6801 | 秋晴れは三日続かず今朝の雨おさへがたきは心のうつり | ぎを | 10月27日 10時06分 |
6802 | 雲行きは怪しいけれど秋空のことゆえ傘は持たずにゆかん | たまこ | 10月28日 01時41分 |
6803 | 時雨るれば檜の笠の文字の色後ろ姿を追って風狂 | 千種 | 10月28日 23時57分 |
6804 | 霜天に音かすかなる橋の上楓橋夜泊寒山寺の鐘 | 弁慶 | 10月29日 12時24分 |
6805 | カラス鳴く夜に月なく眠りなく思ふ千里に秋は更けゆく | 深海鮟鱇 | 10月29日 21時12分 |
6806 | うつりにけるなひたぶるにわたくしの怒りと諦念あきふりやまず | 海月 | 10月30日 09時36分 |
6807 | 鎌倉の小町通りを我行けば実朝の木の黄葉たしかに | 弁慶 | 10月30日 12時54分 |
6808 | この年の黄葉も見づ部屋ごもり百合の実莢のなだりに顕ちぬ | れん | 10月30日 17時45分 |
6809 | 島山の高砂百合の枯れ実莢 軽やかに鳴る風に打ち合い | たまこ | 10月30日 23時46分 |
6810 | 遠山の頂き白くなりにけり紅葉散り舞う奥入瀬の岸 | 弁慶 | 10月31日 00時40分 |
6811 | 土手道のかなたに見えし冬の富士あふことかなふやあと数月 | ぎを | 10月31日 17時01分 |
6812 | 空澄まば富士に逢ひたき白妙の峰に茜の光さすとふ | 寂 | 11月1日 22時38分 |
6813 | 轟なる雷すこし富士はいざひとつの便りこころにしみぬ | れん | 11月1日 23時28分 |
6814 | 神無の月を迎へて聳えたつ富士をはるかに望む幸せ | 蘇生 | 11月2日 07時11分 |
6815 | 頂に初冠(ういこうぶり)の雪見えて雲無き空に霜月の富士 | 弁慶 | 11月2日 08時47分 |
6816 | 越前の浜より遠き白山の雪の頂き朝の陽に映ゆ | 真奈 | 11月2日 13時47分 |
6817 | 一冊のアルバムとなる思ひ出の中の微笑み雪の詩仙堂 | ぎを | 11月2日 14時09分 |
6818 | 気骨ある武士の誉れや詩仙堂左京の辺りの文の香りよ | 弁慶 | 11月2日 23時06分 |
6819 | 「オロナミンC」の社長が郷土の阿波に建てしでかでかでかい国際美術館 | たまこ | 11月4日 12時02分 |
6820 | 故郷は紅葉の盛り我もいつか静心もて帰り見んかな | ぎを | 11月5日 00時42分 |
6821 | 白河の関の紅葉の色映えて西行法師をしのぶ人影 | 弁慶 | 11月5日 13時11分 |
6822 | 冬立つに未だ冷たき朝もなく紅葉も未だ谷(やつ)の緑は | 蘇生 | 11月6日 06時07分 |
6823 | 谷津々に冬靄深くたち込めて静かに明けゆく鎌倉の朝 | 弁慶 | 11月6日 09時24分 |
6824 | 鎌倉の冬の千鳥は哀れなり雪はらはらと磯におつる時 | 太聖 | 11月6日 11時26分 |
6825 | 堤防に釣りの人影薄れきて朝な向うや海は冬へと | 蘇生 | 11月6日 12時56分 |
6826 | 冬近く西より来たる雨雲に心わびしく雨の時待つ | ぎを | 11月6日 16時22分 |
6827 | 我囲む草の紅葉のセピアいろ眼とじる前の尾瀬の湿原 | 雛菊 | 11月6日 20時11分 |
6828 | 伊豆の山楓の色の鮮やかに時雨の後の峠道かな | 弁慶 | 11月6日 21時57分 |
6829 | 音楽堂に続く坂道に降る時雨 楷の紅葉の色を深めて | たまこ | 11月7日 00時37分 |
6830 | 雨に散るもみじヘッドライトに映されてことさら冬へ急ぐはなぜに | 寂 | 11月7日 02時42分 |
6831 | 錆びいろを朝な朝なに重ねきて十一月の山は鎮めり | 蘇生 | 11月7日 04時30分 |
6832 | 霜月の野は一面の草紅葉姫神山に初雪の降る | 弁慶 | 11月7日 07時47分 |
6833 | 小春日の河原を歩けば葛黄葉ひろごる念ひの末あはれなり | ぎを | 11月7日 09時38分 |
6834 | ひさかたも光のどけき秋もすえ風ひえて富士雪をかんむり | 太聖 | 11月7日 10時00分 |
6835 | 立冬をデイゴの花が咲きさかり積乱雲の湧く土佐の空 | たまこ | 11月7日 17時41分 |
6836 | 早暁の雨があがりて立冬の日の出が山の錆びを明るむ | 蘇生 | 11月7日 18時10分 |
6837 | 山道のきびしさ癒す吊花の実人差し指でそおっと揺らす | 雛菊 | 11月7日 21時12分 |
6838 | 九十九折伊豆の天城の峠道木の下蔭にさねかずらかな | 弁慶 | 11月7日 22時05分 |
6839 | ささやかな遺産分けなどけじめ得て百か日なる法会に行かん | 蘇生 | 11月8日 04時32分 |
6840 | 年々の立法あまた為し終えて六法全書今二分冊 | 弁慶 | 11月8日 06時05分 |
6841 | 来るものはいつかは去るもの人も年も河原の薄は吹く風まかせ | ぎを | 11月8日 16時15分 |
6842 | 朝なさな指が動きてパソコンのスイッチオンにて今日が始まる | 蘇生 | 11月8日 18時07分 |
6843 | 真萩散る妻恋坂の君の家朝のコーヒー白きカップに | 弁慶 | 11月9日 08時20分 |
6844 | 世の中に名のある坂は多かれど無縁坂ほど悲しきはなし | ぎを | 11月9日 16時01分 |
6845 | 神島の九十九折の坂を上りきり行路死人の歌の碑に遇う | たまこ | 11月9日 20時31分 |
6846 | 鴎外の「雁」のお玉の住む町の無縁坂なるゆるい坂かな | 弁慶 | 11月9日 22時11分 |
6846 | 欠礼の許しを得んと印刷の葉書き校了亡父を閲す | 蘇生 | 11月9日 22時06分 |
6847 | 人生はたよりなきかな生き別れ鯖の味噌煮に決めらるるとは | ぎを | 11月10日 01時52分 |
6848 | 逆光の小枝にひとつ柿の実の風に黒きは孤高にも似て | 蘇生 | 11月10日 05時54分 |
6849 | 送電塔の中ほどあたりのカラスの巣 小枝にまぢり青いハンガー | たまこ | 11月10日 06時35分 |
6850 | 廃村の夕暮れ近き村はずれカラス勘三郎カアと一声 | 弁慶 | 11月10日 09時11分 |
6851 | 廃村の増えゆく山より街に来て鴉は鳴けり塵あさりつつ | たまこ | 11月10日 21時59分 |
6852 | ごみ漁る鴉は人に逃げもせで視線あはせず人々は過ぐ | ぎを | 11月11日 14時11分 |
6853 | からす鳴くからすの話し耳に聴く春から夏に子に語りかけ | 太聖 | 11月11日 15時55分 |
6854 | 西の空からす消え行く秋の暮れ花摘む野辺の歌思い出す | 弁慶 | 11月12日 00時37分 |
6855 | だまされし男ら笑つてみな歌ふアウフ・ヴィーダ・ゼーン リリーマルレーン | ぎを | 11月12日 15時17分 |
6856 | 寒風にざわざわと鳴る日の中に椿は固き玉の花芽を | 蘇生 | 11月13日 05時56分 |
6857 | 宇治橋を渡れば神の庭にして御手洗の水に映る椿よ | 弁慶 | 11月13日 07時59分 |
6858 | 内宮のその大奥の大玉の砂利の神路を畏みてゆく | 蘇生 | 11月13日 08時48分 |
6859 | タロットのカードは「死神」願望は叶はぬけれどもそれが幸運と | ぎを | 11月13日 23時21分 |
6860 | 小夜時雨面影橋の別れから君の幸せ祈る年月 | 弁慶 | 11月14日 01時48分 |
6861 | 我が千首詠まばや年のくるるまで桃李の歌の巡るを待たん | 蘇生 | 11月14日 05時21分 |
6862 | 君の詠む千首の歌の輝きは古今を凌ぐ歌になるべし | 弁慶 | 11月14日 06時24分 |
6863 | 十百韻(とひゃくいん)連ねて十歳(ととせ)桃李(ももすもも)千万(ちよろず)までも巡りたるべし | 丹仙 | 11月14日 10時20分 |
6864 | 桃李にて歌に託せし自分史のきざはし千歩余すは七歩 | 蘇生 | 11月14日 11時57分 |
6865 | 千の歌季節は冬になりぬれど春風桃李花開く時 | 弁慶 | 11月14日 22時59分 |
6866 | 春の水夏虹の橋秋の月初冬の千木君に捧げん | 真奈 | 11月14日 23時14分 |
6867 | 木枯しのなぜかやさしき一号に惑いし木々の錆びは未だに | 蘇生 | 11月15日 05時15分 |
6868 | 冬枯るるまでの間あいのやわらかき樹林を歩む刻の愛おし | しゅう | 11月15日 10時38分 |
6869 | 里山は色とりどりに紅葉して水の流れも碧き国原 | 弁慶 | 11月15日 11時19分 |
6870 | 帰りなん昔まよひし幻の花野にこの冬果てん頃には | ぎを | 11月15日 11時51分 |
6871 | 月光もとどかぬ垣の間にも明かりて白き帰り咲く花 | 蘇生 | 11月15日 13時33分 |
6872 | 足柄の峠を望む細道にソメイヨシノの帰り花咲く | 弁慶 | 11月15日 22時28分 |
6873 | 戻れぬと思へば一そう悲しげな花になりゆくおとぎり草は | たまこ | 11月15日 23時41分 |
6874 | 石蕗の黄はいざなふごとく冬の日にいづれ思ふは心のままに | 蘇生 | 11月16日 06時13分 |
6875 | 石蕗咲いて季節の移ろい知る日なりさざ波白き池の面かな | 弁慶 | 11月16日 08時47分 |
6876 | またひとつ手術を受けぬ傷を得て歩めば石蕗の咲く頃と知る | ぎを | 11月16日 15時55分 |
6877 | 門前に老いも若かきも華やぎてなにを祈るや神無月には | 蘇生 | 11月17日 05時27分 |
6878 | 神をらぬ鶴岡の宮に君と来ておみくじ引けば凶も吉かと | 深海鮟鱇 | 11月17日 07時24分 |
6879 | 神田川面影橋をわたりつつ妻恋神社の御神籤よむ | 弁慶 | 11月18日 20時35分 |
6880 | 相成るや師走に向かう神の木は日々の御籤に白き帷子 | 蘇生 | 11月19日 04時49分 |
6881 | 走りゆく福澤先生また一人忘年会の日々に木枯らし | 深海鮟鱇 | 11月19日 12時26分 |
6882 | 四十年前の友なりこの朝は鶴も歩みて日の春を行く | 丹仙 | 11月19日 13時32分 |
6883 | 六十年前の友にて名乗りても要を得ずして破顔一笑 | 蘇生 | 11月19日 16時39分 |
6884 | 嵐呼ぶことを誓いし友なれど名を忘れいしままに抱き合う | やんま | 11月19日 17時20分 |
6885 | 宴あらば酒を交はして言祝がむ蘇生先生千首の快挙 | 深海鮟鱇 | 11月19日 17時50分 |
6886 | 友逢わば酒を交わさん今ならば和歌に俳句に筆ひだり手に | 太聖 | 11月19日 18時19分 |
6887 | 漸くに明日かも知れぬ千首目の和歌を吟じつボジョレヌーボー | 蘇生 | 11月19日 19時24分 |
6888 | 千の風千の花舞ふ桃李苑神御座すらし響く言魂 | 寂 | 11月19日 23時05分 |
6889 | 空高く掲げて祝う千成の瓢箪満ちる腰越の里 | 弁慶 | 11月20日 00時35分 |
6890 | いかばかり相模の海の深きかな千首の歌の母と思へば | 真奈 | 11月20日 22時21分 |
6891 | 五年余の平らきことを歌いきてたいあんにちに一千首となる | 蘇生 | 11月21日 04時47分 |
6892 | 一一月二一日よき日かな一千首にも一々の位置 | やんま | 11月21日 06時16分 |
6893 | このよき日君の建てたる金字塔その輝きを仰ぎ見るかな | 雛菊 | 11月21日 07時40分 |
6894 | 歳月を歌に重ねて陽を仰ぐ生命のまこと蘇る朝 | 丹仙 | 11月21日 09時24分 |
6895 | 重陽と蘇生の号の四文字を和歌にこめたる祝い嬉しき | 蘇生 | 11月21日 09時53分 |
6896 | 人の世の真は続くることにあり嗚呼貴きかな一千の歌 | ぎを | 11月21日 09時58分 |
6897 | 一樹にて森をなす椋の千年に手を触れてみる「いつか必ず」 | たまこ | 11月21日 12時24分 |
6898 | はるかなる千の階言の葉の掌にその重みいとほしみつつ | 真奈 | 11月21日 22時15分 |
6899 | 言祝ぎの歌に嬉しき朝ぼらけいきいき待つや今日の太陽 | 蘇生 | 11月22日 05時11分 |
6900 | 日は照らむ歌は続かむ人の世の四方に声あり山よ海よと | 深海鮟鱇 | 11月22日 07時12分 |