6401 | 悪童と呼ばれし頃も懐かしくセピア色した写真一枚 | 弁慶 | 3月12日 09時33分 |
6402 | やんなんなあお前のベーゴマ持つてるよ捨てっちまうか俺の棺桶 | 海月 | 3月12日 12時44分 |
6403 | 盲目の義父の語りを書き取りて甘酒売りの声響く夜 | 海斗 | 3月12日 14時56分 |
6404 | 甘酒をふーふー飲みつつ戻りゆくあなたの故郷わたしの故郷 | たまこ | 3月12日 22時57分 |
6405 | 機窓から見ゆる小磯の故郷の立ちたる岩に今も白波 | 蘇生 | 3月13日 08時27分 |
6406 | 我が妹子は失せりにけりないたづらにしらたき豆腐鍋の間に間に | 海斗 | 3月13日 09時59分 |
6407 | 長ねぎは斜めに切ってはいけないよ眠りし妻の言葉を守る | 田所勉 | 3月13日 10時52分 |
6408 | 玉葱をきりて涙す吾妻の横顔見れば老いの兆しが | 弁慶 | 3月13日 12時10分 |
6409 | しらたきの滝をば吾は流しをり眺めせしまにワンコ満足 {すき焼き返歌} | 海月 | 3月13日 22時07分 |
6410 | 箸速き友とすき焼きくらわんと思えど肉は絶え絶えにけり | 弁慶 | 3月13日 23時22分 |
6411 | 三角や丸や矩形やおでん鍋ライブドアから若き箸飛ぶ | 真奈 | 3月15日 14時49分 |
6412 | どろどろと欲と理念があざなえる右往左往の株の末路は | 蘇生 | 3月16日 09時29分 |
6413 | 切り株に芽生えし若芽はやわらかな春の日差しの中にあるかな | 弁慶 | 3月17日 03時41分 |
6414 | 梅の香は春の温みを待つこころ沈丁薫る春や溢るる | 海斗 | 3月17日 22時01分 |
6415 | 明日ひらく蕾ばかりを選りて食む鵯(ひよ)の食欲まこと健やか | かわせみ | 3月17日 22時20分 |
6416 | 春彼岸 父に供へむと丸めゐる白玉団子の目に沁む白さ | たまこ | 3月17日 23時38分 |
6417 | ものの芽の青 を抜かんと吾が墓へ彼岸参りの賑はふ中を | 蘇生 | 3月18日 08時51分 |
6418 | いざ子ども春の野に出でうらうらと酒酌み交はし嘆き歌はむ | 海斗 | 3月18日 10時18分 |
6419 | 花粉症うつりにけりな徒らにわが身ひとつの欝にあらねど | 真奈 | 3月18日 18時54分 |
6420 | 哀れともいふべき人は目のかゆさくしゃみはなみずはなづまりにて | 千種 | 3月18日 20時59分 |
6421 | 願わくば杉の林に寝転びて花粉症なる病に罹らん | 弁慶 | 3月19日 00時01分 |
6422 | こひ願ふ吾が足に夫の患ひよ癒えてふたたび大気にたたまし | れん | 3月19日 13時50分 |
6423 | 目の玉をひょいととり出し丸洗い出来ぬものかやスギ花粉症 | 蘇生 | 3月19日 16時41分 |
6424 | 鳥避けの大きな目玉をつけられてさみしいさみしい塒の楓 | たまこ | 3月20日 00時04分 |
6425 | 遠くより子らのさざめき沸きあがり広場の鳥の空へ翔け行く | 海斗 | 3月20日 01時39分 |
6426 | 姿川遠き霞の彼方へと流れて末は思川かな | 弁慶 | 3月20日 10時59分 |
6427 | 春一番すぎて夜空に隆起する富士の裾野の煙りたつみゆ | れん | 3月20日 12時47分 |
6428 | 去年の実のいくつか残る枝をはり鈴掛の木は春一を待つ | たまこ | 3月20日 13時30分 |
6429 | 南総の花の香載せて春一番トラック野郎葛西橋ゆく | 真奈 | 3月20日 23時54分 |
6430 | 春一番雪解の水音こだまする硲の陰に猫柳咲く | 3月21日 00時45分 | |
6431 | 春寒の雨の大学謝恩会「謝恩」を受けて夫がもどる | たまこ | 3月21日 08時12分 |
6432 | 春寒の一日小さき者とゐて玄海島の地震をも知らず | 文枝 | 3月21日 11時01分 |
6433 | 春寒し雨は冷たく地震の報こじれし風邪の癒えて退院 | れん | 3月22日 17時50分 |
6434 | 梅園の白き蕾を愛しむ生きてしあれば今日の一日を | 丹仙 | 3月22日 20時40分 |
6435 | 受診をへし母ともどれば陽はうらら猫に声かけ白梅あほぎ | たまこ | 3月23日 01時18分 |
6436 | 春雨にけぶるようなる昼下がり診療室はマスク成人 | 蘇生 | 3月23日 16時33分 |
6437 | 海見ゆる寺にけぶれる山茱萸の小さき地蔵に何か言ふらん | 真奈 | 3月24日 10時41分 |
6438 | 午後からの雨があがりて今しがた凪の浜辺に沈丁香る | 蘇生 | 3月25日 08時21分 |
6439 | 雨足の遠ざかり行く峠道春の日差しの暖かきかな | 弁慶 | 3月26日 00時33分 |
6440 | 澄みわたる空の青さよ月うるみ春の夜風のいささか冷たし | れん | 3月26日 08時43分 |
6441 | 秀吉の一夜城より北見れば江ノ島鎌倉春霞の中 | 弁慶 | 3月26日 11時20分 |
6442 | 秀吉の右手の親指二本あり噂話も夢のまた夢 | 海斗 | 3月26日 11時40分 |
6443 | もののふの古道たどればそこ此処に今はとばかりはくれんの花 | 蘇生 | 3月28日 10時45分 |
6444 | はくれんのほたと落ちをり心の臓化天の内も夢は壱畳 | 海月 | 3月28日 16時35分 |
6445 | 先きゆきの展望こめて夢でなくされど現はゆめ一畳か | れん | 3月28日 23時08分 |
6446 | 夢のやうな日だつたと思ひだすだらう丘には石の風車が廻り | たまこ | 3月29日 18時44分 |
6447 | 小雨降る夜の銀座の路地の奥赤い風車の踊り子の歌 | 弁慶 | 3月29日 23時09分 |
6448 | 今だけが生きてる証し望郷の外人部隊のビラ風に哭く | 真奈 | 3月30日 10時35分 |
6449 | スマトラをまたも襲いし大地震衆生済度の慈悲もなきかな | 蘇生 | 3月30日 13時40分 |
6450 | 天地 (あめつち)の理(ことわり)ゆゑにその上に生を受けたる者や哀しき | 海斗 | 3月30日 23時58分 |
6451 | ぼくのせいラジカセ欲しいと云つたからかあさん死んだとうさん死んだ | 海月 | 3月31日 17時30分 |
6452 | 父母の既に世を去り幾年ぞ異邦人のごと故里の宿 | れん | 3月31日 22時23分 |
6453 | 故郷の花の散りかふ石のうへ独り我が身の影を歩ます | 丹仙 | 4月1日 16時48分 |
6454 | 小さき影を踏んで踏まれて戯るる親子の頭上を春陽が渉る | たまこ | 4月2日 03時55分 |
6455 | 金曜日午後の堤に竿のべて玉の春日の風に親しむ | 蘇生 | 4月2日 05時46分 |
6456 | コンビニで子供の土産買ふついでパックの酒を提げる朧夜 | 海斗 | 4月2日 07時53分 |
6457 | おだやかな春のひざしのそそぐなか頬をなでゆく微かなる風 | 弁慶 | 4月2日 07時55分 |
6458 | 春風に潜りこまれてむつつりの欅くすくす古葉をちらす | たまこ | 4月2日 09時03分 |
6459 | 随心院小町の井戸の春落ち葉我が心情を隠し尽くして | 千種 | 4月2日 21時44分 |
6460 | 吹く風の音のかそけき春の日に一人静の白き花咲く | 弁慶 | 4月2日 22時58分 |
6461 | 大地からからくも噴き出づ赤き芽は芍薬ならむ風の微かに | れん | 4月2日 23時54分 |
6462 | 芍薬の若芽の尖の露の玉 風にかすかに小鈴の音する | たまこ | 4月3日 06時14分 |
6463 | 磯波のゆらぎにまかせゆらゆらとゆらぐ若布や春は来にけり | 蘇生 | 4月3日 09時08分 |
6464 | 若布刈る人に尋ねん波の下に花の都のさぶらうべしや | 弁慶 | 4月3日 10時20分 |
6465 | 高校の窓辺に友と語りにき冠雪の山の向かうの東京 | たまこ | 4月3日 23時02分 |
6466 | 道づたひに求め来し姿あぜんとす故里の山まさに開かれ | れん | 4月3日 23時33分 |
6467 | 開発を阻止し残りし裏山の神さぶるかな大山櫻 | 蘇生 | 4月4日 07時36分 |
6468 | 目をしひてロザリオ胸にかけゐたる君はにはかに神のもとへゆく | れん | 4月4日 21時48分 |
6469 | わが灰は犬猫隣り埋めよてふわざわざ海に行くまでもない | 海月 | 4月5日 08時39分 |
6470 | 蛇行する川面に写る曇天に浮く花びらは希望のごとし | たまこ | 4月6日 05時30分 |
6471 | 足柄や相模に流るる花吹雪彼方に春の雪の富士みゆ | 弁慶 | 4月6日 09時25分 |
6472 | 国分川若木の花の光りつつ天の点なる雲雀囀る | 千種 | 4月6日 17時34分 |
6473 | 眼科室窓の形に見たりしは初桜なり空の青さよ | れん | 4月6日 22時02分 |
6474 | 山の際にほつほつ白き夕桜老い木は花もかそかなりけり | かわせみ | 4月6日 23時25分 |
6475 | やまざくら咲きにけらしな緑なす真木立つ山の裾のあたりに | 弁慶 | 4月6日 23時50分 |
6476 | 生き代わり復たみむと思う遠桜息子の肩越しにうすく烟りて | 花 | 4月7日 08時14分 |
6477 | 若き木の枝垂れ桜の蕾つく大木は病みうち倒されたり | れん | 4月7日 13時47分 |
6478 | 老木に胴吹き桜の枝見ればいのちの限り咲けよとぞ思ふ | 真奈 | 4月7日 22時53分 |
6479 | 吊革に諸手預けて車窓より眺めせし間の櫻なりけり | 海斗 | 4月7日 22時57分 |
6480 | 爛春に急な夏日の昼下がり上着を手にし花に連なる | 蘇生 | 4月8日 05時23分 |
6481 | 舂けばしろき翼をゆるがせて鳳となる夕べ桜は | かわせみ | 4月8日 07時58分 |
6482 | 鳳のごとき喜びDr.を頼りて夫の明日は退院 | れん | 4月8日 17時19分 |
6483 | 退院の君を包むは満開の桜なるかな穏やかであれ | 雛菊 | 4月8日 20時33分 |
6484 | 花も充つモーツアルトなど聴きながら薄茶で乾杯しようじゃないか | 海月 | 4月8日 23時03分 |
6485 | 眼裏に顕つや万朶の吉野山「そうねぇ!それもいいかも知れない」 | 花 | 4月9日 08時51分 |
6486 | ありがたう幾度も言ひて夫退院あたたかきこころ桜盛りなり | れん | 4月9日 12時30分 |
6487 | 白むまで『西行花伝』読みをれば女院の声の華やぎて明し | 真奈 | 4月9日 12時33分 |
6488 | 華やぎて鳳のごと爛漫と群れ咲くさくら薄墨に映え | れん | 4月10日 13時29分 |
6489 | 寄り添ひて寄り添ひをりて花筏生きてをること不思議と思ふ | 海月 | 4月10日 20時47分 |
6490 | 左手と右手あることわたくしがここに在ること昼の薄月 | かわせみ | 4月11日 08時36分 |
6491 | 埒もなきこと告げ合いて寂しけれ存在証明のごときメールは | 花 | 4月11日 13時36分 |
6492 | 爛漫の花は静かに雨に添い夕べに白く爛々とせり | 蘇生 | 4月11日 17時59分 |
6493 | 降りつづく雨のやうやく真夜に入り桜一木のまれて消ゆる | れん | 4月12日 06時26分 |
6494 | やはらかき雨もいつしかこはらかに花の名残りを絶つがごとくに | 蘇生 | 4月12日 08時14分 |
6495 | 春北風吹きぬけてゆく国境夢のかけはし花を掲げん | 真奈 | 4月13日 08時32分 |
6496 | 風吹けば相模へ流るる花吹雪乙女峠の春の夕暮れ | 弁慶 | 4月13日 10時05分 |
6497 | 夕の暮れ真夜の闇はもあけたれば桜うつつに甦りたり | れん | 4月14日 10時33分 |
6498 | 見飽かぬといふよりもつのる枯渇感さくら並木をゆけどもゆけども | たまこ | 4月14日 10時48分 |
6499 | さくら道抜けて訪ねし老ホーム壁に貼られし小学唱歌 | 文枝 | 4月14日 20時29分 |
6500 | 花の道登り辿れば北の空彼方に春の雪の富士見ゆ | 4月14日 23時25分 |