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5344 |
陽だまりに遊ぶ子雀寒九の日忘れ鉢にも萌ゆるもの見ゆ |
真奈 |
1月12日
00時26分 |
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5345 |
冬の夜に一人生くるは寂しからむ小豆煮るなり母思ひつつ |
奈都 |
1月12日
10時36分 |
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5346 |
ストーブでポトフ煮ながら返事書く腹出し猫がパーをした |
海月 |
1月12日
15時14分 |
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5347 |
ストーブを囲みて話すあれやこれ結論いつも景気悪いね |
弁慶 |
1月12日
15時29分 |
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5348 |
春の星じっと見つむる猫のごと今宵のことは忘れてしまふ |
奈都 |
1月12日
16時08分 |
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5349 |
思い出は何故にか深く沈みいて時に呼吸しまた沈みゆく |
蘇生 |
1月12日
18時44分 |
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5350 |
思い出を取り出してみるその時は心が静かに濡れているとき |
茉莉花 |
1月12日
19時19分 |
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5351 |
忘るゝは忘れなきこと忘れ草身につけ給へ冬にしあれも |
海月 |
1月12日
20時20分 |
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5352 |
悪ガキのカダフィいつかわけ知りの大人になったこれでいいのか |
真奈 |
1月12日
22時13分 |
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5353 |
喫茶店君を待ちたるさざめきの紫煙に嗅ぐは微かなる罪 |
奈都 |
1月12日
22時40分 |
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5354 |
ニトロ持つ身となる我を知りてより煙草控える君のやさしさ |
茉莉花 |
1月12日
22時59分 |
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5355 |
慰みのHOPE三箱をやめて知るヤニにまみれて臭きことごと |
蘇生 |
1月13日
06時12分 |
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5356 |
凍る夜の温き血糊の跡形無し朝の駅踏む億千の足 |
ぽぽな |
1月13日
12時01分 |
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5357 |
血ぬられし眼鏡洗はぬレノンの忌マンハッタンのビル透かし見る |
奈都 |
1月13日
13時11分 |
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5358 |
コキコキと凍てる砂漠や血が落ちぬ狐はガキでただ老ひただけ |
海月 |
1月13日
15時17分 |
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5359 |
雫石凍てし川面の雪のうえ野狐らしき足跡のあり |
弁慶 |
1月13日
17時37分 |
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5360 |
みずぐきのあとうるわしき歌みれば昔も今も変わらざるひと |
ひとまね |
1月14日
00時48分 |
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5361 |
とび梅の真咲きの白を慈しみ今も変わらぬ祈る心は |
蘇生 |
1月14日
18時26分 |
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5362 |
アッシジの地にも平和を祈るらむ水琴窟の微かなる聲 |
奈都 |
1月14日
21時37分 |
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5363 |
愛される者より愛す者なれと聖フランシス祈り給ひき |
千種 |
1月14日
22時37分 |
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5364 |
海洞実の弾けるごとく自爆せる幼き顔の痛ましきかな |
真奈 |
1月14日
23時42分 |
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5365 |
真実の生をも知らぬ幼子が自爆を知るや殺すは誰ぞ |
蘇生 |
1月15日
06時55分 |
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5366 |
若者の不作法嘆く中にひとり「我々が悪い」と厳しき声飛ぶ |
茉莉花 |
1月15日
10時57分 |
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5367 |
紅白の梅の花咲く奥津城へ垂乳根の母は旅立ちにけり |
弁慶 |
1月15日
17時00分 |
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5368 |
つむり病み枇杷むく母の細き指どれみふぁそらしど歌ふソプラノ |
真奈 |
1月15日
18時52分 |
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5369 |
枯葎そのままにして母いないテンテケ太鼓叩いてみよう |
海月 |
1月15日
22時15分 |
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5370 |
初孫を抱きて歌ふその聲はわが母の唄聴くも懐かし |
奈都 |
1月15日
22時43分 |
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5371 |
たらちねの落語オペラのベルカント鶴女手をつきあーらわが君 |
真奈 |
1月16日
14時15分 |
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5372 |
清六が安藤二蔵に胸肉の五百匁を迫る新作 |
千種 |
1月16日
17時15分 |
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5373 |
鏡片でリスカしたる子また来る胸が寒いの全部が嫌い |
海月 |
1月16日
18時33分 |
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5374 |
風寒き流れの岸に翁いて織部の緑の川海苔を採る |
弁慶 |
1月16日
21時06分 |
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5375 |
裸木は風の記憶に脊を伸ばし春の希みに顔をあげたる |
真奈 |
1月16日
21時46分 |
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5376 |
春を待つ願いの強さ水仙の黄と白に染む英国の苑 |
茉莉花 |
1月17日
00時22分 |
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5377 |
ふりそめし雪をおさめて願ふごと八十葉の椿天を窺ふ |
奈都 |
1月17日
10時57分 |
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5378 |
淡雪の降るゆかしさよ夕暮れの旅寝の宿の露天風呂かな |
弁慶 |
1月17日
14時19分 |
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5379 |
遠目には白き花おく梅が枝は盛りし紅に添ひし初雪 |
蘇生 |
1月17日
16時08分 |
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5380 |
白梅がちららほららと雪のなか神籤をつけて咲き誇るごと |
海月 |
1月17日
18時17分 |
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5381 |
寒中に屹立として凛として梅に男の姿重ねる |
茉莉花 |
1月17日
18時49分 |
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5382 |
厳寒に楚々と咲きたる紅梅は手甲佩びたる早乙女のごと |
蘇生 |
1月17日
19時09分 |
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5383 |
いにしへの紅鶯宿と詠まれける和泉式部の梅は軒端に |
真奈 |
1月17日
20時01分 |
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5384 |
淡雪がまだらに残る北屋根の真下に紅き梅の勢い |
蘇生 |
1月18日
07時12分 |
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5385 |
ひすがらの吹雪に逢へど永平の一華を蔵す古き梅の樹 |
丹仙 |
1月18日
10時48分 |
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5386 |
早咲きの「河津の桜」咲きにけり年のはじめにかすみ立つらし |
弁慶 |
1月18日
14時28分 |
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5387 |
桜待つ消灯後にも雪やまず蹴倒すか雪燃やそうか雪 |
海月 |
1月18日
18時21分 |
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5388 |
明日あるを恃む心の櫻花流るる雲の母の背に似て |
真奈 |
1月18日
23時52分 |
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5389 |
梅桜の模様あしらう西陣の帯しめし君の麗しきかな |
弁慶 |
1月19日
13時41分 |
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5390 |
鶯の色の留袖身にまとひ春の訪れ心踊りて |
李花 |
1月19日
23時45分 |
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5391 |
石臼に杵下ろす度子供らの国の母音の立ち上るなり |
ぽぽな |
1月20日
04時14分 |
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5392 |
日本語の柔くやさしき響きなるガ行鼻濁音すでに古りしか |
茉莉花 |
1月20日
10時22分 |
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5393 |
和やかにやさしき声で「無縁坂」歌いし母も今はいまさず |
弁慶 |
1月20日
20時32分 |
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5394 |
坂の名はのぼり坂とかくだり坂胸突八丁さびさびと風 |
真奈 |
1月20日
22時20分 |
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5395 |
寒ざれて笑っちゃうよな抜けた空ねこ付いてくる豆腐屋の坂 |
海月 |
1月20日
22時40分 |
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5396 |
幼き日坂のぼり来る豆腐屋の間延びした声今はなつかし |
弁慶 |
1月21日
11時52分 |
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5397 |
吾を歌にいざないしその一冊は松下竜一「豆腐屋の四季」 |
茉莉花 |
1月21日
13時41分 |
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5398 |
竹の子の傘を被りて豆腐小僧江戸ご府内に配る妖怪 |
真奈 |
1月21日
14時55分 |
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5399 |
護符降るええじゃないかやえじゃないか山河在りとは露知らぬ冬 |
海月 |
1月21日
20時24分 |
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5400 |
フィヨルドのほとりにいつか帰る人声ひっそりとソルベージ歌ふ |
千種 |
1月21日
21時39分 |