361 | とび梅の真咲きの白を慈しみ今も変わらぬ祈る心は | 蘇生 | 1月14日 18時26分 |
5362 | アッシジの地にも平和を祈るらむ水琴窟の微かなる聲 | 奈都 | 1月14日 21時37分 |
5363 | 愛される者より愛す者なれと聖フランシス祈り給ひき | 千種 | 1月14日 22時37分 |
5364 | 海洞実の弾けるごとく自爆せる幼き顔の痛ましきかな | 真奈 | 1月14日 23時42分 |
5365 | 真実の生をも知らぬ幼子が自爆を知るや殺すは誰ぞ | 蘇生 | 1月15日 06時55分 |
5366 | 若者の不作法嘆く中にひとり「我々が悪い」と厳しき声飛ぶ | 茉莉花 | 1月15日 10時57分 |
5367 | 紅白の梅の花咲く奥津城へ垂乳根の母は旅立ちにけり | 弁慶 | 1月15日 17時00分 |
5368 | つむり病み枇杷むく母の細き指どれみふぁそらしど歌ふソプラノ | 真奈 | 1月15日 18時52分 |
5369 | 枯葎そのままにして母いないテンテケ太鼓叩いてみよう | 海月 | 1月15日 22時15分 |
5370 | 初孫を抱きて歌ふその聲はわが母の唄聴くも懐かし | 奈都 | 1月15日 22時43分 |
5371 | たらちねの落語オペラのベルカント鶴女手をつきあーらわが君 | 真奈 | 1月16日 14時15分 |
5372 | 清六が安藤二蔵に胸肉の五百匁を迫る新作 | 千種 | 1月16日 17時15分 |
5373 | 鏡片でリスカしたる子また来る胸が寒いの全部が嫌い | 海月 | 1月16日 18時33分 |
5374 | 風寒き流れの岸に翁いて織部の緑の川海苔を採る | 弁慶 | 1月16日 21時06分 |
5375 | 裸木は風の記憶に脊を伸ばし春の希みに顔をあげたる | 真奈 | 1月16日 21時46分 |
5376 | 春を待つ願いの強さ水仙の黄と白に染む英国の苑 | 茉莉花 | 1月17日 00時22分 |
5377 | ふりそめし雪をおさめて願ふごと八十葉の椿天を窺ふ | 奈都 | 1月17日 10時57分 |
5378 | 淡雪の降るゆかしさよ夕暮れの旅寝の宿の露天風呂かな | 弁慶 | 1月17日 14時19分 |
5379 | 遠目には白き花おく梅が枝は盛りし紅に添ひし初雪 | 蘇生 | 1月17日 16時08分 |
5380 | 白梅がちららほららと雪のなか神籤をつけて咲き誇るごと | 海月 | 1月17日 18時17分 |
5381 | 寒中に屹立として凛として梅に男の姿重ねる | 茉莉花 | 1月17日 18時49分 |
5382 | 厳寒に楚々と咲きたる紅梅は手甲佩びたる早乙女のごと | 蘇生 | 1月17日 19時09分 |
5383 | いにしへの紅鶯宿と詠まれける和泉式部の梅は軒端に | 真奈 | 1月17日 20時01分 |
5384 | 淡雪がまだらに残る北屋根の真下に紅き梅の勢い | 蘇生 | 1月18日 07時12分 |
5385 | ひすがらの吹雪に逢へど永平の一華を蔵す古き梅の樹 | 丹仙 | 1月18日 10時48分 |
5386 | 早咲きの「河津の桜」咲きにけり年のはじめにかすみ立つらし | 弁慶 | 1月18日 14時28分 |
5387 | 桜待つ消灯後にも雪やまず蹴倒すか雪燃やそうか雪 | 海月 | 1月18日 18時21分 |
5388 | 明日あるを恃む心の櫻花流るる雲の母の背に似て | 真奈 | 1月18日 23時52分 |
5389 | 梅桜の模様あしらう西陣の帯しめし君の麗しきかな | 弁慶 | 1月19日 13時41分 |
5390 | 鶯の色の留袖身にまとひ春の訪れ心踊りて | 李花 | 1月19日 23時45分 |
5391 | 石臼に杵下ろす度子供らの国の母音の立ち上るなり | ぽぽな | 1月20日 04時14分 |
5392 | 日本語の柔くやさしき響きなるガ行鼻濁音すでに古りしか | 茉莉花 | 1月20日 10時22分 |
5393 | 和やかにやさしき声で「無縁坂」歌いし母も今はいまさず | 弁慶 | 1月20日 20時32分 |
5394 | 坂の名はのぼり坂とかくだり坂胸突八丁さびさびと風 | 真奈 | 1月20日 22時20分 |
5395 | 寒ざれて笑っちゃうよな抜けた空ねこ付いてくる豆腐屋の坂 | 海月 | 1月20日 22時40分 |
5396 | 幼き日坂のぼり来る豆腐屋の間延びした声今はなつかし | 弁慶 | 1月21日 11時52分 |
5397 | 吾を歌にいざないしその一冊は松下竜一「豆腐屋の四季」 | 茉莉花 | 1月21日 13時41分 |
5398 | 竹の子の傘を被りて豆腐小僧江戸ご府内に配る妖怪 | 真奈 | 1月21日 14時55分 |
5399 | 護符降るええじゃないかやえじゃないか山河在りとは露知らぬ冬 | 海月 | 1月21日 20時24分 |
5400 | フィヨルドのほとりにいつか帰る人声ひっそりとソルベージ歌ふ | 千種 | 1月21日 21時39分 |